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姫と騎士 -プリンセスナイト-  作者: 中村 リョウ
第弌章:孤高のブレードマスター
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EPISODE19:行動・・・

「うわ〜・・・今日のアキバは警察だらけだな・・・」


学園の授業が終わり電車でアキハバラまでやって来るなり通行止めにあってしまう。


「何があったんでしょうね・・・」


野次馬も多く掻き分けて進むのは、困難な状態だ。


「みなさん下がってください!現在中央通りは立ち入り禁止区域になっております!」


高台に立っている警察官は必死に野次馬達へ指示を出している。


「あれってさ・・・"対テロ機動警察隊"だよな?」


大勢な人混みの中微かに見えたのは、ヘルメットにバイザーを付けており、防弾チョッキのような服装をきた人達が何人か見かけた。


「機動警察隊がいるってことは、テロでもあったのか?」


「まさか・・・狙われるとこなんてなにもないぞ?」


「確かにそうだけどさ・・・今日の朝は何ともなかったのにな。」


などと浩二がつぶやいてると一人の警察官が密集している人達を掻き分けこちらにやって来る。


「すみません。何があったんですか?」


俺は思わず駄目元で、ここで何が起こったのか近くに来た警察官に話を聞いてみる。


「いや・・・詳しくは知らないのだが、何か車が爆発したみたいでな・・・俺達が来た時には、この騒ぎだよ。それより、君たち学生だろ?今日の所は帰った方がいいぞ。」


警察官はそう言い残すと電車の駅の方へと向かい人混みに消えてしまう。


「ということは、部活はできそうにもないな。」


「野球は出来るけど。」


「それを言うなっての!」


「コウジうるさい!」


「す、すみません・・・」


浩二はアクアに一括をくらいしょぼんとしてしまう。


(さて、どうしようか・・・)


ここは、とりあえず、エリーさんに電話しておいて今日の流れを聞いておいた方がよさそうだ。

俺はすかさずズボンの右ポケットにしまってあるスマートフォンを取り出しエリーさん当てに電話をかける。


『はい、もしもし。優希?』


「あっ、エリーさん?今何処にいますか?」


『えっと・・・バスの中?』


「えっ?」


エ、エリーさんがバスに乗るなんて珍しい・・・


『優希達は、アキハバラにいるんでしょ?』


「ええ。まあ、そうですけど。」


『電車はやめておいた方がいいわよ?』


「プチ情報ありがとうございます・・・じゃなくて。」


本題を聞かなくてどうするんだよ。


「今日の野球練習はどうしますか?」


『野球練習・・・そうね。』


エリーさんは思考中なのか少し無言の時間が過ぎる。しばらくすると。


『今日はやめておきましょ?優希達は、河川敷から家が近いと思うけど、電車で来てる卓人や里美ちゃん達の事を考えると、少しきつそうだから。』


野球練習が終わるのは、丁度大人達が会社から帰宅する時間帯だ。特に今日はアキハバラが面倒な状態なので、交通機関は大変だろう。


「分かりました。俺からは、アクアと月美ちゃんと浩二に言っときます。」


『うん。よろしくね。一応、メールでみんなには今日の野球練習は中止って伝えとくわね。』


「はい。」


そこで、電話の会話が終わりスマートフォンをズボンの右ポケットへとしまう。


「エリー先輩はなんと?」


「野球練習は中止だってさ。」


「イャッホー!!」


「宮河先輩・・・本当にうるさいです。」


「申し訳ありません・・・」


(自業自得だな・・・)


「ユ、ユウキ・・・」


すると、アクアは袖を引っ張り二人に聞こえないようにささやく。


「どうしたんだ?アクアアクア・・・」


「・・・微かだが、通常より濃度が高い"魔素"が浮遊している。」


「えっ・・・」


つい声が出そうになり俺は手で口をふさぐ。


「どういうことなんだ?」


「つまりだな・・・誰かがフィールドで魔素濃度を上げたんだ。」


「魔素濃度を上げただなんて・・・一体何のために・・・ん?」


俺はさっき警察官から聞いた話を思い出す。


『何か車が爆発したみたいでな・・・俺達が来た時には、この騒ぎだよ。』


(車が爆発した・・・)


「アクア・・・この話は苗宮荘に帰ってからしよう。」


「そうだな。」


俺とアクアはコクリと頷く。


「とりあえず、今日は帰ろうか。」


「そうですね。」


「ああ。たまってるツミゲー(エロゲー)を終わらせないとな。」


・・・ダメだこいつ。早く何とかしないと。


-苗宮荘 自室-


「誰かが戦っていた可能性が高い・・・どういう事なのだ?ユウキ。」


「ああ。俺の推測だけど、警察官が言っていた車が爆発した事についてだ。あれは多分、奴らが意図的にやったものじゃないと思う。リュドミラは確か"炎使い(フレイムマスター)"とか言ってたよな?」


