異世界召喚…いや、異星界召喚
異世界召喚。
召喚された者はチート級の力を得て、勇者として魔法と剣の世界とかで大冒険をする……
というのが鉄板。
まぁ、そんなのはありえない。
そんなふうに思っていた時期がおれにもありました。
ちょっと違うのが、召喚されたのが異世界ではなくて異星だった。
しかもとんでもない勘違いつきで。
俺の名は矢上利一。
30代前半のどこにでもいる普通のサラリーマンだ。
ホントに普通だ。
よくあるプログラマーとかブラック企業の社畜とかでもない。ごく普通の事務職。
何かのスポーツがすごくできるとか、特定分野の知識が豊富とかもない。
せいぜい少々空手と関連の武器術ができるくらいだ。
ややオタク気味だが、取り立てて詳しいオタク知識があるわけでもない。
そんな俺がある日、残業後の終電で寝ていたと思ったら…いつの間にか異星に召喚されていた。
巻き込まれ召喚かとも思ったが、召喚されたのは俺一人のようだ。
今いるのは……どうやら捕虜とかに尋問する部屋らしい。
自分を四方から見下ろすように一段上にある席から軍人らしき人々が見下ろしている。
まぁ、座り心地のいい椅子で、再度のテーブルには飲み物らしきものも用意されている。
手錠とかの拘束具もつけられていない。
敵対する意識はない…という意思表明なのかもしれない。
周りの席までの高さは2mくらい。よじ登ることはできそうだが、何らかの防御装置くらいはあるだろう。とりあえずおとなしくしておくことにしよう。しかし……。
『査問会みたいだな……。模範解答の表はもらえないのかな?』
正面には科学者然としたちょっと太めの男と、軍服らしきモノを着た美魔女風の女性の男が座っている。
右側には若い(見た目で判断しただけ)女性が二人。こちらも科学者のようだ。
反対側には軍人。男二人と若い女性一人。
若い女性たちは立っているところを見ると位が下の者なのだろう。
さて、今から何が始まるのか?
自分はどうなってしまうのだろうか……。
さて、普通の中年に差し掛かった男が異星に召喚されてしまいました。
彼はいったい何の目的で召喚されたのか?
どんな冒険が彼を待っているのか?
提督?魔法?艦隊?
いったい何が起こるのでしょうか?
次回もどうぞお読みください。




