天気予報士の憂鬱
「はい、皆さんこんばんは。今日の記憶予報です」
私、佐藤ユミ(28歳)はテレビカメラに向かって満面の笑みで言った。
スタジオの照明が眩しい。でも、もう慣れた。この仕事、5年目だから。
「明日午後、関東地方に元カノとの別れ話エリアが接近します。該当地域の方は、防水性の高い傘、もしくは耳栓をご用意ください」
カメラの向こうで、ディレクターの田島さんが親指を立ててる。
いいね、ってこと。
私は画面の天気図を指しながら続ける。
「また、夕方からは昭和40年代の主婦の記憶前線が東京湾を北上します。夕飯の献立に悩む記憶が予想されますので、お腹が空いてない方はご注意ください」
この仕事、マジでつらい。
放送が終わって、楽屋に戻る。
メイクを落としながら、鏡の中の自分を見つめる。
疲れてる。
いや、疲れてるどころじゃない。もう限界だ。
「ユミさん、お疲れ様です!」
新人ADの山下くんが、笑顔でお茶を持ってきてくれた。
「ありがとう」
「今日も完璧でしたね!」
「・・・そう?」
「はい!特に『耳栓をご用意ください』のところ、面白かったです!」
山下くんは笑ってる。
でも、私は笑えない。
だって、あれ本気で言ったから。
気象庁・記憶予報センター。
私の本当の職場は、ここだ。
テレビに出てるのは週に2回だけ。残りの日は、ここでデータ分析をしている。
「佐藤さん、おはようございます」
同僚の高橋さんが声をかけてきた。
「おはようございます」
「昨日のテレビ、見ましたよ。相変わらず上手ですね」
「ありがとうございます」
私は自分のデスクに座って、パソコンを立ち上げた。
画面には、今日の記憶予報データがずらっと並んでいる。
関東地方 - 元カノとの別れ話(確率78%)
東北地方 - 戦国時代の農民(確率65%)
関西地方 - バブル期のOL(確率82%)
こんな感じで、全国の記憶パターンを予測するのが私の仕事だ。
過去10年間のデータと、気象パターンを照合して、「今日はどんな記憶が降るか」を予測する。
最初は面白かった。
「すごい!記憶って予測できるんだ!」って思った。
でも、今は違う。
最近、予測が当たらない。
「佐藤さん」
課長の木下さんが声をかけてきた。
「はい」
「ちょっといいか?」
私は木下さんのデスクに呼ばれた。
木下さんは、深刻な顔をしている。
「昨日の予報、見たよ」
「はい」
「的中率、どうだった?」
私は、資料を見せた。
昨日の的中率:42%
木下さんは溜息をついた。
「...低いな」
「すみません」
「謝らなくていい。お前のせいじゃない」
木下さんは、窓の外を見た。
「最近、全国的に的中率が下がってる」
「はい・・・」
「先週なんか、30%切った地域もあった」
「知ってます」
木下さんは、私を見た。
「佐藤、お前、気づいてるだろ?」
「・・・何をですか?」
「予測不能な記憶が、増えてる」
私は、黙って頷いた。
昼休み。
私は、屋上で一人でおにぎりを食べていた。
空を見上げる。曇ってる。
今日の午後、雨が降る予定だ。
予報では「平成初期のサラリーマンの記憶」が降るはず。
でも、本当にそうだろうか?
最近、予測と全然違う記憶が降ることが増えてる。
例えば、先週。
予報では「江戸時代の商人」だったのに、実際に降ったのは犬の記憶だった。
犬。
動物の記憶。
そんなの、前例がない。
でも、報告が上がってきた。「散歩してる感覚がした」「匂いで世界を認識してた」って。
私は、上司に報告した。
でも、返ってきた言葉は。
「データの誤差だろう。気にするな」
誤差?
これが誤差?
午後。
私は、過去1ヶ月のデータを全部洗い直していた。
そして、気づいた。
異常な記憶の報告が、急増している。
動物の記憶。植物の記憶。そして...
無機物?
