ブラスバンド部
そして、中学校へ入学し、ブラスバンド部に入ることになる。
だが、引っ込み思案な性格のせいで、逡巡してしまったため、入部の申し出が遅くなってしまった。
僕が望んでいたトランペットは、既に他のS谷君という男子が担当することになっていた。
そして、3年生のS鳥先輩から誘われた。
「おまえさあ。チューバをやってみない?」
僕は、例によってNOと言えなかった。
僕は、チューバという楽器を知らなかったが、開けてみれば金管楽器の最低音部を担当する巨大な楽器だった。
肺活量といった体力も必要な楽器なので、ある意味男子向けではある。実際、プロのチューバ奏者はごつい体をした男性ばかりである。
ブラスバンド部というのは、様々な行事に駆り出されるため、目立つ存在であった。
週1回ある、全校集会と、生徒会の集会のときには、行進曲を演奏し、校歌と生徒会歌の伴奏もする。その際は、ブラスバンド部の部長が指揮をすることになっており、部長は特に目立つ存在だった。
市のお祭りといった行事にも駆り出され、隣駅(田舎の駅なので結構な距離がある)までといったちょっとした遠征をすることも度々だった。
しかし、それらも今思えば楽しい思い出である。




