その3
また、湯浴みの仕方をお教えくださった時もとても印象的な出来事でしたわ。
「世話になったのじゃ、ルコ。とてもすっきりしたのじゃ」
遙華様はご機嫌でそう仰ると、湯浴み室を出ていきましたわ。
遙華様、とてもうれしそうですわね。
「次は妾ですわね」
妾はそう言うと待ちに待った自分の番を満喫しようと考えて、湯浴み室の中に入りましたわ。
「ロリっ子の次は、お姫様ね……」
ルコ様は入ってきた妾を見て諦めた顔をしてそう仰いましたわ。
ろりぃ?またなんか変な言葉を仰ってますわね……。
ん?なんか妾をじっと見てますわね。
妾はルコ様の視線を感じましたが、逆に妾もルコ様の事をじっと見つめました。
それにしても、ルコ様の体って、艶めかしいですわね。
「えっと……」
動かない妾にルコ様はちょっと困ったように声を掛けてきましたわ。
「えっと、これで体を洗うのですね」
妾は我に返ってちょっと慌てて体を洗うためのふわふわを手に取りましたわ。
「ええ、そこの手前の石鹸を使ってね」
妾はルコ様が仰ったとおり、ふわふわに石鹸を垂らして泡立ててから体を洗い始めましたわ。
「あれ?瑠璃って、お姫様よね」
ルコ様は妾が事も無げに自分の体を洗い始めたのを見てびっくりしていましたわ。
何でそんなにびっくりなさるのでしょうか?
「え?そうですけど、それがどうかしましたか?」
妾は体を洗いながらそうルコ様に逆に質問してみましたわ
「お姫様だったら、入浴とかはお付きの侍女とかが手伝ってくれるのでは?」
ルコ様は今度はそう聞いていらっしゃいましたわ。
「ええ、そういう時もありますけど、基本的には自分の身の回りの世話は自分で出来ますわよ」
妾はいつもの口調でそう答えましたわ。
ルコ様がさっき諦めたようなお顔をなさったのはきっと妾が一番厄介で大変だと思ったのですね。
嫌われているのかと思いましたわ。
「そっか、服も自分一人で着てたものね」
ルコ様は安心したような表情になりましたわ。
「それでは、背中の方、よろしくお願いしますわ」
瑠璃はそう言うとルコに泡々を手渡しましたわ。
「あ、はい。それじゃあ、流すわね」
ルコ様はそう仰ると妾の背中を流し始めてくれましたわ。
「この石鹸で体を洗うというのはとても気持ちがいいものですね」
妾はうっとりしながらそう言いましたわ。
「それは良かったわ」
ルコ様は少しお笑いにながら仰いました。
「はい、これで終わり」
ルコ様はそう言うと妾に泡々をお戻しになりましたわ。
「ありがとうございます。それでは今度は妾がルコ様の背中をお流ししますね」
妾はいつもの口調で言うと、ルコ様の方に向き直りましたわ。そして、妾の方はニッコリと笑いましたが、ルコ様の方は何だか固まってしまいましたわ。
「さあ、遠慮なさらず」
妾はルコ様のそんな表情に構わず、強制的にルコにを後ろを向かせましたわ。
「え、あ、ちょっと……」
ルコ様は驚きの声をお上げになりましたが、妾は間髪入れず背中を流し始めましたわ。
「ひぃ」
ルコ様はちょっと卑猥な声をお上げになりましたが、妾は構わず続けましたわ。
何だか、とても楽しくなってきましたので。
「気持ちいいですか?」
妾はルコ様に聞いてみましたが、答えが返ってきませんでしたわ。
その代わり、ルコ様は右手の人差指をくわえながら声を我慢していましたわ。
まあ、こんな表情をなさるのですね。
なんて事でしょう!
「はい、背中は終わりましたわ」
妾はそう言ってルコ様の背中を流すのを止めましたわ。
ルコ様は全身の力が一気に脱力した様な感じでしたわ。
「それでは、ついでですから前も洗いましょうね」
妾はちょっと意地悪かもしれないと思いながらも手を止める事ができませんでしたわ。
妾にこんな面があるとは思いませんでしたわ。
「え、ちょっと、待って」
ルコ様がそう仰いましたが、妾は構わず手を回してルコ様の体を再び洗い始めましたわ。
「そこ、胸……」
ルコ様の声が艶めかしくなってしまいましたわ。
「だって、着替えの時、妾の胸を触ったじゃありませんか」
「あれは着替えに必要で……」
ルコ様の息は大きく乱れていましたわ。
「だから妾もルコ様の胸を触る権利があるのですわ」
妾はそう言ってますます攻勢を強めてしまいましたわ。
抑えきれませんわ、この感情……。
ルコ様の胸、妾より大きくて柔らかい。
これは癖になってしまいそうですわ。
それにルコ様の表情もとても素敵ですわ。
こうして、ルコ様との湯浴みは妾の楽しみになりましたわ。




