四本目!!!! BL苦手な人はテレポーテーションをお願いします
BL要素がありますので苦手な方は読み飛ばしてくださいませ。
「なあ電位美人、これ・・・」
電位美人から見せられたスマホの画面には、上半身裸の筋肉ムキムキの兄さんらの写真がびっしり並んどる。あと即ヤリOKやらタチやらネコやらの文字がプロフィール画面に乗っとった。
「え、このサイト"筋トレ好きさんと繋がりたい"系のヤツとちゃうの?」
「いやいやいやこれどう見てもちゃうやん!」
サイトの名前で検索かけたら「ゲイアプリ」って出てきた。ほんでさらにそれで検索かけたらゲイ専門の出会い系サイトやねんて。
ファッ?!こんなんあんの?!
筋肉ムキムキの兄さんらとアーッ!なことして繋がる系のサイトやんけ!
言うたら電位美人は
「え、どないしよう。なんやめっちゃメッセージ届いてんねんけど」
と青い顔しとる。
「わかったわ、この大人そうな兄さんにしとき!ほら、この"鈴木"さんいう人!」
よう考えたら俺もテンぱっとったわ。すぐ退会したらよかったねんな。
土曜日にそんなことを待ち合わせのコーヒー店で言えば
「お前それもっと早よ言えや!」
て電位美人にツッこまれたわ。
「お前も気付きいや、着いてきたったんだから文句言うなや」
タピオカ入りのドリンクをジュゴゴーッて吸いながら電位美人を見る。スマホ見ながらソワソワしとる。
「なあどうする。やっぱブッチする?」
「でも、ここまできてそれは流石に失礼やろ」
電位美人のスマホが震えた。
「あ、もう着いたて」
「え、どこ?」
「カーキのモッズコートに、イヤホンに、手にスマホの・・・あ、今入ってきた兄さんちゃう?」
入り口の自動ドアが開いて、茶髪に中肉中背の兄さんがイヤホン外しながら入ってきた。
え、マジであの兄さん?
どこにでもおるような普通の人なんやけど。そんで筋肉ないやん。
俺達がガン見してたら、兄さんはこっちに近づいてきた。あ、よう見たら割とイケメンの部類に入るんちゃう?
「横山さん?」
声も口調も普通やな。
「鈴木です」
軽く頭下げて会釈してきた。なんや、ホンマ普通の人やん。せやな、ゲイやからってアレコレ良くないこと考えたらあかんな。これが差別いうねんな、勉強になったわ。
「で、今日は3人ですんの?」
あああああああ普通と違たぁぁぁ!!
「え、何を?」
電位美人が思わず聞き返した。そりゃそうやろ。
「だから3Pすんのって」
「え、サッカーかなんかの話ですか」
「は?セックスの話だけど」
「ラクロス?」
あかん、電位美人ただのアホやった。
「まあいいや。ホテル行こ」
ほんで鈴木さん思い切りええな!初対面の人間にさ、3・・・とかセ、セセセ・・・ホテルとかよう言えるな!あかん、顔真っ赤になってきてもうた。
「え、ホテルて、え?ジムとかあるんですか?」
「ホンマアホやなお前!着いてきてよかったわ、1人やったら掘られとったで。え、いや、鈴木さん・・・どっちや?」
体格差あるしどっちか言うたら鈴木さんのが、アレなん、その、下なん?
「いや、俺どっちでもいいけど」
うおお鈴木さんマジで?!
「抱けんですかコイツ?!」
体格倍くらいあるで!そんで馬面やしガチムチの野郎やで?!
「え、普通に」
頷いとるうぅぅぅ!?
え、何、鈴木さんポテンシャル半端ないんやけど!ほんでそういうことを淡々と言うのが怖いんやけど。
見た目どこにでもおる普通の兄ちゃんなのが余計ヤバイんやけど。
「す、すみません、今日は堪忍してください。俺らこういうのは、その、初めてやし・・・」
あかんあかんあかん。ゲイとかがうんぬんやのうて鈴木さんの底知れなさが怖なってきたわ。
「別に童貞とか気にしないけど」
さらにブッ込んできおったああぁぁ!?
「いや、俺ら今日は普通にメシ食って遊んで終わろかなて・・・」
「は?」
鈴木さんこええええ!めっちゃ不機嫌になってない?!
「あのなあ、だったら最初っからヤリモクのとこに登録すんなよ、ほら、友達募集とか恋人募集とかの項目あんだろ」
「あ、ホンマやん」
鈴木さん親切ううぅぅ!そんで電位美人もスマホをポチッとすんなや!
あかん、ツッコミが追いつかへん・・・。
「なんかすんません・・・」
「別に。無理強いしてもいいことないし」
鈴木さんマジで掴めへんわ・・・。心広いんだか狭いんだかわからへんわ。
「てかお前らもしかしてノンケなの?そんでいくつ?」
「え、あ、高校生ですけど・・・」
「は?!高校生?!マジで?早く言えよ」
え、何何何?めっちゃ食いついてくるけど高校生狙いとかそういう系の人やったん?
「俺未成年とはセックスしねえから」
逆ううぅぅ!ほんでめっちゃまともやねんな!
「あーあ、俺帰るわ」
鈴木さんなんも頼まんと帰るんかいな。
「なんか、ホンマすんません。なんか頼みます?」
「ん?いいよ。ハッテン場行って適当に相手引っかけてくる」
鈴木さん、最後にさらっとドえらいこと言うてホンマに帰ってったわ。
「・・・えらい疲れたわ・・・」
机にぺショッとほっぺをくっつける。
「普通にええ人やったな」
「まあ、せやな・・・」
一歩間違うたら変態さんやけどな。普通に遊んでもよかったかもな。
ほんで数日後、電位美人は例のアプリでホンマに筋トレ仲間出来たらしいで。
おしまい
鈴木(仮名)さんの話はムーンライトノベルズにあります。
ゴリゴリのBLですので腐のつく成人済みのお方はよろしければ覗いてみてください。