その3
それから1週間経ち、瑠璃の怪我は順調に回復していた。ルコと遙華は昼間は瑠璃を恵那に任せて研究所に入り浸っていた。無論、自分達の世界へ帰る方法を探すためである。
しかし、帰還方法を記してある文献は当然無く、それに近い文献を読み漁ると言う事になっていた。異世界に関する研究はかなり行われており、様々な説があったが、専門知識のバックグラウンドに乏しいルコは理解するのに苦労していた。
知羽の研究所でもそうであったが、ここでも同じような感じだった。この世界に来た時による記憶の障害と思いたいところだが、元々そのようなレベルに達していないと見るべきだろう。年齢から言うと、高校生なので専門知識は皆無だろう。ただ、正直、気持ちが萎えてきていた。そう言えば、知羽の研究所で得た情報に関してもそんな感じだったと思い出していた。
遙華の方はルコより知識不足なのは明らかであるが、遙華は分からないなりに楽しんでいた。文献を読んでは、全然分からんのじゃ!と嬉しそうに言ったり、とんでも理論を発見するとそれは嘘なのじゃ!とまた嬉しそうに言ったりしていた。正直遙華は何の役にも立ってはいなかったが、メンタル面ではルコは遙華を見習うべきだった。
「ルコさん、もしよろしかったら今から私の部屋に来ませんか?時間ができましたので色々とお話しできると思います」
インカムを通じて調査活動に萎えそうになっていたルコに玲奈からお誘いがあった。
「はい、今すぐにお伺いさせていただきます」
ルコは渡りに船とばかりに即答した。そして、遙華共々玲奈の部屋へと向かった。




