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フィアとユウのアトリエ1品目 テコ入れ

※設定※

こことは違うどこか遠い世界。とある町でたまたま入ったアトリエで店主をしているフィアに惚れ込んだ主人公ユウはフィアの元で錬金術を学ぶようになった。

 

机に突っ伏す俺の後頭部を窓から差し込むお昼の日差しがポカポカとあっためている。

自分の呼吸音と時々聞こえてくる本のページを捲る音以外何も聞こえてこない部屋の中。俺の視線は自然とこの部屋に居るもう1人の人物。部屋の隅で椅子に腰掛け、膝に乗せた本を捲っているパートナーの方へと吸い寄せられていった。


透き通る様な空色の長髪を頭の右側だけ結んだ特徴的な髪型に、髪と同色の瞳。

目立つ髪や瞳の色とは対照的な黒っぽい地味なワンピースタイプの服を着ている、一見小学校高学年ぐらいにしか見えないこの少女こそ、この店。”フィアとユウのアトリエ”の主にして、俺の錬金術の先生でもあるフィアちゃんだ。


もっとも、フィアちゃんの事を先生と呼んだのは初日だけだったけどな。

どうも、年上の俺に先生と呼ばれるのは慣れないらしく、先生呼びと敬語を禁止されてしまった。

まぁ、俺も敬語とか疲れるから願ったり叶ったりだったんだけどね。


「・・・暇だなぁ・・・」


「・・・暇なのはよいことです。読書の時間が増えます」


お、返事があったな。珍しい。フィアちゃんは本に集中すると本以外の一切が認識出来なくなるからな。

流石にお客さんが来ているときは本を読むのを我慢しているみたいだけど、俺と2人きりのときは髪を三つ編みにされても、スカートを捲られても気づかなかった。無抵抗の女の子のパンツを覗くのは流石に罪悪感がやばくて出来なかったけど・・・

フィアちゃんは自分が可愛い女の子だという自覚をもうちょっと持ったほうがいいと思う。まぁ、フィアちゃんがアトリエから出た所って見たこと無いし大丈夫なのかも知れないけども、俺の精神安定的に。


「お客さん来ないね・・・」


「・・・そうですね」


また返事があった。これはひょっとしたらフィアちゃんと遊ぶ事が出来るかもしれん。

本を読んでいるフィアちゃんと遊ぶには3つのステップがいる。


ステップ1がこうして本を読みつつも返事をしてくれる状態。

ステップ2が本から顔を上げて話を聞いてくれる状態。

ステップ3が本を本棚に戻して椅子から立った状態だ!!


・・・まぁ今、作った設定なんだが目標としてはあながち間違いでもないだろう。多分。


「昨日もお客さん来なかったね・・・」


「・・・そうですね」


「先週も先月もお客さん来なかったね・・・」


「・・・ ・・・ そうですね」


「明日もお客さん来ないかもね・・・」


「・・・ ・・・ ・・・ そうですね」


「来週も来月も来年もお客さん来ないかもね・・・」


「・・・ ・・・ ・・・ はぁ。何が言いたいんですか」


よし!フィアちゃんが本から顔を上げてこっちを向いた!これでステップ2クリアだ!

このまま一気にステップ3まで駆け抜けるぜ!


