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提督誕生

さて、報酬である戦艦だが、なんと新造してもらうことになった。

せいぜい中古の戦艦がもらえるくらいだろうと思っていたのだからこれには驚いた。


設計にも意見を言うことが許可されたので、思いっきり趣味に走らせてもらった。


大気圏内飛行も意識して全長は750mと恒星間航宙艦としては中型

羽根つきの某戦闘空母みたいな形状

上下両面に飛行甲板があり、両面とも回転して戦闘甲板になる

主砲は120cm3連装衝撃波砲9基

ミサイル発射管多数

収納型対空砲24

機動兵器の技術を応用した移動式対空砲台多数


……などなど。


やたらと主砲塔が多いのも理由がある。

最近のアニメでは、地球の戦艦のような回転式砲塔は見られない。

だが、実際の宇宙航行の場合、隕石やデブリがいろんな方向から飛んでくる。しかもかなりな高速で。

当然、それにぶつかったら危険なので砲撃で破壊する。

そのため、全方位に素早く砲撃できるように回転式砲塔が多いという訳だ。


砲が熱線やビームではなく、衝撃波砲なのも理由がある。

熱線等では隕石の質によっては穴が開くだけでそのままぶつかられることもある。

だから被害を防ぐには隕石を砕かないといけない。そのための衝撃波砲だ。


搭載可能なMSは30。艦載機等も30搭載可能である。

これは今までの艦の数倍の搭載数となる。

ワープエンジンは無限機関ではないので燃料タンクに艦内のスペースをとられる。そのため艦載機は少数しか積めなかった。トークォ軍が機動兵器の使用を想定していなかったのもこれが理由の一つだろう。

しかし、MSや四本足の機動兵器は『自分で歩ける』のだ。

だから艦載機を運ぶクレーンやコンベヤーが必要ない。その分だけ多くの艦載機(機動兵器)が積めるという訳だ。


サーカ軍が四本足の機動兵器を主力に据え始めたのはこれも大きな理由となっている。


あとエンジン直結のワープエネルギー砲(大人の事情で『破星砲』と呼ぶことにした。)も作った。

原理は簡単だが、砲撃後エンジンが空になってしばらく動けなくなり危険などいろいろ問題がある。

何よりエンジンに圧をかけて一気に放出するのだからエンジンに負担がかかる上に燃料消費がすごい。一航海で数発しか撃てないだろう。そんなものを長距離航行用の貴重な宇宙戦艦に装備するわけがないのだ。


ちなみに地球まで帰るために格納庫は燃料貯蔵庫になっている。

ノージとビースには効率のいい新燃料の開発をお願いしているが、簡単にはいかないだろう。


あと、意外にも光電池がこの星にはなかった。

急遽地球から情報を取り寄せさせた(サーカの情報員が常駐するようになり、トークォのは撤収させられた)ところかなり高性能なものを作り上げ航続距離は一気に伸びた。


戦艦もMSも俺の中二病的デザインを見事に生かしたものを作ってくれたノージたち技術陣に感謝である。


はじめて会った時、真っ青な顔をしていた技術者のおっさんも今は大出世して恵比須顔である。

名前はツゥーテ・シンセ。ノージとビースの父親だ。


で、自分の地球への帰国が近づいてきているが、この子たちが地球についてくる気満々なのである。すでに耳を整形して地球人風にしている。

「艦の運用やメンテナンスその他に助力させていただきます、提督!」

二卵性の双子らしいが、息ぴったりに話してくる。何かモ〇ラでも呼び出せそうな感じだ。

(ちなみに、あの歌、しっかりおぼえてて歌えるそうだ。)


副官のメーダもついてくる気満々のようだ。

すでに地球の役所とかのデータに侵入し自分たちの戸籍を確保。

同様に家族や会社などの人間の記憶もいじっており、俺は宇宙にいる間、海外に行っていたことになっていた。


「何かあった時のデータや記憶の操作には私たちが必要ですよ、提督!」


艦隊司令でもないのに提督って……。

何か名前の漢字を教えてから提督、提督って呼びだした。


矢上 利一

どうも、これを「ヤ」「ウェ」「リ」「―」と読めると気づいたようで……。


「あ、あの人ね……」


実はワタクシ、友人に雷院 春斗と言う人が……いません。


『やっぱりブランデー入りの紅茶を常備するとしよう。』


というわけで艦での俺の呼称は『提督』になった。


「どっちかというとコーヒー党だが、紅茶に替えないと。あと、無精ひげもきちんと剃るようにしないとな。」


自分は形から入るタイプなのだ。


いよいよ宇宙の旅が始まる。

故郷をはなれ、旅をともにする仲間もできた。

時はまさに大航宙時代…?


次回『帰還』

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