第1話 誕生万能メイド
『ゴロゴロゴロ・・・・』
暗闇の中、大型の円柱形の水槽が三つ。
窓からもれる雷の光からは円柱形の水槽の前にたつ怪しげなエルフの男が一人が浮かび上がる。
「完成した!!!遂に完成した!!!!私の愛する究極のメイド達よ!!!!!」
取り乱してすまない。
そして大声で独り言を言ってしまって申し訳ない。
私の名前はメイ・ドリアン三世。
こう見えても伯爵である。・・・・・否、元伯爵である。
父上は隣国との大戦で戦死。
母上は私が生まれてすぐに亡くなったと聞いている。
そして屋敷には私一人だけが残った。
父上が今までしていた仕事が全て私に回った。
領地の運営・警備・宮廷で行われるパーティーの参加。
私はどれ一つ上手く出来ていなかったように思う。
土地は痩せ、民は村を離れ、作物は不作。
・・・どんどん悪循環が続く。
パーティーではダンスを踊れないために周りの様子を見ていることしか出来ていなかった。
周りからは冷たい視線を浴びせられ、後ろ指さされて陰口を叩かれた。
『無能領主』
だが、そんな私にも長所が一つあった。
誰にも負けない長所が・・
それは・・・・
『魔道人形』
・・・である。
魔道人形とはその名の通り魔力を送り込むことにより動く人形。
主人の命令を忠実に守り、危険なことでもなんでもする。
そんな魔道人形を作るのが天才的に上手かった。
そして私は思った。
今の生活を全て捨てて魔道人形のためだけに生きるのはどうだろう。
そして私はすぐに実行に移す。
父から頂いた財産をすべて金に変え。
爵位も返上しお金にした。
そして研究130年目・・・・
エルフじゃなかったら確実に死んでいた。
だが、ついに完成した。
どこからどう見ても人間にしか見えない三体の魔道人形。
本当は一体の予定だったんだが、一体に高度な戦闘、高度な知能、高度なメイド機能を詰め込むことが出来なかった。
間接にもこだわった、従来の人形は間接を見れば魔道人形とスグに分かった。
だが私の人形は違う!!!!
間接も骨組みも全て人間と同じ作り。外見だけならば魔道人形と見抜ける人は居ないだろう。
そして一番違うのは自ら発言し、自ら物事を考え、自ら決断する能力。
普通の魔道人形は命令をしなければ何があってっも動こうとしない。
だが私の人形は違う!!!!
他にも違うんだが説明すると夜が明けるのでこのぐらいにしよう。
最後に一言。
女性型のメイド式魔道人形にしたのは全て私の趣味である。