第3話 メイドの土産
俺の名前はパル。
泥棒だ。
今回のターゲットは変人メイの研究所。
金目のものがあるとは思えないが、酒場で隣に座っているメイが研究が完成したと言っていたのだ。
魔道人形の一体ぐらいはあると思った。
魔道人形は高値で取引される。
女性型なら貴族の相手をさせられることもある。
男性型なら戦争に借り出されると言う。
俺は見たことが無いからどんなものかは知らないが人形だろ?
行けば分かるだろ。
メイの研究所に入るとまずあったのはデカイ水槽が三つ。
一つの水槽に一人ずつ綺麗な女性が入れられていた。
『ボコボコボコ・・』
呼吸はどうなっているのか知らないが水槽の中には気泡が浮かぶ。
「まさか・・・これが人形?」
思わず声を出さずには居られなかった。
魔道人形を見たことは無いけれども、こんなに綺麗で美しい体をしているとは思っても見なかったからだ。
三体とも特徴的でとても美しかった。
左端の水槽には赤いベリーショートの髪の女性。
幾分小柄だろうか。
スタイルもスレンダー。
真ん中の女性は栗色の長髪。
身長は三人の中で一番高く、スタイルは・・・・・色々とデカイ。
右端の女性は青いショートカット。
こちらもスレンダー。
本物の人間にしろ魔道人形にしろ取り敢えずこの水槽から出すのが先決である。
スイッチをあれこれ押すよりも水槽を割って助けた方が早いと思った俺は近くのハンマーで思いっきり水槽を叩き割る。
中からでた女性を取り敢えず並べて寝かせ、体には毛布をかけておいた。
全裸だったので目のやりばに困るのだ。
パルはウブな青年だった。
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
でこいつらを俺はどうすんの?
人攫いや殺人は未だ経験のないパル・・・今更になってびびっていた。
魔道人形があまりにも人間に近いものだったという理由も一応ある。
「とりあえず・・・魔力流してみるか・・。」
たいした理由も無く興味本位8割り。エロ発想2割り。
パルは色々な意味でバカだった。
パルの魔力は極端に低く、マッチサイズの炎を出すので精一杯。
実際普通の魔道人形なら動くはずも無かった。
だがソコはメイ特性の魔道人形である。
魔力など人形の体内で自動に作られるため、最初の魔力を注ぐだけで永久に持続する。
三体に均等に微量(本人は全力)の魔力を分け与えた。
ゆっくりと目を開ける三人。
三人とも髪の毛と同じ色の瞳。
活発そうな赤い瞳。
優しそうな栗色の瞳。
知性漂う青い瞳
「アナタ様が私達のご主人様ですか?」
真ん中の栗ちゃん(仮)が俺に向けて言った・・・。