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異世界でサモナー始めました 6


「とりあえずソラにはフレンド登録とパーティ登録をしてもらおうかな」

「えっと、それはどういう・・・?」


お姫様を私が繋がれていた枷に繋いで、鍵をどこかに消してしまったユウちゃんがまた何を言っているのか分からない事を言っています。

ちなみに私の指にはまだ隷属の指輪が嵌っています。主人の指輪はユウちゃんが”装備”したので外して貰う事もできるのですが、隷属の指輪の効果の”主人と同じ言語を話せるようになる”という効果が無くなると私はこの世界の人と会話が出来なくなってしまうからです。

・・・今の主人はこの世界の住人では無い筈のユウちゃんなのに、どうして私もこの世界の言葉が分かるのでしょう?と、ユウちゃんに聞いたら「俺には全言語翻訳機能があるから」という返事をされました。

なんと言うか・・・ユウちゃんは本当に規格外ですね。ユウちゃんのステータスはまだ見ていないのですが、見るのがとても恐ろしいのです・・・


「フレンド登録っていうのは・・・なんて言えばいいのかな。これを登録しておくと登録した相手が何処にいるのか分かって、いつでもメールを送ったり電話をしたりできるようになる感じ」

「なにそれすごいです」


つまりは実体の無い携帯電話みたいな物ののようです。鑑定画面と同じ様に空中に浮かんで出てくるウィンドウ(ユウちゃんに教えてもらいました)でメールを書いたりテレビ電話をしたり出来ました。

電話は、音だけにしたり他の人には見えないし聞こえない設定にもでき、GPSモドキの設定もON/OFFは自由らしいです。また、電波で通信しているわけでは無いので圏外になる事も殆ど無いそうです。なんて凄いんでしょう・・・

しかし、ユウちゃんにこの驚きを伝えたら、キョトンとされてしまいました。

なんでもユウちゃんの居た世界ではこの程度誰でも当たり前に出来るそうです。

・・・ユウちゃんは一体どれだけハイテクな世界から来たのでしょうか・・・こんなゲームか小説の様な能力が当たり前の世界なら一度遊びに行ってみたいです。


「パーティ登録はしてると経験値が自動で分配されて、パーティ単位で効果のある魔法なんかの恩恵を受けられる様になるな。それとパーティ登録してない相手と共闘したら何かしらのデメリットがあったはずだ。内容は忘れたけど」

「えぇと・・・ょろしく、お願いします」


どのみち私に拒否権は無いのです。ユウちゃんから送られてきた2つの申請を承認して、ペコリと頭をさげました。

いえ、拒否権が無いとは言ってもユウちゃんが私に強制させようとしているわけではありません。ユウちゃんとフレンドになりたくないと言えば私の意志を尊重してくれるでしょう。恐らくですが。

ただ・・・その場合は私に明日が無いというだけです。唯一にして絶大な味方を自分から失うような真似はとても出来ません。


「よし!登録完了。んじゃサクッと脱出しますか!」

「きゅい!」


私が繋がれていた地下室への隠し通路を上りきり、なんにも無いがらんどうとした倉庫に出たユウちゃんがそう言うと任せて!とばかりに声をあげたボーパルちゃん(自己紹介してもらいました)が担いでいたハンマーを両手に持ってぶんぶん素振りしてます。

かわいいけど怖いです。たぶん私はあのハンマーに掠るどころか風圧だけで挽肉になれる自信があります。ちょっと離れておきましょう。


「えーっと。城外への最短ルートは・・・あっちだな」

「きゅい!」


ユウちゃんが、手に持っているウィンドウにはお城の見取り図が書かれていて、それを見ながらユウちゃんが指差した方向は・・・どうみても壁でした。紛う事無き石の壁です。

・・・えっと。ユウちゃんは最終的な方向を指したんですよね。きっと。でも一応私も地図を見せてもらいましょう。もしかしたら私が役に立てることもあるかもですし。大丈夫です。私は産まれてから今までに一度も方向音痴と言われた事は無いですから!


「あの、ユウちゃん。地図を・・・」

「いけボーパル!」

「きゅい!」


「・・・え?」


え?

なんでボーパルちゃんは楽しそうにハンマーを振りながらユウちゃんが指し示した壁に突撃していくのでしょう?そしてなんでユウちゃんの持った地図に書かれている脱出ルートは外への綺麗な直線で引かれているのでしょう?だってそのルートは地形も建物も無視した壁を貫通して移動していくルートで・・・


「あ、あのユウちゃん。そっちは壁が・・・」

「んん?・・・ああ。大丈夫だよソラ。安心して」


ユウちゃんの袖をクイクイと引っ張っての精一杯の抗議に気づいたのか、ユウちゃんが私へと振り向いて、優しげな笑みを浮かべてくれました。

そ、そうですよね。いくらユウちゃん達が強いとは言っても、無駄に城の壁を壊して音を立てたりはしませんよね。意味が無いどころかマイナス要素しか無いですもんね。


「壁を壊せる(・・・)ってことは壊してもいい(・・・・・・)ってことだから」

「きゅい~!」


ドガァアアアアアン!!


