決心
サーカはンサイ星系の第三惑星で、トークォはスゥト星系の第四惑星。
両星系の間は約2500光年。
この距離が両星の衝突を防いでいた。だが、ワープ技術の進歩が平和を打ち砕いてしまった。
現在、トークォ艦隊は多数の補給艦とともにンサイ星系の外縁から約800光年あたりにいる。
艦数は戦闘艦1000。戦艦、巡洋艦、駆逐艦が中心で空母はいない。
サーカ星系が小惑星とデブリだらけで機動兵器の運用が困難だからだろう。
補給艦同数くらい。艦隊からやや距離をおいてついてきている。
あと8回のワープなので到着まで8日くらいか?……と思ったが、ワープで来られるのは星系外縁まで。
星系内は小惑星やデブリが多いため、通常航行しかできないのでプラス6日。およそ2週間というところだそうだ。
なんでこんなに詳しくわかるかというと、航路の要所に置かれている中継基地から情報が送られてくるからだ。
ここは条約で攻撃が禁止されている。また民間航路の安全確保のために近隣空域での妨害電波などの使用も禁止されている。
にしても、律儀に法を守ってるのは、圧倒的大軍の堂々の侵攻によって『城下の盟』を誓わせようとでも考えているのか?
『来る位置と時期が分かっているなら、手の打ちようはあるんじゃないか…?』
どうやらベレー帽とブランデー入りの紅茶の用意が必要なようだ。
「迎撃に当たれる部隊の編成と武装、並びに回戦想定宙域の情報を教えてもらいたい!」
急に大声を張り上げたので全員が驚いている。
「敵艦隊の数、装備、艦隊司令はじめ首脳部の情報も可能な限り集めよ!」
「事態は急を告げている!時は金なりだ!早急に対応せよ!」
ちょっとどこかの若き皇帝風にやってみた。
『必要なのはワイングラスだったか。』
もう勢いで突っ走るしかない。
この時、美魔女の軍人さんが してやったり という顔をしていたというのを聞いたのはかなり後のことになる。
「小惑星とデブリだらけの戦場か…。しかも…」
もう作戦の概要は頭の中に出来上がってきている。
うまくいくかは全く別の話だが。
敵艦隊が迫る中、矢上は艦隊の指揮を執ることを決心した。
サーカ、トークォの初の戦闘は、両星にとっても初めての宇宙戦闘。
さて、戦闘の行方は?
次回「開戦準備」




