幼なじみだけど、好きになっていいよな
体育祭本番。
ボール運びリレー、ラスト勝負。
「彩、絶対落とすなよ。」
涼が、私の目をまっすぐ見つめてくる。
……この距離、近すぎない?
「わ、わかってるし!!」
「うん、だって俺、お前と一緒に走りたいし。」
「……っ!? な、なに言って──」
「ほら、行くぞ!」
涼はあっさり走り出して、私は一人で真っ赤になった。
「せーのっ!」
「せーのっ!」
テンポよく運んで、もう少しでゴール。
でも、その時──
ぐらっ。
「あっ……!」
私がバランスを崩して、ボールが落ちかけた。
「彩!」
涼が、私の手をぎゅっと握って支える。
「大丈夫。……俺がちゃんと支えるって言ったろ?」
「え、いつ……そんなこと……」
「昨日も、今日も、ずっとそうじゃん。」
涼が、ニッと笑った。
……やばい、これ、ほんとにやばい。
「な、な、なんでそんな……っ、バカ!!」
「え、なんで怒ってんの?」
「うるさいっ!幼なじみなんだから当然でしょ!!」
「ふーん、幼なじみ……ね。」
涼の笑い方が、なんか、ズルい。
「優勝だー!!」
悠真がゴールで大声を上げた。
「おーい、涼〜!彩〜!もう付き合えよ〜!」
「はぁっ!?!?」
「誰が!?」
二人して同時に叫ぶ。
悠真は、満足そうにニヤニヤしてた。
***
放課後。
「なぁ、彩。」
「……なに。」
「俺、さ。」
「…………」
「お前と幼なじみで、ほんとよかった。」
「……な、な、なんで、今それ言うの。」
「だって……好きだし。」
「……は?」
「お前と、一緒にいるの、楽しいし。」
「ちょ、ちょっと待って、あんた今──」
「俺、お前のこと、めっちゃ好きだよ。」
「えっ、ちょ……えっ、えっ。」
涼は、ニッて笑って、
「……幼なじみ、だけど、いいよな?」
なんて、さらっと言った。
ああ、もう。
このバカ、ずるすぎる。
「し、知らないっ!!」
顔を真っ赤にして、私は逃げるように教室を飛び出した。
──でも。
走る私の心臓は、すごく、すごく高鳴ってた。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!✨
今回、だいぶ甘めにしてみました!!
涼くん、天然なくせに、たまに爆弾発言するのずるいですよね(笑)
実は、私自身こういう「甘々幼なじみラブコメ」を書くのは初めてで、
考えるのがすごく難しかったんですが、書いてるうちにだんだん楽しくなってきました( *´꒳`*)
悠真くんのニヤニヤ役も個人的にお気に入りです(笑)
次回も、もうちょっとだけ、この二人のわちゃわちゃを続けたいと思ってます!
もし楽しんでもらえたら、感想やアドバイスいただけたらすごく励みになります!
ではでは、次もぜひよろしくお願いします〜!