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グループ交際

 僕は、2年間チューバの演奏を練習した成果として、肺活量は相当なものとなっていた。

 このため、学校の授業で歌うときも、相当な音量で歌っていたらしい。ただ、本人には大声だという自覚は全くなかった。


 そのうちに、合唱部の助っ人に呼ばれるようになったが、これはこれで楽しかった。

 そこで、合唱部のS田君と友達になった。


 S田君は、Y岡さんという女子が好きになり、交際したいと願っていた。堂々と一対一でつき合えばいいようなものだが、S田君はふんぎりがつかず、考え出したのがグループ交際というアイデアだった。


 S田君はもちろんY岡さんとつきあうが、僕もとばっちりを受けて、Y岡さんの友人のT山さんとくっついちゃえよという話になった。


 そこは、NOと言えない日本人である僕のことである。

 結局、その提案を受け入れた。


 また、T山さんが好きかどうかはともかく、女子と交際するということ自体に興味がなかったと言えば嘘になる。


 T山さんは、ちょっと小柄で、狸顔系の可愛らしい顔をした女子で、ブラスバンド部でパーカッションを担当していた。


 グループ交際は、楽しいと言えば楽しかった。

 自転車で遠出をして海まで泳ぎに行ったこともある。


 そこは海水浴場などではなく、テトラポットが並べられた海岸で、沖合に並べられたテトラポットの内側の波が穏やかなところで泳ぐのだ。

 脱衣所も何もないので、女子たちは、テトラポットの陰で着替えていた。S田君に(のぞ)こうぜと誘われたが、僕には、その勇気はなかった。S田君が本当に覗いたかどうかは、覚えていない。


 T山さんの自宅は、学校から見て僕の家とは反対方向にあったが、学校から帰るときは、S田君やY岡さんと一緒にT山さんを送っていったり、その途中にある文房具屋さんに(たむろ)して、文房具屋さんのお姉さんとだべったりして、楽しくやっていた。

 文房具屋さんのオーナーからしたら、営業妨害も良いところだと思うのだが、叱られたことはない。

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