3 変人公務員ズと変態高校生達の準備
愛車がリコールになった・・・・
_(:3」∠)_もう禿げ散らかしたい
あと
勉強めんどくさい
_(:3」∠)_
大山農業高校へ通じる一本道を数台の軍用トラックとジープ、装甲車がきれいな列を成して走行していた。
その車列の一番後ろを走行している旧式の73式小型トラック(通称、男ジープ)の車内では、一人の男が悲鳴を挙げていた。
「あ゛あ゛ああぁ……あづづっ゛っい゛い゛い゛いいぃぃぃ………」
頭に66式鉄帽と呼ばれるヘルメットを装着し防弾ベストを着こんだ自衛官 笠谷康助二等陸士はあまりの暑さに悲鳴をあげた
ドライバーである彼の額にはもう既に大玉の汗でびっしりになり洗濯しすぎてやや色落ちした薄い緑色の作業服も汗で色が薄い緑から濃い緑色に変わっていた。
古いこの車両にエアコンなんて贅沢な物はこの車両にはついてない。
(おのれ、三菱&昔の防衛庁の偉い人め)
渋い顔をし右腕で顔を拭った。窓を開けようとしたが壊れているのか3㎝しか開かず外の空気がほとんど入らない。
お陰でひたすらなまでに車内は暑く汗が止まらない。
「暑い暑いって笠谷ぁ〜おめぇなんてまだ良いだろう俺なんて防護服をずっと着けとかねーといけないんだぞ」
っと運転席横より笠谷に言うは、長田頼真陸士長である
彼は化学科所属であるので今回のイベント中は食事やトイレ以外で脱ぐのを許されてない。
ちなみに現地の農業高校には着る場所がないのでもう着ているのである。
「おいお前ら…着ぐるみ着てる俺はどうなる?既に汗で目の前がよく見えないぞ」
暑さで論議をしている二人の間に入ったのは自衛隊の89式小銃をかたどった着ぐるみを着ている、星達也一等陸曹であった
この73式軽トラックには本来もう少し人員が乗せられるのだが何しろ着ぐるみのサイズがどこかおかしい
縦幅1.5メートル横幅2メートルもあるのだ。
ただしほとんどがクッションの飾りである別に彼が異様にでかい訳ではない。
他の隊員がこの車に乗れないのも彼らがこんな暑苦しい思いをするのも全て広報班のせいなのだ
「ん?」
ふと後ろから何か物音が聞こえた。
どんどん近づいてくる・・・・・・
ファンファンファンファン・・・・・・
何かサイレンの音である。
何のサイレンなのかと笠谷はサイドミラーを見て思わず間抜けな声をあげた。
「ファ!?」
サイドミラーで後ろを見ると何台ものパトカーがいたのであった
ファン!ファン!ファン!ファン!
パトカーのサイレンが何台も重なって聞こえるなか車載の無線機が鳴る
「ザッ!ザッザ〜指揮車より全車、指揮車より全車
後方の警察車両はサイレンは流しているが緊急で流している訳では無い。各車列を乱すな。」
自衛隊の車列の先頭にいるは87式偵察警戒車である
この無線も指揮警戒車に搭乗する小隊長より発せられたものである。
「しかし警察さんも意外と面白い事しますね」
っと笠谷
「あぁ……、先行してる自衛隊のコンボイに追い付いたらサイレン鳴らして自身の合流を伝えるってヤツな…。」
っと防護服を着た長田。
「……なんかうるさいな。」
っと星一曹。
(着ぐるみの顔は笑顔だが着ぐるみの下の彼の表情は笑顔の逆で渋い顔である)
耳に響くはエンジンとパトカーのサイレン………
サイレン鳴らすパトカーの前には自衛隊の車列…………
無表情でパトカーに乗る警察官………
そしてそれを見る自衛官の自分達…………
なんかコレ絵面おかしくないか?
なに?俺たち何かしたか?
っと最後尾の男ジープに乗る笠谷達自衛官s一同妙に心苦しい感じがしたと学校到着後こぼすのであった。
*****
一方、自衛隊の車列後方を走行する警察車両の列
列の一番最後にいる青い塗装が施された警察の人員輸送バスの車内では、
「暑い………脱ぎたい………もうこの際全裸になりたい………」
坊主頭をした警察官 杉野 太郎はハンカチでひたすら頭を拭いていた。
「いや、パンツまで脱がないで下さいよ。逮捕しますよと」
近くにいた交通科の栗毛の婦警が冷静に言う
「も、もうこの際………」呟き席から立つ
「杉野巡査?杉野巡査!ちょ、なに制服脱ごうとしてんですか!!」
と杉野巡査を取り押さえる交通科の婦警 松平佳子巡査長
「うるせー熱いんだよなんでたってこのバスエアコン壊れてんだよ!
さっきから汗しか出ないぞ」
そう言い杉野は、上半身を脱いだ
「熱いのは皆同じなんです!同じなんですから我慢して下さいよぉ!!」
っと松平は言いズボンを脱ごうとする杉野を押し倒した
「ちょっギブギブッ…(グキッ♪)アーーー!!!」
とベルトを緩めようとする2メートル近い身長を持つ杉野巡査を羽交い締めでホールドする(何か折れた音したが気のせいか?)婦警の松平巡査………交通科じゃないほうが良いんじゃないか?
