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13.探魔②

今日も起きてすぐに訓練場に入り、坐禅を組む。

 三週間毎日行ったことで動作はスムーズになり、目を瞑るとすぐに思想の海の中に入ることが出来る様になっていた。

 海は相変わらず暗く先を照らす灯りはない。それでも段々と慣れて来たことで恐怖心は殆どなく。集中力という名の息を吸い込むと一気に海底目掛けて潜水していく。初めは一時間と持たなかった集中力も今ではゆうに五時間を超え、かなり深くまで潜れる様になった。しかし未だ底がある気配はない。

 次第に焦りが生まれ大きくなり、集中力が底をつき今日も魔力の源を発見できぬまま上がって来てしまった。

「…ハァハァ」

 最早悔しさよりも焦りや自分自身への失望の様な感情が強くなってくる。

 ヴァイトも最近は煽る事をやめ安心させる様な事を言うようになり、それが寧ろ焦りを加速させていく。

 今日もヴァイトと二人で一緒に訓練場を出るが一緒にいることがどこか辛くなり逃げる様に図書館に向かった。

 今日も変わらず読書しているルルに軽い挨拶をしもう10冊以上読んでる魔術の本棚に向かう。

 どこか上の空で本を吟味していると後ろに気配を感じた。

「今日はどんな本を読んでみるの?」

 「今日も魔術の本かな、敢えて他の系統の本も読んでみたけど正直あんまり身にはならなかったし」

「そっか、気休めかもしれないどう私も探魔は一ヶ月ギリギリで何とか出来る様になったからあまり根を詰めないでね」

「ああ、ありがとう。ちなみにルルはどうやって魔力の源を発見出来たの?」

「私は…」

 ルルは後ろにあった踏み台を持って来て魔術棚の上にある少し埃の被った本を取り出す。

「私はこの本に書かれてる事がきっかけで習得出来たんだ。正直村の他の人から分かりにくいって言われてて紹介するか迷ったんだけど……」

 少し自身なさげに手渡される。

「今は藁にもすがる思いだから助かるよ。この本のどこら辺が良かったんだ?」

「この本は理論的って言うより感覚的な事が書かれてるんだけど、その中で魔力の源は自分の得意な属性魔法のイメージの魔力が湧き出てるって書いてあって、私の場合は支援魔法が得意だから、それで何となく柔らかくて暖かいイメージの魔力を探してたらたまたま発見できたんだよね」

「確かにだいぶ感覚的だね、でも試した事なかったから明日試してみる」

「助けになるといいけど…」

 ルルのオススメの本を借りて家に戻り、いつもの様にご飯を食べて布団に入る。

 それでも今日は本を片手に寝落ちすることはなく、借りた本を読み進めていく。

 ルルの行っていた通り感覚的な表現が多くあるがこの本の著者も探魔を海に例えており、感性が似ているためか今までよりもずっとスッと頭に入ってきた。

 新たな発見に確かな手応えを感じ、気づけば全て熟読していた。

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