3-7 『鼻にくるニオイ』
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「……、ん?」
「どうかしたの、佑真?」
「いや、今誰かの声がしたような……」
佑真と透は部室の片付けをしていた。会話が長引いてしまったことで片付けるのが遅れ、少し部活動終了時間が過ぎてしまった。
そして今に至り、佑真の耳はなにかを聞き取っていた。
「気のせいじゃないの? 幻聴とかだったり」
「俺をなんだと思ってんだ?」
「いやぁ、ゴメンゴメン。佑真の耳は特別性だもんね。僕の聴覚じゃ佑真の聞き取った音は聞こえないから、つい気のせいだと思っちゃうんだよね」
「俺の耳は普通だと思うがな。まあ気がしただけだ。なにか聞こえたわけじゃないしな」
「なんだ電波受信しただけか」
「毎回脳内アダルトコンテンツを受信してる奴がなにを言う」
「あっ、馬鹿にしたなぁ? こうなったら佑真にも同じコンテンツを」
「ほっぺのシップ増やしてぇのか?」
「は、はは……やっぱなんでもないです」
シップを張った片方の頬を摩る透は苦笑しながら逃げた。
片づけを終わらせた佑真たちは、カバンを持って帰り支度を済ませる。
「それじゃ、帰りに佑真のオアシスでも寄ってく?」
「いいな。丁度新作が欲しかったところなんだ」
「まだ未読のも多いのに?」
「気分にもよるだろ」
何気ない会話をする二人は部室を出て施錠した。
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