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開戦準備

艦隊指揮を引き受けるにあたって条件をつけた。


・できるだけ早い段階で講和条約を結ぶ。そのための条件を整えるための戦闘だと理解すること

・地球への侵略行為をサーカの責任において止めさせること

・戦闘終了後は地球に帰れるよう保証すること

・帰還時に宇宙戦艦を一隻報酬としていただくこと


即答でOKがでた。どうせ無理だと思っているのかもしれないが…。


『即答できるということは、あの軍人さん、かなりのお偉いさんなのか?』


2週間しかないので準備は大変だ。もう少し早く召喚されていれば、まだ余裕があったんだが……


実はサーカ~トークォ間の航路はトークォが開拓したもので、その航路の他にサーカには公開されていなかった隠し航路があったようだ。そのためサーカ側の想定をはるかに超えた速さで侵攻が進んでしまったのだ。


敵艦隊のワープアウト位置は星系から離れた宙域。

一般の船ならば惑星の重力に干渉されないギリギリの位置に数隻ずつワープアウトするのだが、軍事行動中にそんなことをしていたら各個撃破のいい的である。

故にワープアウトする場所は星系外縁から少し離れた艦隊が一斉にワープアウトできる広い宙域になる。


「だだっ広くて隠れるところがない。奇襲は無理ですね。」


副官をつけてもらった。黒いブルゾンに白いスカーフ、白いスラックス、ベレー帽が決まっている。かなりの美女だ。どっかで見たような軍服なんだが…。

名前はメーダ・ツダス。最初の尋問の時にいた女性軍人だ。


「ここで戦う気はないよ。」


違う星に住む生命体が同じ環境にいる。アニメや小説とかではよくあるが、実際はありえない。

大気組成、星の重力、自転周期などなどみんな違う。

幸い、地球とサーカの大気組成は似ていて、お互いにとって有毒な気体もなかった。重力も自転周期も似たようなものだった。


しかし、各星並びに体内にある様々な細菌やウィルスはそうはいかないはずだった。

サーカ、トークォ両星の科学陣が地球の大気とともに採取できる限りのウィルス、細菌、化学物質等を収集し分析、ワクチン等の開発の結果、共存可能…と判断したそうだ。


本来関わらせないほうが良いはずの地球の調査にトークォがサーカを関わらせたのは、サーカの方がはるかに医療技術が進んでいたからだ。


俺も召喚(拉致とは言いたくない)された時にいろいろサーカ製のワクチンとかを射たれたようだ。


「私たち軍人と科学陣が最後の実験台なんです。」


肉体的接触(想像にお任せする)を含めた最後の実験という訳だ。そっちは覚悟の上だろうが、こちらとしては……。

まぁ、だからこその美人さんぞろいなのか♡

サーカとトークォも同じようにしてお互いの共生の可能性を探ってきたのだろう。

まぁ、若き皇帝様設定なので、美女たちに手を出すことはがm…しないが。


しかし、彼女の場合は覚悟と言うか自暴自棄に見える。開戦のきっかけになった事件を起こした士官って…。

まぁ、わざわざ確かめる必要もないだろう。


今は星系外縁である艦隊行動の訓練をしている。

ここからサーカまでは巡航速度で6日。航路は狭い上に航路周辺には無数の小惑星がある。デブリも多数飛んでいる。

航路確保のため随時排除しているが、こまめに排除しないとすぐに航路がふさがれる。そのために多数の監視基地が星系内にも設けられている。


自分が乗っているのは宇宙戦艦ナミ型の二番艦サイバー。一世代前の艦だがその分性能は折り紙付きである。

箱を組み合わせたような形で艦首に空いた大きな穴は波動ほ……ではなく艦載機の発進口だ。

と言っても艦載機は10数機。全長800m級の艦にしては少ない気がする。


「ワープエンジンは燃費が悪く、燃料タンクに艦内をかなりとられますので…。」


無限機関じゃないのか。まぁ、世の中そんなにうまく行くはずはないか。

それ故に、艦載機はじめ機動兵器が両軍ともに少なくなってしまう。

さらに、両星ともに星系内に小惑星群やデブリが多く、熟練のパイロットでも事故を起こすことが多いためだとか。

一応空母もあるみたいだが、そういった理由であまり活用されていないようだ。


話がそれた。

サイバーの武装は主砲が戦艦長門のような二連装砲塔6基。対空砲20、対空対艦ミサイル発射管多数という武装。トークォの艦も同じような武装だそうだ。


敵味方の各種情報を頭に入れるため、膨大な数の資料を読むことになるだろうと覚悟をしていたが、一瞬で済んだ。

自動学習装置というもので脳に情報を送り込んだ。数千ページ分の資料が一瞬で頭に入る。脳の負担もそんなにないらしい。

時間が惜しい中でこれは助かった。


「しかし、わが艦隊の総数が150隻とは……。増援をたのんでは?」

「いや、この規模で十分だ。本格的な戦闘になる前に終わらせる。」


メーダは怪訝そうな顔をしているが、かまっている暇はない。


「ところで例のものは集まったのか?」

「はい。完了しております。」

「改造の方も済んでいます!!」


口をはさんできたのはノージ・シンセ。尋問にいた女性。やはり科学者だった。


「明日には艦への積み込みも完了します。」


こちらはビース。同じく科学者でノージの双子の妹だ。

この二人もメーダ同様に自分の直属の部下になっている。つまり、地球人、サーカ人共生の最後の実験台ということだ。


増援のことだが、実は頼まないのではなく、頼めない。

軍首脳部が俺に指揮を簡単に任せたのは俺たちを捨て駒にするためだろうから、依頼しても何やかや言って出さないだろう。

それを責める気はない。戦争とはいかに効率よく味方を殺すか、ということだと昔何かの小説で読んだことがある。それによって結果的に多くの味方を守ることになるのだから。


「まぁ、理屈では正しいとわかっても、感情では納得できないことなんだがな。」


自動学習装置で学んだデータにも重要な物資の量と主力艦隊のデータはなかった。

物資、武器弾薬の調達はメーダを介してあの美魔女の軍人さんにまかせていた。十分な量の物資が手に入ったのは意外だった。もっとケチられるかと思っていたのに。


今ごろ索敵範囲外ではサーカ本隊の戦闘準備が完了しているに違いない。こちらの要求を簡単に飲んだのも…。

まぁ、どんな思惑があるにしろ、お偉いさん方の思い通りになる気はないが。


できる限りの準備はした。

作戦は日本のアニメを見ている人間なら誰でも考え付くような程度のものだ。

後は……


「後は運を天だ……」


しかし、若き皇帝陛下設定のしゃべり方は疲れる。方針転換したいんだが…。

いよいよ、開戦。

圧倒的な戦力差、経験差をどう埋めるのか?

アニメオタクの艦隊指揮は?


次回『開戦』

次回もよろしく!

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