第2章?
第2章?
俺は道に迷っていた。
まさかこんな山で道に迷うとは思ってもいなかった。
たかが標高200メートルの山だと思って入ったのが間違いだった。
おとといの新聞で『新しい山が発見された』と聞いて飛びついた俺が馬鹿だった。
この山の頂点は平らになっていて山の頂が分かり難いのに加え、プレハブ小屋が立っていたのがいただけない。
…この際、つまらないギャグはおいといて、とういうか、なんで小屋が立っているんだ?
まだ報道されてから三日だぞ?
まあいいや。
とりあえず、小屋に入って明日出直そう。
きっと明日になれば家に帰れるはずだ。
「こんにちは、誰かいませんか?」
俺は、小屋に入り中に人がいないかを確認した。
やっと休める。
俺は、持ってきたものを食べて、寝ることにした。
コンコン
ドアを叩く音がした。
それは俺がちょうど起き上った時だった。
「おはようございます。今日は、あなたに用があってきました。」
俺は急いで玄関に向かった。
「そのままで結構ですので話を聞いてください。」
俺の体が動かなくなった。
「あなたを殺しに来ました。実行は明日です。悔いが残らないように今日一日をお過ごしください。ではまた明日。この時間、この場所でお会いしましょう」
こんなつまらないことを考える奴は誰だ。俺が説教してやる。
そう思い俺はドアを開けた。
けれどもそこには誰もいなかった。
きっとどこかに隠れているにちがいない。
見つけてしだいとっちめてやる。
だが、見つからなかった。
いやまて、俺はこんなことをやっている場合じゃない。
あいつの言うことが本当なら俺は明日死ぬのか。
そういえばあいつは『また明日。この時間、この場所でお会いしましょう』といっていたはずだ。
ということは、明日の朝までにこの小屋から出ればいいのか?
そんなの簡単じゃないか。
俺は家に帰ればいいんだ。
なにをあわてているんだ。
早く帰ろう。
俺は荷物をまとめると、小屋を出た。
夜になった
なんでまだ山から下りれないんだ
俺は不安になった。
こんなに心細くなったのは初めてだ。
本当に明日になったら殺されるのか。
嫌だ。
俺はまだ死にたくない。
それでも時間は過ぎていく。
ついに朝日が昇った
そしてとうとうあの時間になった。
するといきなり後ろから肩をつかまれた。
「動かないでください」
どこかで聞いた声がした時、俺の体は動かせなくなった。
「お久しぶりです。突然ですが約束を覚えていますか?」
俺はあまりの恐怖に何も答えられなかった。
「小屋にいてよ。探すの大変なんだから。」
彼の言葉は誰にも届かない。