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スキル汚部屋しかない俺が異世界で掃除スキルを習得してもしかしたら整理収納アドバイザーになれるかもしれない?!お話【仮】  作者: 三愛 紫月
第一章 真っ白な世界

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マトメーの練習

ミズーは、俺をチラリと見てから、また検索機で検索していた。


「そうですか!その手がありましたか」


そう言って、落ちてますって態度を見せている俺に検索機の画面を見せてくる。


【スキル汚部屋のものは、別スキルを習得するのは不可能。

(スキルマトメーのlevel1を持っているものを除く)】


「うん?どういうこと?」


俺は、項垂れた体を起こしてミズーを見つめる。


「要するに、汚部屋スキルのみしかない場合は、別スキルは習得する事が出来ないわけです」


「それは、わかってる」


「ただし、スキルマトメーのlevel1をすでに習得しているものは別スキルも習得出来るって事です。つまり、こういう事です」


そう言うとミズーは、別のポケットからノートを取り出してきた。


【スキル 汚部屋】

別のスキル習得不可


【スキル 汚部屋】

【スキル マトメー】

別のスキル習得可


ミズーは、それを書いて俺に見せた。


「ミズー、俺は上のやつだから駄目じゃん」


ミズーは、その言葉に首を左右に振った。


「出来ます。何ヵ月かかってもいいから、マトメーを覚えるんです。アーキー」


「いやいや、これは生まれつき持ってるやつだろ?俺は、持ってないから……」


ミズーは、俺の両肩に手を置いてこう言った。


「君が生まれたのは、昨日です」


はあ?


37歳のおっさんを掴まえて言う台詞か……。


「だから、アーキーはマトメーを習得するんです。部屋で、練習もかかさずにやって下さい。わかりましたか?」


「えっ、あっ、えっ」


「国の命運がかかってるんですよ!」


急に国とか出されたら、正直重いわ


「アーキーの気持ちはどうでもいいです」


ミズーが、心を読めるのを忘れていた。


「わかった、わかった」


もういいや!向こうに帰れない身としては、どうとでもなればいいや!


俺は、投げやりな気持ちで引き受ける事にした。


「そう言っていただけて、嬉しい。ありがとう」


そう言って、ミズーは喜んでいる。


「どういたしまして」


「じゃあ、さっそく寮の部屋に戻って、マトメーの練習をして下さい」


「はい、わかりました」


「そっちじゃないです。あっちです」


「あーー、そうでした。はい、さよなら」


真っ白過ぎてわからないんだよ。


俺は、何とか必死で部屋に帰ってきた。


途中、女子の部屋を五回ぐらい開けて殺されそうになったけど……。


とりあえず、まだホウが戻ってきてないのを確認した。


「じゃあ、やりますか!」


さっき、授業で教えてもらったイメージを頭に流す。


出来るぞ!


出来る、気がするぞ!



「マトメー」


俺は、デカイ声で叫んだ。


ザッ……


ザザッ…………


ザザザザッ………………



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