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襲撃

呪いが解けたとはいえ、長年のものとなっている人間への友好と契約を神聖なものとする習慣は簡単に消えるものではなかった。

だが、カーツのように活発に行動するものも増え、雇用者と被雇用者とはいえ、気軽に話し合える関係となってきた。


で、俺たち首脳陣だが……


「ご主人様!」

「お嬢様!」


と呼ばれているんだが……。提督じゃなくていいのか?


「細かいことを気にするなんて、『黒髪の大提督』らしくないですよ!」

「提督と呼んでいいのは」

「私たちだけ…だよ!」


つい最近、日本の漫画やアニメに触れ始めたのに、順応力ありすぎじゃないのかお前たち。


呪いについて獣人たちに聞いたところ、


「神が天から降臨して我らに命じた。争いをやめよ。そして我が命に従え……と。」


多少の違いはあるが概ねこのようなことを言っていた。

獣人たちを洗脳したものについては気になるが、考えてわかるものではないか……。


他の星系は特別なものはないようなので、あとは地球に戻るだけだ。

物資の買い付けだが、艦の積載量が限られているため食料と惑星開拓に必要な機械以外は小惑星などから資源を採取して艦内生産で賄おうと思っていたのだが、意外な助け舟が出た。


「収納魔法が使えますよ。」


ドラゴンサイズの収納魔法だけあって、とんでもない量が入る。しかもそれが4人分。


「わらわも使えるのじゃ!」


カーツの収納魔法は特大だった。4姉妹以上の収納規模だ。

アーザの考えた通り、カーツは魔法の指導を受けていた。だが、それは『魔法』としてではなく、神聖なるお狐様への奉納の祈りの儀式としてのものだった。

魔法で起きることはお狐様の起こす奇跡と考えていたそうだ。


「そうやって魔法を隠しながらも訓練は続いていたということか」


まぁそのおかげで十分な物資を購入でき、地球圏での拠点開発が一気に楽になりそうだ。

しかし…


「収納魔法の属性は何だ?精霊魔法とは違うのか?」


よく見るとカーツの収納魔法は白色の空間、ドラゴン娘たちは黒色の空間だった。


「いわゆる黒魔法ですね。」


魔族とでもいえばよいのか。異世界の存在との契約でその空間を借りて物を置いているということだ。ちなみに竜化する時の魔法も「魔素」という異世界からくる物質で魔法力によって形や大きさを変えることができるらしい。


「カーツのは私たちと違う異世界のものとの契約なのでしょうね。」


異世界か。不用意に関わりたくないものだが、今のところは問題ないので良しとしておこうか。


いよいよ出発……という時に異変が起こった。

獣人たちが急に集まりだした。間違いなく正気ではない。


「あれを!」


何かが降下してくる。貝のような、ヤドカリのような巨大な生物……?!

生物だったからレーダーにかからず、警報が鳴らなかった……いや、獣人たちが正気を失ったから警報が鳴らなかったのか。

いや、違う。見事に空港に着陸していくヤドカリども……。まちがいなく管制の指示を受けている。


「やつらの内通者がいるのか?」


獣人以外が操る船だろう。何隻かが脱出を試みた。が、すべて落とされた。

撃ち落されたのではない。噛み落とされた。ヤドカリのような生物から現れた魚のような生物に。

発射したビームは全て弾かれ、ピラニアに襲われた小動物のように噛み散らかされ落ちていった。


「獣人たちが!!」


獣人たちが列を成してヤドカリに入っていく。

喰われているわけでもないようだ。


「呪いで操られているのか?」


こいつらの食糧? それとも奴隷にでもされるのか?


「こいつらが獣人たちに呪いをかけていた奴らですの?」


そんなことより、今はどうやってここから逃げ出すかだ。


「アーザ。さっきの魚がビームを弾いたのは魔法か?」

「はい。」

「お前にも使えるか?」

「大丈夫よ。」


ドラゴン姉妹がうなずく。心強い限りだ。

早く聞いとけばよかった。実は、SFでよく出てくる対ビームシールドとかは一応はあるが、気休め程度にしかならない。

ある意味当たり前だ。ビームに完全に耐えられるだけのエネルギー場を部分的なら未だしも、艦全体に張り巡らせることなどできない。

できたとしても同種のエネルギーを使って一点集中で攻撃されたら破られるのは当たり前だろう。イタチごっこになるだけだ。

だが、人に知られていない魔法結界ならば。


「発進用意!目標、サーカ!」


メーダの指示の元、ノージとビースが手早く発進準備を進める。

こちらの方に来たということは、目標はこの先にあるサーカとトークォだろう。

とにかく俺たちだけではどうしようもない。サーカとトークォの力がいる。

ドラゴン娘の魔法結界が効いている間に脱出しないと。


「魚たちが取りついてきます。」


メーダの必死の操艦でも振り切れない。


「対空砲火効きません!」

「ミサイルも撃ち落されます!」


ノージとビースの悲痛な声が響く。


防御魔法が中和されているのか?それとも…。


「魔法結界は物理攻撃に弱いのか?」

「そのようです。魔法自体が無効にされたわけではありません。」


確かに敵艦からのブレスのようなビーム風の攻撃は弾けている。

オリハルコンの艦体は問題ないが、エンジン噴射口に取りつかれるとまずい。


「MSで出る。アーザたちも出てくれ。援護を頼む。それから、ラムを展開しろ!」


ビームや衝撃波砲(ショックガン)が効かないのなら、実体弾か物理攻撃しかない。

もしそれも効かなかったら…


「頭をかいてごまかすさ…」

衝撃波砲もビームも効かない謎の生物艦。

あとは物理攻撃しかない。

MSで出撃する矢上たちの運命はいかに?


次回「襲撃2」

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