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銀河の歴史

美魔女の軍人さんの説明によると……

ここはサーカ。銀河系中心に近いンサイ星系の第三惑星。


ワープ技術が発明されて十数年。光年単位の移動が可能となり、人々は新天地を求め、宇宙へ旅立って行った。

とはいえ、それは決して楽な旅路ではなかった。

行き先の空間にどんな危険があるか分からない状態でのワープは常に危険ととなり合わせ。小惑星や流星群に激突して沈む宇宙船が数多く出た。


多くの犠牲から新航路開発の中止を訴える声も多く出て、国論を二分する事態にまでなったが、新天地への夢は決して潰えることはなかった。

そうして少し、また少しと航路は開拓され、サーカの行動圏は広がっていった。


そんな時に出会ったのがトークォの船団だった。

お互い初めて出会う異星の住人たちだった。


幸い接触は平和裏に行われ、両国は国交を樹立した。


お互いが善人だったためとかではない。安全な航海のため、相手が持っている航路の情報が必要だったから国交を結んだだけのことだった。


航路開発は数隻の艦を先行させ、航路の安全を確認したあとで艦隊をワープさせる。

サーカがであったのは、この先行艦たちだった。数の差があったため、平和裏に交渉が進んだとも考えられる。


「サーカ側が少数だったなら、両国の関係は変わっていたかもな。」


航路の情報も充実し、要所には航路の安全確保と補給のための中継基地も作られ、両国の勢力圏はどんどん広がっていった。


当初はワープの距離も10光年ほどで回数も一日一度が限度だった。だが、最近100光年に届くワープが可能になった。


それで行動範囲が広がったトークォが版図拡大の拠点としてサーカを狙ったということだ。

困ったことに将来的には地球方面も狙っている可能性がある……と。


トークォ艦隊のワープ可能な戦闘艦は3500隻程度。宇宙戦闘機もあるそうだ。

技術には大差はないものの、サーカの艦艇数はトークォの半数にも満たない。


『同盟を結んで軍の駐留を申し入れ人民も送り込む…。で、なし崩し的に征服を狙う。よくあるパターンだ。』

(実例は言えないけどな!)


形式的な軍事交流でお茶を濁して時間をかせぎ、対策を考えている間にトラブルが起きた。

謀略かもしれない。とにかく一気に時間がなくなった。


「ちなみに技術の関係上、ワープできる空間は限られており、巡行距離や航路の関係からもサーカの中継基地を経由しないと地球には行けないわ。」


つまり、サーカの滅亡=地球の滅亡…だと言いたいわけか。


「…相手艦隊の現在位置は?」


戦いたいわけではない。自信もない。なのに自然と言葉が出た。

「運命」というやつか?

安易に使いたくない言葉だが、今はそれしか思い浮かばない。


サーカ、トークォの歴史が今回語られました。

実際、異星人と出会ったからとすぐに戦端を開くことはないでしょう。

航路開発から始まり、資源や移住可能な星の探索、開発を行って採算がとれるようにするのが本来の目的としています。

なのに、不要な異星人との交戦などするはずがないはずです。

するなら、開発が終わり、敵の力も分かってから。

さて、圧倒的差がある敵艦隊とどう戦う気なのか?

次回もぜひよろしく!

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