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不思議の国のフィア ①

病み上がりのリハビリを兼ねて構想だけはあった番外編を投稿!

テトメトは不思議○国のアリスは子供のときに聞いたおぼろげな記憶と、キンハーでしか知らないので原作とは全く違ったお話になると思います。まぁ、逆にOKだよね!


さっそく突っ込まれたので短編集の方に移しますたのであしからず。

 

「やっほー。遊びに来たよー」

「きゅい!」

「ホー」

「メェエ」

「~~~!!」

「・・・んにゃ」


某日。某時刻。某アトリエにて。

いつもの様にアトリエに遊びに来た俺達は、いつもの様に玄関を開けて工房にやってきた。


「・・・ああ。やっぱりあなた達でしたか。最近は毎日入り浸ってますけど、ドアはノックしてから開けてください」

「りょーかい。りょーかい。次から気をつけるー」


「・・・はぁ。そのセリフを最近毎日聞いている様な気がします・・・」


流石に毎日は言ってないよ?

残念ながらゲーム内だと着替え中にお邪魔することは無いからラッキースケベイベントはまだ発生して無いんだよね。まぁ、システム以前に工房で着替えなんかしないと思うけど。


「・・・ん?あれ?フィアちゃん今日は珍しい所で本読んでるんだね?」

「きゅい?」


フィアちゃんはいつも工房の隅っこのイスでお膝に本を乗せて呼んでいるのに、今日は机の上に本を開いて読んでる。ちらっと見えたページは細かい文字がびっしり書かれている黒っぽい本だな。


「・・・はい。実はこの本フィアの物じゃないんです。気付いたら机の上に置いてあったんです」


そう言ってフィアちゃんは重そうな本を持ち上げて表紙を見せてくれる。

高そうな革の装丁がしてあるその本の表紙には、本のタイトルが書いてあるっぽいんだが、何語で書いてあるのかさっぱり分からない。

日本語でも英語でも無いのは確かだな。


「えーっと?その本なんて書いてあるんだ?」

「きゅ~い?」


「・・・むぅ。やっぱりあなたにも読めませんか・・・こうなれば本格的に解読をしないとダメかもですね・・・」


フィアちゃんがむむぅ・・・と、可愛らしく唸りながら文字列を目で追っている。

読めもしない文字を睨んでも読めるようにはならないと思うんだが、それは俺のスペックが低いからなのか?某ゲーマー兄妹がそれで読めるようになってたけど、あれは人外だよな?特例だよな?


「きゅい!きゅい!!」

「ん?ボーパルも見たいのか?よっこいしょっと」


ボーパルが俺の足をぺちぺちしてエレベーター代わりをしろと命令するので抱えあげて机の反対側からフィアちゃんが読んでいる本を覗き込むと・・・


「きゃっ!」

「うおぅ!?」

「きゅい!」

「ホー!?」

「メェ・・・(すぴすぴ)」

「~~~♪」

「・・・んにゃあ!?」


急にフィアちゃんの読んでいた本が光を放ちながら宙に浮かんだと思うと、本から溢れた光が工房に居た全員を包み込み、次の瞬間には工房には誰も居なくなった。


工房にいた全員を飲み込み、徐々に光を失っていく本はゆっくりと机の上に降りていき、パタンとページを閉じた状態で着地する。

表紙を上にした状態で机の上に乗った本のタイトルの文字が勝手に動き出し、書き換わっていく。

そう時間をかけずに書き換わった本のタイトルはこう書いてあった。


『不思議の国のフィア』と、


-------------------------------------


「・・・ん、んむぅ・・・ぅん?あれ?ここは・・・」


フィアが目を覚ましたらのは暖かな日差しが差し込む小さな丘の上。その天辺に生えている1本の木の根っこを枕にして寝ていたみたいです。


・・・?おかしいです。フィアはたしか、アトリエで変な本を読んでいて・・・それで、アトリエに遊びに来たユウさんとボーパルちゃんがフィアの読んでいる本を覗き込んだら急に本が光だして・・・むぅ。そこから先が思い出せません・・・


「遅刻なの!大変なの!急がないと遅れちゃうの~!」


「・・・えっ?ボーパルちゃん?」


まだ状況を飲み込めず混乱しているフィアの前を、赤いチョッキを着て、でっかい懐中時計を肩に斜めがけにしたボーパルちゃんがフィアの前を2足歩行で、すたこらさっさ~っと走っていきます。


ボーパルちゃんかわいい!

