6.みんなで考えてみようのコーナー【小】
「けろーんっ! 気流りんだよ! なんか紙の束を渡されて、『別行動しながら色々やって来てね(略)』って無茶振りされちゃったから頑張るよ! 報酬は美味しいものいっぱいがいいなぁ……ジュルリ」
「おい、なんで俺を見た」
「きっと小坂君が美味しいものいっぱい作ってくれるよね!」
「どうしてそうなった」
「ねぇねぇ、ところで小坂君は進行役をクビになったんじゃないの? なんで気流りんと一緒にいるのー?」
「話を聞いてくれ…………あー、それなんだが、なんか、こっちに回すためにあっちをクビになったらしいぞ。俺にもよくわからん。俺には台本すらねぇしな!!」
「けろっ、とりあえずの突っ込み要員扱いなんだね!」
「…………」
さて、ふざけすぎてると話が進まなくなっちゃうから台本読もうかな。んー…………気流りん文字読めなーい☆
ってことでこの邪魔な紙の束は捨てちゃおっか。大丈夫、実はやること把握してるからね! 多分だけど!
「けろっけろっけろっ。とりあえずゲストを紹介するね。この人たちだよ!」
「あん? ゲスト?」
「じゃじゃーんっ」
声を掛けると、裏でスタンバイしていた人たちがゾロゾロと出てくる。
「このアースカラーな人はスメるんね」
「スメるん……?」
「で、次に女の子っぽいのがあっきゅん」
「おう。女の子っぽいは余計だな」
「それからゴスロリの子が蜘蛛ちゃんでー」
「…………」
「最後が紫お姉さんのスイレンさんだよ!」
「ふふふ、宜しくね」
「……なんっつーか、選りすぐりの変人って感じだな……濃すぎてワケわかんねぇよ……」
「あら? むしろ変人じゃない人なんていたのかしら」
「…………」
スイレンさんに微笑まれて小坂君は黙っちゃった。綾にゃんと言い、今のスイレンさんと言い、小坂君は年上のお姉さんに弱いのかな?
「ふむふむ。それじゃあ始めるよ! 気流りんプレゼン! 『第一回小坂君のプリ◯ュア衣装検討会』!!」
「……? はあぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」
うんうん。予想通り小坂君の良い反応が返ってきたからサクサク進めよっと。
「んとね、この検討会はここに呼んだゲストのみんなと一緒に、順位決定後の戦闘の対策を練るためのリクエスト企画だよー。小坂君は栄えある第一人柱……じゃなくて、んー……なんだろ?」
「せめてちゃんと誤魔化してくれ!」
「なんでもいいや! さぁ皆の衆話し合いたまーえー!」
「話を! 聞いて! くれ!!」
小坂君がぎゃんぎゃん言ってるけど話し合いはスタートした。みんなマイペースさんだなぁ。
「とりあえず僕はヘソだしを外しちゃいけないと思ってるんだよね」
「そうねぇ……でもジャージ要素も外せないわ。下にジャージをはかせましょう」
「でもそれじゃプリ◯ュア衣装として成立しねーんじゃねーの?」
「じゃあジャージにフリフリいっぱいつければいいです。あと巻きスカートつければ可愛くなるです」
「そうね……じゃあ巻きスカートは超ミニにしましょう。ジャージをはいてるから恥ずかしくないわね?」
「ジャージは膝までまくり上げようぜ。ナマ足要素があった方がいいだろ」
「でもブーツ的なのをはいた方が良いんじゃないのかい?」
「……それはピンヒールのパンプスで解決させましょう。ジャージの下はストッキングよ」
「まてまてまてまて」
下半身の意見がものすごい勢いで出てくるね。で、結局それはどうなるんだろう? ちょっと気流りんには想像つかないなー。
「くもみたいに頭にカチューシャつけるです。髪長くなくても可愛くなるです」
「いいわね。そこにバラをあしらっておきましょう。チャームは必要よ」
「とりあえず上半身は肩出し必須なんじゃないかな。健全な露出がプリ◯ュア衣装の醍醐味だと思うんだよね」
「色はどうなるんだ? とりあえず名前はキュアヘタレで確定だろ?」
「キュアヘタレ!」
「ヘタレじゃねぇよ!」
意見が次から次へ出てくるから気流りんも小坂君も中々会話に参加できないんだよね。んー、キャラが濃すぎるのも考えものなのかなぁ。まあ、気流りんはなにもせずに美味しいものいっぱいもらえるから全然良いんだけどね! お腹すいたなー。
「肩書きみたいなのも必要だよな。なんかあるか?」
「『紺色ジャージの優柔不断! キュアヘタレ!』っていうの考えたです」
「悪口だよな! それ俺の悪口だよな!?」
「そうね……優柔不断も捨てがたいけれど、『お洒落と無縁のジャージ戦士! キュアヘタレ!』っていうのも良いんじゃないかしら」
「やっぱりジャージは外せないよね」
「お願いだから一回落ち着こうぜ……」
情けない声で小坂君が言い出しちゃったから一先ずここまでかな? 突っ込む人が突っ込みきれなかったら一回終わりって書いてあった気がするもんね。はい、おーわり!
さ、これが続くのかわかんないけど、とりあえず美味しいもの食べに行こっと。