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主人公がバカなのはよくある話だと思います。
「羊飼いなんてやめてしまいましょう!」
ある日の昼下がり私はそう宣言した。
単純にこの生活に飽きてしまったからだ。
毎朝起きて100匹の羊を放した後、その後ろを〈うーたん(牧草犬)〉と共にひたすらついていくだけの仕事なのだ。
「うーたん。私と一緒に冒険者になりましょう!」
「あぉーん?(ご主人様、何を言い出すのですか?)」
私にはうーたんの言ってることは理解できないけど、きっと同意してくれているに違いない。
「うーたん!そうと決まれば、町まで下りて行きましょう」
「あぉーーん!?(ご主人様羊の世話はどうするんですか?無計画にも程があります)」
「そうね・・・羊は全て毛皮にするか、ジンギスカンにしてしまいましょう。」
「あぉーん!(アホなんですか?罪のない羊をそんなことにしてしまうとは…売る方がましです。)」
何やらうーたんが私の服の裾を引っ張って、近くの牧場につれて行こうとしている。
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名前:エレイン
職業:羊飼い(Lv.MAX)
装備:羊飼いの服(上下) 羊飼いの杖(杖〈使役レベル+5〉)
スキル:〈狼使役 Lv.MAX〉〈羊飼いの心得 Lv.34〉
名前:うーたん
職業:牧草狼(Lv.98)
装備:大王熊の牙の飾り(首〈攻撃力+20〉)
スキル:〈狼呼び Lv.MAX〉〈噛みつき〉〈人語認識〉〈嗅覚探知〉etc...
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「そうね。これだけの羊なら1匹180ソフィーで買い取りましょう。100匹まとめてだから、その分もつけたら18フィロに90ソフィーでどうかしら?」
「それだけもらえるなら十分です!おばあさん有難うございます!」
そう。私は今、町にある大きな農場に来ているのだ。
何故って?そりゃあ羊飼いをやめるためです。私は決めました。この町にあるギルドに行って冒険者登録をして、冒険者になると…!
職業ですか…考えてなかったですね。さてどうしましょうか。
そう思っているとおばあさんがこっちを向いてこう言いました。
「貴方羊飼いって聞いたけど。牧草犬はどうしたの?」
「えっ?牧草犬はここにいますよ?」
「貴方それどう見ても…魔狼よ・・・」
「えっ」
うーたんがこの世界の魔物の中で上位の存在と言われている魔狼なんて信じられません。
「くぅーん?(ご主人様、気が付いてなかったんですか・・・;)」
「おばあさん。うーたんが魔狼なら私絶対襲われて食べられてます…」
「それもそうね。間違いだったようね。ごめんなさい。魔狼がそこまで小さいわけないですものね」
「わぉーん・・・(魔狼って魔力使えるんで大きさ変えられるんですよ…)」
おばあさんから羊の代金をもらって店を出ます。
これから目指すは冒険者ギルド。これからやっと冒険者になれるのです・・・!
初めて小説を投稿しようと思って投稿してみた作品です。
感想とかあったら喜びます。
(1000ソフィー→1フィロ この世界の通貨です)