じゃなくて、ボーパルちゃんが喋った!?


ん~、たぶんこれはフィアの夢です。草原に居るのに、アトリエと繋がっている感覚がありますし、ボーパルちゃんが喋っているのがその証拠です。

何か設定に矛盾があっても夢だからいいんです。そうなんです。


というわけで。


「・・・ボーパルちゃん待ってぇ~」

「待てないの!急がないとなの!なんで急いでいるのかは分からないけど急いでるの~!」


フィアが枕にしていた木の反対側へと回り込んだボーパルちゃんを、慌てて立ち上がったフィアが追いかけます。

そのときに気付きましたがフィアの格好がアトリエに居た時とは変わってます。水色のメイド服といいますか、水色のドレスに白いエプロンが付いた服に、ひらひらのヘッドドレスと、真っ白なストッキングに、服と同じ水色をしたクツです。

御伽噺から出てきたお姫様みたいな格好でかわいらしいですね。ちょっと恥ずかしいです。アトリエでこんな服を着ていたら、姉さんにもみくちゃにされそうなので絶対着れませんが、これは夢なので問題ありませんね。


「遅刻するの~。きゅいきゅ~い!」


木の後ろ側まで回りこんだボーパルちゃんは木の根元付近に開いている大きな穴へとぴょ~んと飛び込んでしまいました。

ボーパルちゃんの飛び込んでいった穴は真っ暗で底が見えません。この穴はどこに繋がっているのでしょう。子供にしか見えない森の主が寝ているのでしょうか?

分かりませんが飛び込んでみるしかないでしょう。夢ですしなんとかなる筈です。


「・・・えい!」


ボーパルちゃんを真似てぴょんっと、スカートを押さえながら飛び込みます。下を見ると怖いのできゅっと目を瞑って下に着くのを待ちます。


・・・まだかな?・・・もうちょっとかな?・・・もう着いても、


「・・・むきゅぅ!?」


目を瞑って落っこちる感覚に身を任せているとなにかモフモフした物に落っこちました。

目を開けて確認してみると、フィアが埋まっているのはいっぱいのヌイグルミです。ウサギさんにフクロウさんにキツネさん・・・なんかどこかで見たことがあるラインナップのヌイグルミがいっぱいです。これいくつか持ち帰れないでしょうか?無理ですよね。残念です。


「遅刻しちゃぅ~!なの~!」


フィアがヌイグルミの山から這い出してくるのを確認したボーパルちゃんが踵を返してテクテク走っていきます。

待っててくれたのでしょうか?忙しいはずなのに時間は大丈夫なのでしょうか?


「戸締りは大事なの~。それじゃあ急ぐの~!」


ボーパルちゃんはあっという間に壁際まで駆け寄ると、ボーパルちゃん1羽がやっと通れるようなちっちゃな扉を匍匐前進で通り抜けて向こう側から鍵をかけてしまいました。フィアがボーパルちゃんを追いかけているのを知っていたはずなのに、ボーパルちゃんはイジワルです。


