劇的大改造
さて、ここからがノージとビースの出番だ。
先日依頼したのは魔法を放出して金属を加工する装置。これで宇宙戦艦とMSを超金属製のものにできる!
「アーザさんが魔法石をくれましたから。」
「私たちの力だけでは無理でしたよ。」
魔法石とは、魔法を蓄積する能力を持つ稀少な宝石である。それに重力魔法と氷系魔法を蓄積、必要量ずつ放出するのだ。
いくら魔法石があったとはいえ、全く未知のエネルギーをこんな短期間で制御できるようになるとは…。そのうち魔法エネルギーで戦艦とかを飛ばすようにならないか?
太陽光発電システムを球体上に作り、エネルギーを確保。作業を開始した。
もちろんこの星の超金属を加工できたことが知られるとマズいので、隠蔽魔法で隠している。
作業は球体内にあった空洞で行った。中を見ると、どうみても人工の星だ。
しかし、中には何もない。本当に何もない。人工物なら多少の制御装置などあるはずなのに。
「あれを!」
クージョが叫ぶ。そこだけ壁にくぼみがある。そこには
「魔法石だ…。」
風魔法で飛行し、くぼみに近づいたマミヤが言う。
ノーダがバリバリと魔法石をはがし、クージョが魔法でそれを包み、ゆっくりと地上に下ろす。
「砕けてはいますが、かなり純度の高い魔法石ですわ。」
つまり、この星は何らかの魔法を使ったアーティファクトだったということか。
いろいろ調べてみたが、魔法石以外は全く何もなかった。魔法陣が書かれた後もない。
「自動的に消える魔法陣もあるのよ。機密保持のためにね。」
結局、それ以上はなにも得るものはなく、調査は終了することにした。
魔法石は回収した。砕けているとはいえ、まだかなりの魔法力を残している。
ドラゴン娘たちの武器にするもよし、艦のエネルギー源にするもよし。大切に使わせてもらおう。
いよいよこの謎の金属を加工し、艦やMSの改修行う。
作業を始めたはいいが、エネルギー供給に限界があるのだ。艦のエネルギーは航行のためも無駄遣いできない。魔法力にも限界がある。
そのため、太陽光発電と合わせて、近くの小惑星帯からエネルギーとなる鉱物を採取、精製しながらとなったので、作業は3か月近くかかってしまった。
だが、かかった手間に見合うものができた。
宇宙最硬の金属でできた艦。
名前を決めた フリーダムフィールド号
MSは アームドドラグーン
そして超金属の名前はオリハルコンにした。安易? 知らない。
あと艦体が超強化されたのでラム(衝角)をつけた。ラムにはビーム発信器もつけており
突進攻撃 → 敵艦内部へMS侵入 → 白兵戦
という戦法を完成させた!
宇宙の海は俺の海!
白兵戦用の秘密装備はまだあるが……。
メーダたちのMSやドラゴン娘たちの装備(竜型パワードスーツ)などもオリハルコンで作った。
量産型の装甲については……また今度にし、星を離れることにした。
理由は二つある。
一つ目は、いくら人がいない宙域とはいえ、俺たちが長居すると不審に思われる。
最悪、この星の金属の加工に成功したことを知られかねない。
もう一つの方が深刻だ。
装甲オリハルコン化の作業時に分かった本艦の運営上の問題だ。
問題点は2つ。
1 エネルギー、物資の確保が困難
ワープエンジンは無限機関ではないので随時補給が必要。(基本は中継基地で)
中継基地が近くにあればエネルギーだけはヨーダ中将のおかげでタダで補給してもらえる。その代わりに地球までの航路のデータを提供することになっている。他のデータも何らかの形で吸い取られているかもしれないが…。
または恒星を見つけたら光電池で補給するか、惑星からエネルギーになる鉱物、化学物質を補給しているという効率の悪い状態だ。
2 人員の不足
メカニックロボットはいるが、ある程度の自律思考しかできない。
現場で臨機応変に対応できる中級指揮官となる人材が必要である。
人員は地球に帰ってから誰かスカウトすればよいと思っていたが、当面の人手不足解消の策が必要だ。
ドラゴン四姉妹も有能でどんどん仕事を覚えてくれているが、まだまだメーダたちに負担がかかりすぎている。
メカニックロボットは身長160cm、体重60㎏と標準的な大人くらいの体格(?)だ。
大量生産品、軍用品ゆえに特に装飾はない。(民間用のはもうちょい人間に近いデザインのものだそうだ。)
手、足、胴が伸び、背中のバックパックは、任務に応じ換装でき、地上から宇宙空間までありとあらゆる場所での作業が可能だ。
量産型MSはメカロボを巨大化したようなデザイン。
飾りっ気が全然ない。装甲もつけていない。戦闘時にだけ装甲と武装をつけるようにしている。
モーショントレースシステムを採用したのは操作の簡単さもあるが、装甲や武装とかをMSが『自分で取り付ける』ことができるようにするためだ。
最低限の装甲は作り付けしておいた方がいいとノージとビースは言ったが、MSの動きを制限する装甲は付けたくない。
これはMSを戦争時以外には惑星開発や拠点建築、造船など民需に使うためだ。
まぁ話し合った結果、危険な外宇宙にいる間はある程度の装甲はつけたままにすることにした。
これはアニメ好きの彼女たちの趣味の問題なんだろうな。
問題は、動作以外の操作(姿勢制御、火器操作、バックパック操作etc.)は脳波誘導で行うのでメカロボはMSには乗れないということ。
あらためてメカロボ用のMSを作る金も資材もない。
どうしても人間の乗組員が必要だ。
MSの装甲を新しくする際、各自の好みのデザインにすることにした。事後承諾で…。
既存の装甲より軽いので動きが良い。その上一切の攻撃が効かない。
「ビームッ!サァーベルゥ!」
「ヘッド…バルカァン!」
「ミサイル発射!!!」
地球人より脳波の弱いサーカ人のメーダたちは、脳波誘導の精度が落ちる。
そのため、音声入力も併用して行っている。…モロ、昔のロボットアニメである。
彼女たちのMSのデザインもどこかのアニメで見たような感じがするんだが……
「気に入っているようだから、別にいいけど…。」
なんで搭乗時に『とぅっっ!』とか掛け声出すんだ?
高位魔法使いであるドラゴン娘たちには魔法の詠唱は必要ないはずだが……
「ライトニングボルト!」
「ウィンドカッター!」
「ファイヤーボール!」
「アイスクルランス!」
理由を聞いてみた。
『もちろん、かっこいいから!』
あまりにも予想通りすぎてなんとも……。
それから、量産型MSの装甲の問題についてだが、メーダ達が何か考えているようだ。
どうも、合体とか変形とか、パワードスーツとかの言葉が漏れ聞こえるんだが…。
ドラゴン4姉妹も加わっているということは、魔法の力も使おうということなのか?
まぁ、それぞれの考えで艦内の改革に取り組むのはいいことだ。
「乗組員の件ですけど、傭兵の星がありますよ。」
艦内の人員不足を解決するために、矢上たちはある星に向かう。
そこは、有能な傭兵を多数送り出している星だった。
だが、それ以上に彼らを驚かせたのは…。
次回『もふもふの星』




