表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/52

明日からは……。

「アーキー、僕は疲れたから眠るよ。明日からは、この作業を一人でやらなくちゃいけないかも知れないよ!わからない事は、リズリさんに聞くんだよ」


「あっ、うん。わかった。ありがとう」


「10時までに帰って来れなかったらよろしくね」


「お、おう。任せろ」


「じゃあ、おやすみ」


「おやすみ」


ホウは、部屋を出て行った。


確か、朝御飯の前もってパーンが言ってたよな。


明日の朝は、ホウに迷惑かけないようにしないとな。


俺は、手に持っていたタオルを目の前のバケツに入れる。


バケツとタオルは、一瞬でいなくなってしまった。


さっきまで、アオーが広がっていた部屋の床は綺麗に片付けられていた。


ホウがいなかったら、脳に侵食されてたよ。


俺は、ベッドにゴロリと横になる。


つうか、汚部屋スキルってマジ駄目なやつじゃん。何とかしなきゃ……。


ホウに迷惑かけりだけだよな。


俺は、目を瞑る。


すぐに、眠りに落ちた。


「はぁーー」


朝起きると、また拭き掃除の魔法がかけられていた。


俺は、タオルを取ってアオーを拭き取る。


フキフキフキフキフキフキフキフキフキフキフキフキフキフキフキフキ…………………??


何故だーー


あっ、絞るんだった。


俺は、バケツでアオーを絞る。


けれど、何故か固い。


固くて、固くて絞れない。


一滴もアオーは、バケツに落ちない。


昔、母が作ったジャムの瓶を開けてくれと頼まれた時もこうだった。


何をしても開かずに、最後は母が蓋をガンガン叩きまくっていたのだ。


今の俺も、それと同じ状態。


俺は、ブンブンとバケツの中でタオルを叩きつけてやる。


これで、いけるだろう


えっ??


バシャーーー


ホウの魔法が拭いてくれたアオーが全て床に零れてしまった。


か、かからなくてよかった。ホッとしたけれど……。


これは、どうしたものか……?


俺は、目の前に広がるアオーを見つめていた。


「アーキー、目玉焼きは半熟がいい?」


タイミング悪くホウが入ってきた。


「だ、大丈夫だった?スキルを同時に三ヶ所で使うには、まだ早かったみたいだね。ごめんね。かからなかった?」


「いや、違うんだよ。これは……」


ホウに伝えようとしたけれど、ホウは「同時に三ヶ所で使うには、まだ難しかったんだな。きっと……」と自分の能力が未熟だと思っている。


ホウは急いで、アオーを片付けてくれる。


「あのさ、ホウ。俺さ……」


「あっ、ごめん。目玉焼きは、半熟でいい?」


「いいよ。でさ、ホウ」


「ごめん。シェッフルに伝えなきゃ!じゃあ、手洗ってキッチンに来てね」


ホウは、走ってキッチンへ行ってしまった。


俺は、バケツの中にタオルを入れる。


言えなかった……。


俺が汚したって言えなかった。


俺は、立ち上がって手を洗いに行く。


最悪だ。


俺は、この生活でホウに迷惑をかける。


それは、絶対だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