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スキル汚部屋しかない俺が異世界で掃除スキルを習得してもしかしたら整理収納アドバイザーになれるかもしれない?!お話【仮】  作者: 三愛 紫月
第一章 真っ白な世界

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リズリ……

どこまでいっても、白が続いている。

俺が住んでた街は、もっと色とりどりだったな……。


「つきました」


真っ白なアパートの前でチージーのバスが停まる。


色は違うけれど、俺が住んでいたアパートに似てる。


「ありがとう」


俺は、走っておりる。もしかして、あの部屋……。


俺は、急いでアパートに近づく。


「アーキー、そんなに急いでどうしたんだよ」


振り返るとホウが後ろから追いかけてきていた。


俺は、部屋の前で止まると扉を開けようとドアノブに手をかける。


「あーー。お早いお着きでしたね」


後ろから、声がして俺は振り返った。


………………。


「母さん……」


俺は、小さな声で呟くと……。


「母さん?なの?アーキーの?」


隣にやってきたホウに聞こえていたようだ。


「母さん?いえいえ。私は、隣に住んでいるリズリと言います」


母さんにそっくりな彼女は、俺とホウに挨拶をしてくる。


「あっ、すみません。初めまして、アーキーです」


「初めまして、ホウです」


「初めまして」


それから、リズリさんは色々話してくれたけれど……。俺には、何も届かなかった。


俺は、いつも見ていた異世界のアニメを思い出していた。


ホラーだと思っていた。


だけど、実際に会うとホラー要素はない。


ただ、ただ、嬉しい。


母さんが生きている事が嬉しい。


「ねーー。聞いてる?アーキー」


「えっ、あっ、ごめん」


「別に言いんだけど……」


ホウは、鍵を開けていてリズリさんはいつの間にかいなくなっていた。


「さっきの人は?」


「息子さんを迎えに行くらしいよ」


ホウの言葉に胸がチクリと痛む。


「そっか……」


気にしないようにしながら、部屋に入る。


「リズリさんが話してくれたんだけど……。僕がいない時間は、リズリさんがアーキーを見てくれるから……」


「どういう意味?」


「実は、さっきリズリさんに働き先の勤務形態を見せてもらったんだけど……。どうやら、不規則なんだよ。寮の時と違うから仕方ないんだけど。ここでは、アオーの掃除を自分でしなくちゃいけないから。スキルがないアーキーにとっては大変だろ?」


「そうだな」


「その為に、リズリさんがいてくれるみたいだよ!よかったね」


「うん」


「あのさ、さっきから聞いてる?」


「えっ、あっ、うん」


俺は、母に似てるリズリさんの事を考えてしまっていた。


「どうやら、僕は夜勤の仕事もあるみたいなんだよ」


「そうなの!?」


「うん。ちゃんと働かなきゃね」


ホウは、小さく溜め息をついて部屋に行く。


2DKのアパートだ。


多分、キレート校長が部屋が2つある場所にしてくれたんだろう……。


真っ白な部屋。


真っ白な空間。


俺が住んでいたアパートと同じなのに……。


違う。


ゴミがないからとかじゃなくて……。


色がないせいだ。


アパートに来て感じる。


色がない事の不気味さ……


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