「うるさいぞお前ら!!静かにせんかぁー!!!」
防弾ベストに黒ヘルメットを被った機動隊の隊員太田常明警部は後ろで寝技をかましてる婦警と上半身裸の巨漢の警察官の二人に対し叫び二人に手錠をはめようとする。
オトナシクセンカー!
ケイブホ!タスケテッ(ボキ)アーーー!
ワー!ナンデワタシマデーーー
(まったく貧乏クジを引いたもんだ)
とうるさい同僚達を尻目に表紙にコルトM1911A1ガバメントを持った赤毛の少女が描かれた小説を持ち読書にふけるは大山農業高校の付近にある駐在所に勤務する黒田 将海警部補であった。
彼は、今回のイベントで『駐在所勤務のお巡りさん』の代表という事でこのバスに乗っている。
「はぁ〜暑いなぁ・・・・・・。」
彼が早く着かないかなーと思っているその頃
大山農高のとある部室では、、、
「諸君!今年は近藤鉄砲店
から借りてきた古式銃持ってきたッ!!!」
髭眼鏡を掛け頭に紺を基調とした農高の制服のブレザーを着込みシルクハットを被った一人の男子生徒がビールケースの上に立ち射撃部の部員達の前で演説めいた感じで今年の射撃部の文化祭出し物の説明をおこなっていた
彼こそ大山農業高校射撃部部長であり本作主人公神納耕田あるっのだ!
「だが!しかしッ、コレだけでは圧倒的ッ圧倒的ッ!地味な展示になってしまうッ!」
どこぞの負けたら即地下行き賭博漫画みたいな感じに演説する神納
いや奇妙な冒険のアレか?
「なので今回、今年入った水産科一年の志村君の意見を採用したッ!!!」
そう言い神納は横に居た丸刈り頭で童顔の彼、志村 岳に顔を向けた。
「いいかね?志村君」
「はい!先輩大丈夫です!!」
志村ははち切れんばかりの声で返事をした
「よろしい」そう言い神納は髭眼鏡をクイッっと上にやった
「今年・・・我が射撃部がやるのはッ!
なんと・・・
なんと・・・・・・
コスプレじゃあ〜!」
っと叫びガッツポーズをとる神納と志村。
しかし話を聞いていた一人の部員がAK47自動小銃の形をしたガス式エアーソフトガンを取りだし神納の股間に向け連射した!
パパパパパパパッ!!!!
「あだだだだだアー!!!」
神納は股間に両手を当て地面を転げ回るった
・・・どうやらタマがタマに命中したようだ
「じゃかわしいわ!ゴラァなんでそんな格好しなきゃいかわかんのじゃ」
っと言い彼を銃撃した黒い黒髪の毛をツインテールにして学校指定の体操服を着ている部員 利根川 巡であった。
「大体、何でコスプレなんデスか?」
股間を撃たれ悶える神納に話しかけた上下ウッドランド迷彩の作業服を着込み金髪碧眼の少女は、
アメリカからの留学生 カラミティ・マランツァーノであった。
「祭りだからさ!!!って利根川先ぱっ、ムグッ!」
利根川は、志村の口を手で押さえ彼を強制的に黙らせた。
「とりあえずこの馬鹿二人はどうしようかのぉ」
利根川は志村を横に倒し両手を使いガッチリホールドした
「モゴモゴモゴッモゴー!モゴッモゴモゴ!(利根川先輩!放してー!放して下さい!)」
志村は、両手ジタバタさせ暴れるが利根川はガッツリ捕まえているので容易には抜け出せない様だ。
「うぅん・・・ぬうぅん・・・・」
神納はまだ痛むのか手を押さえ床でごろごろ転がっていた
「良いんじゃないデスか?別に減るものでもナイですよ」
そう言い彼女が手に取ったのはサイズが小さいビキニであった
「いやちょっと待て、それはオエン(※ダメ、アカンの意)それは絶対オエンて!!大事なのが無くなるわ!!!」
利根川がそう叫んだその時
「おーすっ!神納ぉ〜志村ぁ〜差し入れ持ってきたぞ・・・・・・ってなんじゃこりゃ!?」
コンビニ袋片手に部室のドアを開け入って来たのは、水産科三年 南原正毅であった。
「また、お前ら・・・・なにそれ何のプレイだよ。おい」
南原は後輩達の無様な格好に半ばあきれ気味な声で呟いた
「あぁ、な南原センパーイ」
股間に手をやりながら南原の方へ顔をやる神納
「あぁやっぱ原因はお前らか」
南原は部室のベンチの上にあるメイド服やチャイナ服、水着を見てどういった死闘が部内で繰り広げられたをやや誤解を生みつつも察した
「めぐる・・・制圧するにももうちょい加減してやれよ」
南原はそう呟きコンビニ袋の中からコーヒー牛乳が入った紙パックを取り出し蓋を開け
「はぁ〜〜お前らには泣けるぜ・・・・」
と聞こえないくらい小さな声で呟いた南原はコーヒー牛乳をらっぱ飲みするのであった。
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(´・ω・`)/