高校進学
高校進学については、後日談がある。
僕はクラスでの成績はたぶん3位くらいであった。
だが、高校は地域でも一番の進学校であるT田高校へ進学した。
どうやら僕のクラスには成績優秀者が固まっていたらしい。
僕が住んでいた地区では、私立高校は、S学園という1校のみであり、こちらは受験さえすれば誰でも合格できるという典型的な滑り止めの学校だった。
S学園は2次募集というものをしており、僕は、T田高校を落ちても2次募集でいいやと思い、1次は受験しなかった。
ところが、”I田先輩は、S学園に落ちたらしい”という、まことしやかな噂が特に下級生の女子を中心に駆け巡ったらしい。
そして、彼女らは僕のことをとても心配してくれているようだ。
下級生なら僕の成績など知らないだろうから、無理もない話ではあるが…
そして、名前も知らない下級生の3人程の女子グループに呼び止められた。
「先輩。高校はどちらに行かれるんですか?」
「T田高校だけど…」
「ええっ! 凄―ぃ!」
彼女らは、驚くとともに、嬉しそうな顔をして去っていった。
(別に、自慢したいわけじゃないけど、これで変な噂が消えるといいな…)
微妙な関係になった3人とは別に、僕に心を寄せている後輩女子などが多くいることを、改めて思い知った瞬間であった。
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