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ルコ   ~ 猪人間が台頭してきている世界に転移したら女の子になっていました……  作者: 妄子《もうす》
5.駆込

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その5

 今回の作戦も滑り出しは順調だった。村7と8に特に動きはなく、それぞれの前を通過していった。特に村7の場合は鼻先を掠めるように通過したが問題なかった。

 直線道路を気持ちよく駆け抜け、Y字路が見えた時、異変が起きた。

「村6に異変あり。斥候が出撃した模様。数は10」

 マリー・ベルが急報してきた。

「どういう事?いつもの事なの?」

 ルコは混乱していた。

「いつもの行動ではありません。非常に低い確率の偶然と推定されます」

「うぁ、運が良すぎるのも考えものじゃな、ルコ」

 遙華は冗談のつもりでそう言ったが、ルコは自分のせいなのかと真に受けてしまった。

「ルコ様、遙華様の冗談ですよ」

 瑠璃はフォローしてくれた。そして、

「どう致します?ルコ様」

と決断を促してきた。

 もうすぐY字路だった。予定通り左折すれば、間違いなく斥候隊に遭遇する。右折すれば、予定がなかった村10の方へ行ってしまう。引き返すとなると、村7の鼻先を再び通過しなくてはならない。もし、先程の通過で村7が準備していたら最悪な事態に陥る。

「進路そのまま、左折と同時に速度を半分まで落として」

 ルコはすぐにそう決断を下した。

「皆様、戦闘準備ですわ」

 瑠璃はルコの言葉を聞いてそう言って立ち上がった。そして、遙華と恵那もすぐに立ち上がった。

「あ、待って」

 ルコはそう言いながら三人にちょっと遅れて立ち上がった。

 その言葉に三人は驚きの表情を浮かべた。

「えっと、戦闘準備はして。でも、射撃はちょっと待って」

 ルコはそう言いながら狹間の前に歩み寄った。

「どうしてです?」

 瑠璃はそう聞きながらルコの隣に立った。

「突破するのは簡単だと思うけど、それだと私達がすぐに空別からべつに入った事がバレてしまうわ」

 ルコはそう答えた。

「成る程なのじゃ。別の方向に進路を変えて誘き出すのじゃな」

 遙華は瑠璃の隣に歩み寄りながら感心したように言った。

 恵那はルコの隣、瑠璃の逆隣に歩み寄っていた。

 瑠璃は二人の会話に頷きながら、

「で、どこに誘い出すのですか?」

と聞いた。

「橋を渡ってこの川沿いに進んで海の方に誘き出すわ」

 ルコは前方の周辺地図を指でなぞりながらそう言った。

「承知しましたわ」

「了解なのじゃ!」

 瑠璃と遙華はすぐに承知したが、恵那はちょっと鈍かった。どうやら作戦の趣旨がよく分かっていないようだ。だが、異を唱える事はしなかった。

 Y字路を左折すると減速した。そして、前方展望の一部が拡大されると斥候隊が確認できた。

「斥候隊との距離1.5kmです」

 マリー・ベルはそう報告してきた。

 斥候隊の方もこちらに気付き、こちらに向けて反転してきた。

 車はすぐに橋を渡り、左折して川沿いの道を海へと向かった。

 曲がる前に斥候隊が全力疾走で追い掛けてくるのが見えた。

「ちゃんと見つけてくれたわね。マリー・ベル、速度を上げて」

 ルコはそう言うと車が加速した。

「なんか、芸が細かいのじゃ」

 遙華は感心したような呆れたようにそう呟いた。

「ああ、そういう事ね!」

 恵那は突然納得の声を上げた。やっぱりちょっと鈍かった。だが、作戦の意味が分かった恵那は行動が素早かった。突然車の後部に向かって駆け出したのだ。

「おい、恵那、主、本当に作戦を理解したんじゃろうな?」

 遙華が慌てて追い掛けた。

「海のそばで倒して、そのまま海に放り込むんでしょ」

 恵那は身も蓋もない言い方をした。確かにこれからやる事を正確に言っていたのだが。

「そうなんじゃがな……」

 遙華はそう言いながらもう少し言い方があるじゃろうと思っていた。

 ルコと瑠璃は二人の会話を聞いて、顔を見合わせた後、ゆっくりと車両後部へと向かった。

 それからすぐに作戦の方は無事終了し、海岸近くの細い道を進んでから右折し、そのまま都市空別(からべつ)の中心部へと入っていった。

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