・・・俺を見るフィアちゃんの目がいつにも増して冷たいのは気のせいだよな。うん。脳内でヒロインの好感度が下がったときのSEが鳴ったような気がしたが気のせいだ。


「フィアちゃん・・・俺は気づいてしまったんだよ。今このアトリエに必要なものそれは・・・」


「・・・それは?」


「テコ入れだ!水着だ!温泉だ!!」


「・・・ちょっと何言ってるか分からないです」


「つまりは、アトリエの売り上げのために看板娘であるフィアちゃんに一肌脱いでもらおうって訳だね!物理的に!」


「・・・いやに決まってるじゃないですか。そもそもフィアはアトリエから出る気はありません。外に出なくても人は生きていけます」


「すがすがしいまでの引きこもり発言ありがとう。でも別にアトリエから出る必要は無いんじゃない?アトリエの中で水着になればいいと思うよ」


「・・・アトリエで水着になって、なにになるというのですか」


「俺が嬉しい」


「・・・却下です」


却下されてしまった。いいと思うんだけどなー、水着。最近じゃあ水着を着て錬金している錬金術士も珍しくないと思うよ。


「むむぅ。じゃあ無難にアトリエの名前を変えよう!”フィアとユウのアトリエ”とかそのまんま過ぎて個性が無いと思うんだよね」


「・・・アトリエの名前、ですか・・・いいのがあれば変えてもいいと思います」


お、フィアちゃんからお許しが出た。フィアちゃんもこの名前はちょっと微妙だと思っていたのかもな。


「んー、そうだなぁ。急に大きく変えるのもアレだし今ある名前に何か付け加えるのとかどうかな?」


「・・・いいと思います」


いいと思います入りましたー!

思ったより好感触だ。それじゃあガンガン行くぞ!!


「”とあるフィアとユウのアトリエ”」


「・・・フィアとユウが汎用型みたいな表現をされているので却下です」


「”とある錬金術のアトリエ”」


「・・・最初よりも個性が死んでいるので却下です」


「”フィアとユウの錬金術師”」


「・・・アトリエの名前じゃなくて自己紹介になってるので却下です」


「”あとりえぐらし”」


「・・・それも自己紹介です。窓は割れていません。却下です」


「”アトリエはお客が少ない”」


「・・・それも自己紹介な上に酷い自虐です。そんなお店には入りたくないので却下です」


「”アトリエが儲からないのはどう考えてもお前らが悪い”」


「・・・なんでお客さんに喧嘩を売ってるんですか。どう考えても店名が悪いので却下です」


「”アトリエは衰退しました”」


「・・・勝手に店舗縮小しないでください。衰退するとしたらあなたの店名のせいなので却下です」


「”アトリエの野望”」


「・・・勝手に衰退した上にどんな野望を持ったんですか。逆恨みにしか思えないので却下です」


「”進撃のアトリエ”」


「・・・どこに攻め入るつもりなんですか。巨人が襲って来そうなので却下です」


「”攻殻機動アトリエ”」


「・・・何と戦うつもりなんですか。さっきの巨人ですか。戦力は求めていないので却下です」


「”ご注文はアトリエですか?”」


「・・・求めているのはそうですが、それだとアトリエを販売しているみたいになってるじゃないですか。この店を売る気は無いので却下です」


「”アトリエに出会いを求めるのは間違っているだろうか”」


「・・・出会いを販売しているみたいになってるじゃないですか。調合品を売るお店なので却下です」


「”これはアトリエですか?”」


「・・・どうして自信が無くなってるんですか。そんな調子じゃお客さんも不安になるので却下です」


「”アトリエなんてもういいですから”」


「・・・諦めないでください。このアトリエにもいいところがいっぱいあります。却下です」


「”この素晴らしいアトリエに祝福を!”」


「・・・諦めないどころか崇めてるじゃないですか。そんなナルシストな店には入りたくないので却下です」


「”やはりフィアとユウのアトリエは間違っている”」


「・・・知ってます。だから店名を変えようとしているのにそれを店名にしてどうするんですか。却下です」


「・・・ハァハァ」


「・・・ふぅ」


「・・・」


「・・・」


「・・・やっぱり店名は”フィアとユウのアトリエ”のままでいいと思うんだけど、どうだろう」


「・・・異議無しです。そもそも第一話なのにいきなりタイトルが変更になるようなテコ入れをする方が間違っています」


「ちょっと何言ってるか分からないです」


こうして今日もアトリエにはお客さんは来ず。フィアちゃんとバカな話をしている間に営業時間が終った。


・・・あ、結局フィアちゃんをイスから立たせてない!


くそう次こそは立たせてみせる!!

ネタにはしるぞー

2話以降はユウが変なアイテムを調合したり、フィアちゃんを観察したり、ときどき本編のキャラが遊びに来たりする予定です

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