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異世界でサモナー始めました 3

今回キリのいい所で切ったのでちょっと短め~


「ふぅ・・・ごちそうさまでした」


両手を合わせて合唱。

俺の私室として宛がわれたお城の一室で、ストレージから取り出したご飯を食べ終わった俺はポポイっとお皿をストレージに放り込んで手早く片付けを終わらせる。


スキルの説明を姫さんから受けて、ソラがドナドナされて、姫さんを敵認定した後。もういい時間だからと今日の話を切り上げて夕食になったんだが・・・何故か(・・・)一口食べた瞬間毒耐性が上がったので、疲れたからと言って食事を中退させてもらった。

ちなみに鑑定してみると濃い目のミートスープに弱い媚薬が入ってました。客人に毒盛るなし。まぁ耐性で跳ね除けられる程度の毒だったからいいけどさ。というかやっぱりアレなのかね。王族は子供を一杯作るのも仕事だからって事なのかね?王族も大変だね・・・


んで、食堂を出た俺はなんかすげーイケメンの執事に連れられてこの部屋まで案内された、と。

やっぱ王城すげーな。すれ違う執事が皆タイプの違うイケメンばっかで、しかも皆フレンドリーで優しいんだよ。姫さんの趣味なのかな?

もし仮に、俺が女の子だったらコロっと騙されて惚れてるところだったぜ・・・男だから殺意しか湧かないけど。ええい触るな!ホモホモしいんじゃ!


と、まぁ。恐ろしい精神攻撃を受けながらなんとかこの部屋まで転がり込んだんだが・・・うん。扉の向こうでバッチリさっきの執事さんが張り込んでるね。監視かな?まぁ、俺達に見られるとヤバイ物も色々とありそうだしね。と言ってもそっちの都合なんか俺には関係ないんだが。


「窓の外は・・・裏庭か」


高さ的には2階ってところだ。まぁ、有って無い程度の高さだな。


さて、探索に出る前にいつもの戦装束に着替えておこうかな~。と思いメニューからちゃちゃっと装備を切り替える。

やっぱいつもの服が一番落ち着くよな。見た目は落ち着くような感じじゃないけど。むしろ派手でステルスミッションには超不向きに見えるけど、この服にはあのスキルが付いてるからな。


「・・・セットスキル”隠行”発動っと。・・・うん。ちゃんと発動してるな」


自分を鑑定してしっかりスキルが発動してるのを確認して、満足げに1つ頷く。

普段は隠密作戦時はイナリが居るから、このスキルを使ったのは随分久しぶりだ。むしろ初めてじゃないか?

イナリを呼ぶのも考えたんだが・・・今回は狭い廊下で人とすれ違ったり、こっそり扉をくぐったりしなきゃだからな。イナリだとちょっとでっかくてなぁ。まぁ、また今度呼ぶから拗ねないでね。


「それじゃぁ、探索に行きますか!」


俺以外誰も居ない部屋で気を引き締めるようにそう宣言した俺は、次の瞬間にはヒラリと窓の外に身を躍らせていた。


-------------------------------------


「・・・うぅ・・・ぐすっ・・・なんで・・・どうして・・・」


なんで・・・どうしてこうなっちゃったのかな・・・

いつもと同じ様に目を覚まして、いつもと同じ様にテレビを見てただけなのに気が付いたら全然違う場所に居て・・・


・・・気づいたら冷たい地下室で両手を繋がれていて、溢れる涙を拭う事も出来ない。


なんで・・・どうしてこうなったんだろう・・・何がいけなかったのかな・・・もう・・・帰れないのかな・・・


「いやだ・・・死にたくない・・・助けて・・・誰か助けてよ・・・」


もう。どれぐらいの時間こうしているかも分からなくなっちゃった。泣いていても何も変わらない・・・待ってるだけじゃ状況は良くならない・・・そんな事はとっくに分かってる。分かってるけど・・・寂しくて、怖くて、悲しくて、不安で、溢れる涙を止めらない。

こんな事をしていても意味が無いと私に残った冷静な部分が言っているのは理解しているのに、”なんで、どうして”が止まらない。急に襲ってきた理不尽に打ちのめされた私は、冷たい床に座り込んで自分の不幸を嘆くことしかできない。

こんな冷たい闇の底でどれだけ泣き叫んでも助けなんてこないことなんか分かってる。でも、それでも。もしかしたら助けが来るかもっていうか細い希望すら無くなってしまったら、私は・・・


ギィィ・・・


「ひぃっ!!」


重い鉄扉が開く耳障りな軋み音と一緒に、明かり1つ無かった地下室へと外の明かりが入ってきます。

目を刺すような刺激に細めた視界で見た地下室の壁には、赤黒い汚れのこびりついた様々な工具や、使い方も想像できないおぞましい形状の道具がぶら下がっており、全身の血が抜けていく様にスゥーと冷たくなっていくのが感じ取れました。


いやだ!いやだ!死にたくない!いやだ!!


と、頭の中では悲鳴が鳴り響いているのに、実際はガクガクと体を震わせながら「あ・・・あっ・・・」と小さく呟くことしか出来ない。

見たくない。認識したくないと思っているのに、体がいう事を聞かず目を逸らす事すら出来ない私の視界で、まるで私をじわじわと嬲り殺しにするみたいにゆっくりゆっくりと開かれていった扉は、ちょうど人1人が通れるぐらいのスペースを開けてピタリと止まった。


え?・・・え?ど、どういう事?もしかして風で扉が開いちゃっただけ・・・いやいや、どうみても鉄の扉だしすっごく重そう―――


「・・・なんだ。こんなところに居たのか」

「ぴぎゃぁぁぁぁああああああああああ!!」


誰も入ってこないと思い、安心しかけたタイミングで突然闇の中から現れた人影と声に驚き、自分でもどこから出たのか分からない大絶叫が狭い地下室で大反響しました・・・


もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想の方へお願いします。


今回含みのある表現と言うか主観だけじゃ分かりにくい所があったので解説~

>>ミートスープに弱い媚薬+イケメンの執事

ハニートラップですね。分かります。指輪の効果で無理やり戦わせる事もできるけど、自分で戦いたくなってくれた方が効率いいからね。仕方ないね。

>>ホモホモしいんじゃ!

お前の見た目と恰好が悪い。あと性別を言わなかった事も。

>>まるで私をじわじわと嬲り殺しをするみたいにゆっくりゆっくりと開かれていった扉

ちゃうねん。開けてる方はステルスミッションしてるつもりやねん。


とまぁ、こんな所かなぁ。ちなみに着替えたあたりでこっそり伏線が張って有ったり。まぁ、それは次回だね。

そして、視点が切り替わった途端の緊迫具合よ。むしろあっちが主人公じゃないのかってぐらいのシリアスだったわ~。


・・・召喚モンスターが出てないのに主人公を降格されたサモナーが居るらしいよ。ありえないよね~

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