閻魔警察その2
地獄からの脱獄犯を捕まえる「閻魔警察」である拓実は、休日に友人の潤哉と宇宙船停留所にいた。そこで見つけたのは、今朝指名手配された、脱獄犯の谷口秋男だった。
「潤哉、少し話を聞いてくる。」
「気を付けろよ」
「ちょっとお話いいですか?」
閻魔警察手帳を見せる。
「閻魔警察か、情報が出回るのが早いな。」
「大人しく捕まれよ。逃げても無駄だ。」
「捕まる訳にはいかない。最後に会いたい人がいるんだ。」
「それはできない。」
「なら、サヨナラだ。」
その瞬間、目の前が真っ暗になった。
「おい、相馬拓実。話を聞いているのか!」
「ちゃんと聞いてますよ、風俗行ったのがバレて奥さんと別れた話っすよね。」
「やっぱり聞いてないじゃないか。新人のおまえにEGの使い方を教えていたところだ。」
「いーじーってなんすか、」
「そこからか、EG Emma Gear の略で、地獄から逃げた脱獄犯を捕まえるための道具だ。」
「あーなるほどっす」
「今日は二つ、EG-Wと、EG-G の用途を教えるからな。」
「お願いしまーす」
「まずは、EG-Wだ、Emma Gear-Watch という。こいつは腕時計型の通信端末で、連絡はこれで行っている。次に、EG-Gだ。Emma Gear-Gun と言って、これを撃つことで機械の体を持つ脱獄犯の動きを強制的に止めることができる。」
「どういう原理なんすか。」
「知らん!詳しいことは技術部のやつに聞け、」
「そうすか。」
視界が白く濁っていく。
「…くみ!拓実!やっと起きたか!お前レンチで殴られてさあ、」
閻魔警察に入り立てのころの夢か、
「どんぐらい寝てたんだ。」
「一時間半ぐらいだな、大丈夫か。」
「ああ、ちょっと夢見てただけだ。逃がしちまったな。」
「いいから、病院行くぞ、」
「大丈夫だ、このくらいすぐ治る。」
「おまえなぁ、」
言葉を遮るように宇宙船が到着した。
「行くぞ潤哉」
「ホントに大丈夫なんだろうな」
入口の端末にCOSMOをかざした。
閻魔警察手帳 閻魔警察の身分証明書
COSMO PASMOの宇宙船バージョン
EG-G の説明 地獄には種類がある。
機械の体を与えて肉体労働させる
「鉄肉地獄」
コンピュータのなかにも入れて頭脳労働させる 「電脳地獄」
電脳地獄の囚人を幽体化させて弾丸として撃つことで鉄肉地獄の囚人の機械の体を内部から破壊することができる。
幽体化 文字どおり幽霊のような体を一時的に与えること。物体をすり抜けることができ、逆に触ることもできる。