「―――(絶句)」

「よ~しよし。よくやったなボーパル!次も頼むぞ?」

「きゅいきゅい~!」


ズガァアアアアアン!!


私の前で積みあがっていく壁だったもの(瓦礫)。楽しそうに壁を粉砕して回るボーパルちゃん。そのボーパルちゃんを褒め称えながら私の手を引いて無理やり作った最短距離を歩むユウちゃん。


あの・・・ユウちゃん?いくらユウちゃんが私と違う世界の住人だからってその理屈がおかしいって事は分かります・・・よ?実はユウちゃんもすっごく怒ってるのですか?無理やりこの召喚されて帰る方法は分からない・・・ですもん。怒るのは分かりますし、私はユウちゃんの事を凄く頼りにしています。物凄く心強いのです。

ですが・・・もうちょっとだけ自重してくださいっ!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「来たぞ!!取り囲め!逃がすんじゃないぞ!」

「賊め!もう逃げられんぞ!!」

「曲者だ!であえ!であえーー!」


最後の壁をぶち抜いた先では大勢の騎士さん達が熱烈に歓迎してくれました。100人・・・ぐらいでしょうか。お勤めご苦労様です・・・本当に。ご苦労様・・・でした(・・・)


「うむ!お出迎えご苦労だな!」

「きゅい!」

「勇者様・・・いや、異世界人。こんな事をしでかしてただで済むとは勿論思ってはいないだろうな?」


何故かドヤ顔のユウちゃんに声をかけてきたのは、ピカピカの鎧を着ている近衛騎士の中でも一際豪華な鎧を着て真っ赤マントを着けた厳つい男の人でした。鑑定してみると近衛団長さんみたいです。ステータスも4が4つもあって凄く強いですね。


・・・この世界の人の中では。


ちなみにスキルは裁縫でした。・・・逆に言えば凄い努力を今の地位にいるって事ですね。うん。可哀そうに・・・


「こんな事って・・・例えばどんな事?」

「城を破壊して回っている事だ!!国の象徴たる王城を破壊するなど許される行いでは無いぞ!!」


ですよね!すっごく分かります!もっと言ってやってください!私は怖くて無理です!


「は?壊されるのが嫌なら|破壊不能オブジャクト化《壊れないように》すればいいじゃん。てか、こんなあっさり壊れるなら大して重要な物は無いって事でしょ?」

「きゅいきゅい」

「き、貴様・・・何処までも愚弄しおって!!」


ユウちゃんユウちゃん。ユウちゃんは純粋な疑問を口にしただけみたいですけど、どう聞いても煽っている様にしか聞こえないです。

だって、”王様のお家”であるお城に”大して重要な物は無い”って・・・つまり王様が大した事ないって事ですもん。それは怒りますです。


「異世界人故に常識の違いがあるのかと思って我慢していたが・・・ここまで愚弄されては黙って引く事は出来ぬ!貴様らの身柄はこちらで拘束させてもらう!抵抗すれば命は無いぞ!」

「よく分からんが・・・邪魔をするならば押し通るまでだ」


それが互いへの最後通牒だったのでしょう。元々険悪だった騎士さん達とユウちゃん達の間に一瞬張り詰めた様な緊張が走って・・・直後に弾けました。


「捕獲目標は異世界人だけだ!召喚モンスター()は殺しても構わん!」

「「「「はっ!」」」」


「ソラも居るからな。敵対する奴は全て滅ぼしておくか。いくぞみんな(・・・)!」

「きゅい!」

「ホー!」

「~~~!」

「コーン!」


・・・こうして騎士100人VSユウちゃん達5人(匹?)という絶望的な戦力差の戦いの火蓋は切って落とされたのです。


・・・近くの瓦礫の影に隠れてその様子を覗き見していた私の感想としては・・・御方君(勇者の人です)の言っていた、「鑑定スキルはチートスキル」の意味がよくわかる戦いでした・・・

もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。


今回ユウが破壊神みたいになってるけど、ゲーム的に言えばあながち間違ってもないよね。

だって、ダンジョン探索ゲーで壁が壊せそうならとりあえず壊すもん。それでショートカット出来るなら壊して道作るもん。

もちろんFWOだと壊したらダメな壁や建物は壊せなくなってます。つまり壊せる建物や壁は壊してもいいってことだね!砦とかまさしくそうだし!あれは壊される前提の設計だったよね。


そして騎士対ユウ達の正面衝突・・・騎士は総勢100人!対してユウ達はアイギス(盾)とノゾミ(補助)を欠いた攻撃特化の4匹+ユウ!この圧倒的な戦力差に一体どう立ち向かっていくのか!!

待て次回!!


(*´艸`)。o○(クックック。みんな100VS5と言う数字に騙されてるぜぇ~。どっちが有利側なのかは言ってないんだよなぁ~)

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