28/43
3-8 『静かな場所で』
アクセスありがとうございます!
佑真たちが部室に施錠した同時刻。
ある階の女子トイレからギャルと取り巻きたちが楽しそうに話しながら出てくる。
今日はどこにいくか、相談したり、提案したり、女子生徒の何気ない日常を送っていた。
その女子生徒三人が出てきた女子トイレに、浅く斬られた首を抑えて端で蹲る椿姫の姿があった。あの三人が消えた後にできた静寂に同化するかのように座っている。
椿姫は泣いていた。涙は小川のように頬を伝って零れていく。わずかに手の隙間から滲み出る血。それを椿姫は、これは罰なんだ、と自分に言い聞かせ、後悔と悔しさが混じり合った複雑な感情とともに四肢を抱き寄せて蹲る。
落ちかけている朱色の太陽は窓辺から射し、椿姫を静かに照らしていた。
読んでくださりありがとうございます!




