表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/11

6、25×2

シャンデリア、足音、叫ぶ声。と、おでこをさする少女。


今回はそんな感じの第6話。



楽しんで読んでいただけると嬉しいです

「ん…。」

ゆっくりと目を開けると、見えたのは茶色くくすんだ天井だった。

…夢だったのか。

あれ?寮の天井ってこんなシャンデリア付いてたっけ?

「って!」

あれ?なんかデジャヴ?

とりあえず、俺は体を起して辺りを見渡してみる。

今俺が寝ていたのはきれいなシーツと布団が敷かれているふかふかのベッド。

部屋はかなり広い。例えて言うなら…小学校や中学校でおなじみの25メートルプールが余裕で二つ入るであろう大きさだ。

にしても広い…。そんな広い部屋にたった一つだけ置かれた唯一の家具、ベッドに俺は座っている。

っていうか、ここは何処だ?

まだ夢を見ているのか、俺は見覚えのないのない部屋に居た。

何も音が聞こえてこない静かな部屋だ。

これは…夢だな。

俺はそう判断して、次に目を開けた時は自分の部屋で遅刻寸前的なシチュを想像しながら、もう一度ベッドに横になって目を閉じた。遅刻寸前なのも困るけど。

…が。

「たああけええとおおらああ!!!」

何処からか俺を呼ぶ声が聞こえる。

あぁ、これもまた夢か。最近は騒がしい夢ばかり見るな…。学校に登校中に変な奴らにかつあげされたり。

今度は大声で呼び出しかよ。勘弁してくれ。

「返事して!何処に居るの!?」

いや、これを夢と呼ぶにはいささかリアルすぎる。走ってくる足音までどたどたと聞こえてくるではないか。

しかも、この声は…。

ふと、思い当たる節があったのでとりあえずベットからのそのそと這い出て、ドアへ向かおうとするが…。

「畜生…遠いぞ。」

ドアまでが遠いと今日ほど思ったことはない。

25メートルプールが入る大きさだってさっき言った。

このベッドが置かれているのは、壁際。ドアは、丁度向かい側にあるんだ。その場所、約25メートル前方。

ぽてぽてと寂しい部屋を横断してドアまでたどり着いた時には、さっきから俺を呼んでいる声も近くまで来ている。

――ガチャ――

ドアがマニュアル通りの音を立てて外側に開く。

――ドカッ――

…同時に何か気持ち悪い音もした。

「ふにゃぁ。」

あ、やっぱり。

ドアを完全に開いて外を見ると、想像した通りの人物がそこに居た。

「だ、大丈夫か?柚季…。」

俺は目の前のでこを押さえてうずくまってる少女に聞いた。

「大丈夫な訳あるかー!」

でこを押さえた手はそのままにシャキッと立ち上がった柚季。

おでこをさすっているところをみると、かなり痛いらしい。

「ゴメン。まさかドアの前にいるとは…。ってか、ここはどこなんだ?無駄に広いぞ。この部屋。」

柚季から目を離してちょっと左右を見てみる。

右、左、もう一度右を見て。はい。車は来ません渡りましょう。

ってくらい長く、広い廊下が続いていた。

要するに道路の様だってこと。

「何かの別荘か?ドッキリか?あいつらも仕掛け人か?」

何も答えない柚季に再度問う。

「ぬー…別荘、正解♪でもちょっと違うかな竹虎くん。ここは別荘じゃなくて、お城にゃのだよー。次、ドッキリ、不正解。これは別に竹虎を驚かせようとしてるわけじゃないんだけどな…。最後、あいつらって誰!?」

ふむ。さっぱり分からない。っていうか、最後は俺が聞き返されてるぞ?

「あれだよ、ほら。元気っ子とドSさんと侍と召使っぽい人。俺も名前は知らないんだけど。」

俺は丁寧に指を1本ずつ増やしてあいつらの名前…じゃなくてあだ名を言っていく。

「あー!ドゲサメさんたち??あの人たちかー。」

ふむふむ。

と、おでこをさすっていた手を今度は顎にあてて頷いてる。

っていうか何…?どげさめ…?

「ほらー ドSさんの‘ド’と、元気っ子の‘ゲ’って…考えると!ドゲサメになるんだよ!」

めっちゃ得意げに話す柚季。

いや、めっちゃ言いずらいし。語呂とか悪くないか?

あいつらの本名は!?それが名前なのか…?

「ドゲサメ…ね。んで?その人たちもドッキリの仲間なのか?」

そこを追及してもらちが明かないだろうから、そのまま話を進める。

「あー うん。仲間っていえば仲間だよー。」

そこで言葉を切ってから、柚季は俺の姿を上から下まで見だした。

ん?俺なんかおかしな格好してたっけ?制服着てる筈…。

そこで、ふと自分の体に目をやる。

「あれ…?」

今、俺の頭の中ではキッチリとネクタイを閉めたTHE☆制服スタイルなんだが…。

目に映ったのは、Yシャツの第一ボタンはキレイにオープンで、ネクタイはゆるゆるになっている姿だった。

とっさに手で首筋を隠したけど遅かったらしい。

読んでいただきありがとうございました



感想頂けると嬉しいです

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