これぐらいの小さな扉なら鍵が無くても蹴破れそうですが、ちっちゃすぎてフィアじゃ通れません・・・


「・・・むぅ。困りました・・・」


フィアが今いる部屋にはフィアが突っ込んだヌイグルミの山と、テーブルの上に置いてある小瓶とちっちゃな鍵ぐらいしかありません。


鍵、ありましたね。これがあの扉に鍵かは試してみないと分かりませんが、大きさ的に多分この扉の鍵でしょう。違ったら蹴破りましょう。

問題は小瓶のほうです。小瓶の中にはいくつかの錠剤が入っていて、札が付いています。その札には『親愛なるフィアちゃんへ』と書いてありました。裏には、

『中身は毒ではありません。勿論お酒でも、媚薬でもありません。

・・・ホ、ホントだよ?ホントにホントだからね?』

と、逆に信用できない追加情報が書いてありました。

そんなのを書くスペースがあるのなら薬の効果を書いておいて欲しかったのですが・・・


「・・・こんな頭の弱い但し書きを書くにはどうせユウさんでしょう・・・」


どこからか、酷い・・・って呟きが聞こえた気がしましたが、フィアの事を「フィアちゃん」って呼ぶのはユウさんだけなので間違いないです。


「・・・ユウさんが用意したとなると、逆に心配ですが・・・他に出来ることも無いですね。

仕方ないです。飲みますか・・・」


小瓶の蓋を開けて、中の錠剤を1つ摘み出し飲み込みます。

そのままでも飲めないことは無いですが、お水ぐらい用意しておいて欲しかったです・・・


「・・・ん?わわっ!わっぷ!?」


なんです!?急に辺りが真っ暗に・・・お、重い・・・潰れる・・・


「・・・ぷはっ!し、死ぬかと思いました・・・」


突然フィアに圧し掛かってきた柔らかい布のような物の隙間を必死に這ってなんとか脱出できました。

布に開いている穴から体を出したフィアが辺りを見渡すと、今フィアの立っている場所はさっきまでフィアが居たところと同じみたいです・・・ただし、部屋の大きさがさっきまでとは比べ物にならないぐらい大きいですが。


「・・・へぷちっ」


いえ、分かってます。部屋が大きくなったわけじゃありません。これはフィアの体が小さくなってるんです。

だって、フィアがさっき潰されていたのはフィアがさっきまで着ていたドレスで、今フィアは、はだかんぼなのですから。


「・・・ユウさんは夢から覚めたらおしおきですね」


どこからか、そんな~って呟きが聞こえた気がしましたが、慈悲はありません。フィアにこんな辱めをさせた罰です。

フィアはぷりぷりと怒りながら着替えを探しましたが、夢だからかストレージは開かないし、ドレスのポケットにハンカチの1枚も用意されていなかったので、仕方なくさっきまで履いていたパンツを体に巻きつけてローブ代わりにすることにします。

右の穴から頭と右手を出して、左の穴から左手を出して、残りの布地を体に巻きつけて・・・可愛らしいトランプ柄なのがまた腹が立ちますね。この衣装を用意した人はこうなる事も予想済みだったのでしょうか。どうせユウさんでしょうし。おしおきは3倍必要ですね。


「・・・はぁ。何はともあれ、これでボーパルちゃんを追いかけて扉を通れますね・・・」


裸にパンツ1枚だけという格好の所為でテンションはだだ下がりですが、いつまでもここに居ても何も解決しません。さっさとボーパルちゃんを追いかけて扉の向こうへと行きましょう。


ガチャガチャ


「・・・あれ?」


ガチャガチャガチャガチャ


「・・・・・・あっ」(察し)


カギ・・・机の上に置きっぱなし・・・


「・・・お、おぉおおお落ち着くデス。ひ、ひ引き戸の可能性も・・・」


ガチャガチャ


そんな事は無かったです・・・

動揺で姉さんみたいな口調になりつつ、扉を引いてみたり、スライドさせてみたり、シャッターみたいに持ち上げようとしてみたり、開いてくださいとお願いしてみたりしましたが、扉は開きませんでした・・・やっぱり机の上に置きっぱなしのあのカギが必要なのでしょう。


「・・・どうしましょう詰んでしまいました・・・」


机の脚をよじ登れば机の上に登れないこともなさそうですが、木のぼりはやった事が無いですし、登攀スキルは持ってないので厳しいです・・・


「・・・ふぅ。ここは一旦落ち着くです・・・」


・・・こういうときは一旦落ち着いて周りを見渡すといいと何かの本で読んだことがあります。

フィアが行動できるのはこの部屋だけです。フィアが落ちてきた穴はいつのまにか消えているのでそこから脱出する事は出来ません。

それと、今のフィアが触れられるのは床に置いてあるものだけです。机の上のカギには手が届きません。


それらを踏まえて今フィアが触れるのはフィアが着ていた服と・・・


「・・・!」ピコン!


ひらめきました!フィアの灰色の頭脳がギュルンギュルン音を立てて回転しましたです。

安楽椅子探偵フィアの誕生なのです!


