その6
第3戦が終わった日の昼間に玲奈側からの動きがあった。玲奈の乗った車ともう一台の車が、ルコ達の援軍として都市別斗にやってきたのだった。
これまで順調に敵の戦力を削いできたが、更に戦いを優位に進めるためにルコ達の実力を見極めようといったところだろうか?それを他人に任せるのではなく、自ら行うとは人心術に優れている人物だと思えた。
「援軍に来ました。お前さんの指揮の下で、我々は動きます。好きに使ってやって下さい」
玲奈は着くなり、ビデオチャットでルコにそう言った。指揮権まで渡してしまうとは中々の豪胆さだ。
「主力隊の方はどうなさるのですか?」
ルコは玲奈の使い方を決める前に確認した。
「部下に任せてきましたので、安心して下さい」
玲奈の言葉遣いは丁寧だったが、どこか挑戦的であったが、表情はとても嬉しそうな顔をしていた。不思議な人物だった。
「そうですか。では、玲奈さんにやってもらいたい事があります」
ルコはニッコリと笑って玲奈に無理難題を押し付けた。
ルコ以外の三人は、玲奈の豪胆さよりルコの厚かましさに驚いていた。




