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第6話  それぞれの思惑

~青い髪の少女side~

ソラエルの上空には一人の少女がたたずんでいた。


彼女はテレポートをしたのではなく、時間を越えてここに来ている。

彼女にとって時間の概念は無い。


そして目下ソラエルには巨大な空洞があき、底は見えない。


「ちっ・・・・失敗した。」


小さい声でボソボソと喋る。


私はご主人様(名前は知らない)専属メイド。名前はまだ無い。


古代魔法を使って赤い髪の女を消そうとしたが、どうやら失敗に終わったらしい。


私にとってご主人様以外の存在は害。

  

私は三人の中で一番の魔力の量を有している。

戦闘において負ける気はしない。

頭脳の方だって私が一番だ。

古代魔法はあの二人には無理だ。


私があの三人のなかで最も優れているのは非を見るより明らか。


力でモノをいわす頭が足りなさそうな赤い髪の女。

どの数値も平均的で特に特徴がないアホそうな栗色の髪の女。


どうしてご主人様は三体も作ったのか・・・。

それだけが不満といえば不満だった。


そして今最も不満なことは・・・

私以外の女がご主人様を独り占めしているということ。


赤髪は多分今頃自己修正に忙しいはず。

私の『ブラックホール』の真下にいたのだ。

いくら唯一のとりえである運動能力が高い彼女でも完全に避けることは不可能。


2日は動けないはず。


問題なのは栗色の髪をもつアイツ。

アイツは油断ならない。なんだあの体型!!!!三人の中で唯一の爆乳。


「絶対に・・・・・許さない」


魔力はまだあるけれどさすがに古代魔法と時空間魔法の二重はきつかったのか体の節々が痛む。

この二つの連続使用は今後避けた方が良さそう。


とりあえず、まずは最初に近くの街に行ってご主人様を探さければ・・・





~赤髪の少女side~

クソ!!!腕が痛む。

さすがの古代魔法。あんな攻撃直撃してたらさすがの私も消し飛んでしまう。

何とか片腕を犠牲にして生き残る事が出来たが・・・・今度あったら絶対に許さねぇ・・。

アイツ絶対に私も消すつもりだったな。


これじゃあ仲間なんて到底言える状況じゃない。

あの時ご主人様を栗色の髪の女に任せてしまった自分が憎い。

一瞬でも三人力を合わせて頑張ろうとしてしまった自分が憎い。


「ほんと・・・・どうすっかな・・・。」


腕の治療は自己修復で何とか元に戻るだろう。

最悪の場合はご主人様に治して貰う事になるだろうが・・・・こんな姿は見られたくないな。

クソ!!どれもこれも青い髪のアイツのせいだ!!!!




~クリスside~

漁夫の利とはこのことでしょうか。

何故か私は今、ご主人様と二人きりで買い物をしています。

ソレも私の服を選んで下さるそうで・・・・。

さすがの裸はご主人様以外に見せる訳にはいかないので今私は建物の陰でご主人様を待っています。


一人にするのは危険かもしれないと思ったのですが、何かあれば3秒以内に駆けつける事が出来る距離。

問題はないでしょう。


「ごめん。待たせた?」


この人が私のご主人様。

優しい方でちょっとおバカさん。だけどそんな所も私はお慕いしています。


「いえ、全然大丈夫です。ご主人様こそご無事でなによりです。」


「ご無事って大丈夫だってば、そこの店に行くだけじゃんか。」


昨日の襲撃事件を知らないご主人様は特に危険に思っていないかもしれないけれど、私はまだ危険だと思っています。


私達の姿はともかく、天才発明家のご主人様の顔はもう相手には知られてしまっているはずです。


「それより服買って来たよ。サイズは分からなかったから大き目のにしといた。他の二人のも買っといたよ。お揃いだけどいいよね?」


「大丈夫ですよ。サイズに関しては大きめなのでしたら、後で私が自分でサイズを合わせときますから。・・・・こう見えて家事は得意なんです。」


広げて見るとメイド服だった。


その辺の中級貴族のメイド服。この姿で外を出ても目立つことはないだろう。


「家事が得意っていいよね。いつでもお嫁さんに行けるじゃん。」


・・・幸せってこういうことを言うのだと私は初めて学びました。



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