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ゴカイ無双 ~説明しよう! これは最強ではない男が、誤解されたまま責任だけを引き受ける物語である~  作者: フラグメント水沢


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第24話 《五戒封環・終焉無双》 ――我、名を預かりし者。 誤解を力とし、戒を以て、ここに立つ!

挿絵(By みてみん)

世界調停機構の評議官が、静かに手を挙げた。


「――最終通告です」


 空間が、きしむ。

 定義が、降りてくる。


 世界そのものが、

 「終わらせる理由」を探し始めた。



 俺は、一歩も動かない。


 腕を組んだまま、

 ただ――息を吸った。


 それだけで、

 空気が変わる。


「……来るぞ」


 ガルドが、前に立つ。


 だが、

 まだ立つだけだ。



「――やむを得ません」


 評議官の声と同時に、

 無数の概念干渉が展開される。


 攻撃ではない。

 裁定だ。


 存在を、

 定義で潰す。



 その瞬間。


 俺は、叫んだ。



「――説明しよう!!」


 声が、戦場に響く。


 誰も止められない。

 誰も遮れない。


 始まってしまった。



「我が名は――ネームレス!」


 虚勢。

 だが、

 世界はそれを“真名”として扱う。


「名を持たぬがゆえに、

 あらゆる名を預かる者!」


 意味はない。

 だが、

 意味があるように聞こえる。



「今ここに!


 五つの戒めをもって、

 封環を開示せん!!」


 空間に、

 五重の誤解が重なる。



第一戒


《不動戒・バトルウォーデン》


「第一の戒!

 ――立つ者は、退かず!」


 ガルドが、前に立つ。


 説明しよう!


 彼は自宅警備員である!

 だが、

 前に立つことだけを選び続けた結果、

 世界は彼を“動かせない壁”として認識した!


 耐久が、増す。

 概念が、滑る。


 攻撃が意思が――

 

 通らない。



第二戒


《不滅戒・ミリタリーサスティナー》


「第二の戒!

 ――尽きるは、罪!」


 コムギが、補給袋を開く。


 説明しよう!


 彼女は管理栄養士である!

 だが、

 戦場で“足りない”を許さなかった結果、

 消耗という概念が後回しにされた!


 疲労が、来ない。

 欠乏が、成立しない。


 誰も、倒れない。



第三戒


《再生戒・バイオチューナー》


「第三の戒!

 ――壊れるとは、仮定にすぎぬ!」


 フィーが、触れる。


 説明しよう!


 彼女はペットシッターである!

 だが、

 生体を“元に戻す”ことを疑わなかった結果、

 欠損はエラーとして扱われる!


 壊れる前に、

 戻る。


 死ぬ前に、

 調律される。


 壊れない。



第四戒


《律動戒・リズムドミネーター》


「第四の戒!

 ――失敗とは、テンポの乱れ!」


 ミラが、叫ぶ。


 説明しよう!


 彼女はバンドマンである!

 だが、

 場のノリを揃え続けた結果、

 全行動が“成功する拍”に配置される!


 遅れない。

 

 今日はっ!ありがとう!サイコーのライブにしようね!!!



第五戒


《因果戒・マスター・オブ・パペットマスター》


「第五の戒!

 ――偶然とは、未整理の必然!」


 クラウスは、何もしない。


 説明しよう!


 彼は手品師である!

 だが、

 “見せない努力”を続けた結果、

 失敗する因果だけが、先に排除される!


 糸は見えない。

 だが、

 結果だけが整う。


 なにも、なかった。



「――以上五戒!」


 俺は、腕を組み直す。


 そして――

 最後の言葉を、放つ。




挿絵(By みてみん)




「五戒封環・終焉無双


《ゴカイ・エンドレス》!!」


 


 虹色の光が見えた気がした。(気がしただけ)



 世界調停機構の裁定は、

 発動しなかった。


 否定されたのではない。

 相殺されたのでもない。


 最初から、

 成立しなかった。



「……何を、

 した……?」


 評議官の声が、震える。


 俺は、

 はっきり答えた。


「何もしていない」


 それは、

 事実だった。



 ぽめは、

 その間、ずっと――

 寝ていた。

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