「うむ。」


「彼女が炎を操れるなら車を爆発させるなんて簡単な事だけど、根本的な事は何故中央通りでわざわざ車を爆発させる必要があるかだ。それに、あいつらの目的は、アクアだ。陽動にしては、単純すぎる。」


「確かに・・・私達が実際アキハバラに行かないと気付けなかったのだからな。」


「ああ。それに・・・あいつらならうまく陽動出来るはずだ。」


あの男はともかく、リュドミラは見た目や口調にして思考派と思える。


「誰かが戦ってたとしてローナじゃないよな・・・」


彼女のアルバイト先は、中央通りにあり一瞬不安が頭の中をよぎる。


「・・・呼んだ?」


「うわっ?!」


いきなり俺の下の床がぱかっと開き、こういう登場の仕方で見覚えがある人物が姿を表す。


「ローナ!ここ二階だぞ!」


「大家に教えてもらった・・・」


ミカエルさん・・・教えるよりも、直してくれよ・・・


「驚いた・・・?」


「まあ・・・な。(とりあえず、安心しだな・・・)」


少し気持ちが落ち着く。でも、ローナじゃないとすると一体誰が・・・


「なあ、ローナ。アルバイト中に何か起こらなかったか?」


「うん・・・誰かがフィールドを放ってた。」


「やはり、フィールドだったのか・・・」


アクアは、少し納得したようだ。


「フィールドと言っても弱いものだった・・・"インクプスワールド"の魔素濃度が低いものだと考えたら、分かりやすい・・・」


「あ、ああ。」


「もし、"インクプスワールド"が発動していたら、大変な事になってた・・・」


「そうだな・・・あれは、使い方によれば、殺戮魔法にも利用できるからな。」


・・・あまり、考えたくないものだ。


「話を戻して・・・しばらく、時間が経ったら、爆発が起きた・・・」


「爆発か・・・」


「フィールド自体私は巻き込まれたけど・・・放った本人は、私がいることに気づいていない様子だった・・・」


以外にローナって、気配を消すのが得意なんだよな。まあ、彼女の本職自体得意そうだからと思うけど。


「それで、フィールドを放ったのと爆発をおこした奴は、見たのか?」


「うん・・・昨日、最後に現れた"炎使い"・・・それと、誰かと戦ってる様子だった・・・」


「ユウキの言った通りだな。」


「ただ・・・炎使いと戦ってる人物はよく見えなかったの・・・ごめんなさい・・・」


ローナはぺこりと頭を下げる。


「い、いや、別に謝らなくてもいいって。誰がやったのか、分かっただけでも十分だ。」


「そう・・・」


「・・・」


(・・・どう、反応したらいいんだ!!)


とりあえず、リュドミラは、誰かと戦闘し意図的か偶然かまでは、分からないが俺達が目的じゃないということは、確かなようだ。今は・・・


「その後、フィールドが解けて、外へ出ると武装している組織のようなものに店から追い出された。」


機動警察隊のことだな。


「一度は、交戦しようかと思った・・・」


「危ないな!?」


「冗談・・・」


ローナが言うと冗談なのか、よく分からない・・・


「つまり、炎使いが起こした爆発は、私達とは無関係ということだな?」


「今は、そう考えてもいいな。」


「うん・・・それがいい・・・」


そう結論づけ少しだけ一安心する。


「そろそろ、晩飯でも作るか。せっかくだから、ローナも食べて行くか?」


「いいの・・・?」


「もちろんではないか。ユウキの作る料理は美味しいのだぞ?」


「ありがとう・・・アクア・・・ダーリン・・・」


「あ・・・はは。」


今更だが名前ではなく、"ダーリン"と呼ばれるのは恥ずかしいな・・・


「ま、まあ!張り切って作りますか!」


スッと立ち上がり、袖をめくりあげ俺は台所へと向かう。


(・・・明日からローナに剣の戦い方を教えてもらうか。)


今のところ、脅威はないがいつかは絶対、あいつらは何か行動を起こすだろう・・・それに備え俺も、同等に戦える力を身につけないと彼女との約束は守れない・・・


(次こそは絶対に・・・)


自分では、認めたくなかったが本当の意味では、心のどこかでは"リベンジ"というものがあった。


EPISODE19:行動・・・END

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