・・・まぁ、実際は部屋から出る必要が無いんじゃなくて、出たくないだけですが内緒です。


さて、目標と手段が決まったらあとは実行するだけです。

頑張るです。えいえいおー!


-------------------------------------


ガチャ。ギィイイ。


「・・・開きました」


やっと・・・やっと開きました!ふふん。フィアはやれば出来る子なのです!

それにしても、机に届く高さまでヌイグルミを積み上げるのは疲れました・・・

一体一体はフィアと同じぐらいのサイズなので、錬金釜をグルグルするのと、重たい本を抱えて読むので鍛えられたフィアの力の前では運ぶのは簡単だったのですが、倒れないように積むのが大変でした・・・

でもその苦行を見事やりとげたフィアはこうして次の扉を開けることが出来たのです!


・・・もうこれでクリアでいいんじゃないでしょうか?ボーパルちゃんもとっくに遠くまで行っちゃってるでしょうし、夢の中なのにお腹が空きました。もう帰りたいです・・・


「・・・森?」


扉の外は森の入り口でした。

目の前には広大な森が広がっていて、左手には今のフィアの体の大きさにピッタリなサイズの、この夢が始まった時に最初にきていたドレスと同じデザインの服が下着と靴も込みで吊るしてあります。右手にはこれまたミニチュアサイズの机と椅子に、おいしそうな紅茶とクッキーが置いてあります。


丁度お腹が空いていたのでいただきたいのですが、その前に着替えですね。

体に巻きつけていたおっきなパンツを脱いで裸になったフィアは、青空の下で誰が用意したかも分からない服を身につけていきます。


「・・・ユウさんにはおしおき10倍が必要ですね・・・」


八つ当たりなのは分かってるですが、誰かの所為にして悪態でもつかないと恥ずかしくて溶けてしまいそうです。

さっき部屋の中でもすっぽんぽんになりましたが、屋外だと誰に見られるか分からないので恥ずかしさが違います。

うぅ、今ならおへそでお茶が沸かせそうです・・・


「・・・これで、完璧です」


ヘッドドレスまで装備し終わったフィアはその場でくるりと回ってスカートをたなびかせます。

やっぱりちゃんとした服は素晴らしいです。

最初はこの服もちょっと恥ずかしいと思ってましたが、全裸やパンツローブに比べれば100倍マシです。


「~~♪」


ドレスを着て心に余裕の出来たフィアはさっそくミニチュアの椅子に座って紅茶とクッキーを食べることにします。

紅茶はいつから置いてあるのか分からないのに湯気が立つほど熱々で、手に取ったクッキーもほんのりと温かく、まるで焼きたてみたいです。


「・・・いただきます」


お腹がぺこぺこのフィアはさっそくクッキーを口にします。

ふわふわサクサクの甘い誘惑に虜になったフィアが思わずお口いっぱいにクッキーを頬張ると変化は直ぐに訪れました。フィアの座っていた椅子が、紅茶の入ったカップが、カップの置いてあったテーブルがどんどん小さくなっていきます。

いえ、これはフィアの体の大きさが元に戻っているのでしょう。どんどん視線の位置が高くなっていき、おそらくフィアの元の大きさで巨大化は止まりました。


・・・フィアが着ていたお人形さんサイズの服はもちろん破れ果ててフィアは三度産まれたままの姿になりました。


「・・・もうやだ・・・」


新しい服と、サクサククッキーで出来たフィアの心の余裕はあっさりと潰れてなくなり、とりあえずさっきまで体に巻いていたパンツをまた履こうと手をのばします。


夢なら早く覚めて欲しいです・・・とりあえず目が覚めたらユウさんにはおしおき100倍刑決定です。

・・・不思議の国のアリスを書いていたはずなのに、気付いたらフィアちゃんにセクハラしてたでござる。

フィアちゃんの事をフィアちゃんと呼ぶのはユウだけじゃ無いんだな~これが。具体的にはテトで始まってメトで終わる4文字の神とかね。


次回はチェシャノゾミと、羽帽子屋ミズキと、3月狐イナリと、眠り山羊アイギスの出番かな?イナリは完全に消去法です。

そして次回があるかも未定。テトメトのやる気しだいです。

作者のセクハラに負けず、頑張れフィアちゃん!

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