「これ・・・何?」
私は、画面をスクロールした。
「石の記憶を受け取った。何億年も動かない感覚」
「海の記憶。波の動き。でも、誰の視点でもない」
「空気の記憶?よくわからないけど、とにかく広い」
こんな報告が、全国から上がってきている。
でも、公式には無視されている。
「予測不能」として、データから除外されている。
私は、高橋さんに声をかけた。
「高橋さん、これ見てください」
高橋さんは、私のパソコンを覗き込んだ。
「・・・なんですか、これ」
「異常な記憶の報告です。動物、植物、無機・・・」
高橋さんは、顔を曇らせた。
「佐藤さん、これ・・・上に報告しました?」
「したけど、相手にされませんでした」
「そりゃそうでしょう。だって、これ・・・ありえないもん」
「でも、事実です」
高橋さんは、溜息をついた。
「佐藤さん、あんまり深入りしないほうがいいですよ」
「・・・どういうことですか?」
「上は、この件をなかったことにしたがってる」
「なぜですか?」
高橋さんは、小声で言った。
「パニックになるからですよ。記憶の雨が予測不能になったら、社会が混乱する」
「でも・・・」
「いいですか、佐藤さん。私たちの仕事は、人々を安心させることなんです」
高橋さんは、そう言って自分のデスクに戻った。
私は、呆然と座っていた。
その日の夜。
私は、残業していた。
オフィスには、私一人。
私は、もう一度データを見直していた。
そして、あることに気づいた。
記憶の発信源が、変化している。
従来の記憶の雨は、過去に生きた「特定の人間」の記憶だった。
でも、最近の異常な記憶は・・・
発信源が広域すぎる。
まるで、地球規模みたいに。
「・・・まさか」
私は、新しい仮説を立てた。
もし、記憶の発信源が「人間」じゃなくて、もっと大きな何かだったら?
もし、地球そのものが記憶を発信してたら?
「バカバカしい」
私は、自分で笑った。
でも、データは嘘をつかない。
私は、さらに深く分析を進めた。
深夜1時。
私は、ついに答えに辿り着いた。
記憶の発信源は、単一に収束しつつある。
つまり、全人類が同じ誰かの記憶を受け取り始めている。
その「誰か」は、人間じゃない。
もっと大きな、何か。
私は、震える手でメモを取った。
仮説:記憶の発信源は地球そのもの?
根拠:
1. 発信源が広域すぎる(地球規模)
2. 動物・植物・無機物の記憶が混在
3. 発信源が単一に収束している
結論:地球が、意識を持っている?
「・・・バカみたい」
私は、メモを丸めて捨てようとした。
でも、できなかった。
だって、これ以外に説明がつかないから。
私は、窓の外を見た。
雨が降り始めていた。
そして。
ドクン
記憶が、流れ込んできた。
暗い。
すごく暗い。
でも、怖くない。
ただ、痛い。
どこが痛いのか、わからない。
全部が痛い。
誰かが、私を傷つけている。
たくさんの誰かが。
「やめて・・・」
声が出ない。
いや、声を出してる。
でも、誰も聞いてくれない。
「痛いよ・・・」
少年?
少年の声だ。
泣いている。
「僕の体・・・こんなに痛いのに・・・」
何が見える?
森。燃えている。
海。汚れている。
空。煙っている。
「なんで・・・なんでこんなことするの...」
少年の声が、絞り出すように言う。
「僕、何か悪いことした・・・?」
「っ!」
私は、デスクに突っ伏していた。
息が荒い。
心臓がバクバクしてる。
今の記憶、なに?
少年?
誰?
私は、窓の外を見た。
雨が、ガラスを叩いている。
そして。
少年の顔が見えた。
「嘘・・・」
窓ガラスの向こう。
雨粒の中に、少年の顔がある。
泣いている。
こっちを見て、泣いている。
私は、立ち上がった。
窓に近づく。
少年は、まだそこにいる。
「誰・・・?」
私が問いかけると、少年はゆっくりと口を開いた。
でも、声は聞こえない。
ただ、唇の動きだけが見える。
「痛いよ」
「助けて」
「もう限界」
そして、少年の姿が消えた。
雨だけが、降り続けている。
次の日。
私は、課長に報告した。
「課長、昨日の記憶、見ましたか?」
「ん?見てない。どんな記憶だった?」
「少年が泣いてる記憶です。でも、普通じゃありませんでした」
「どう普通じゃない?」
「発信源が・・・特定できません」
課長は、眉をひそめた。
「特定できない?」
「はい。地球規模としか言えません」
課長は、溜息をついた。
「佐藤、お前・・・疲れてるんじゃないか?」
「疲れてません」
「いや、疲れてる。最近、予報の精度にこだわりすぎだ」
「でも!」
「いいか、佐藤。私たちの仕事は、完璧な予報を出すことじゃない」
「じゃあ、何ですか?」
「人々を安心させることだ」
また、同じことを言われた。
私は、何も言えなかった。
課長は、優しく言った。
「少し休んだらどうだ?」
「・・・休みません」
「佐藤」
「課長、私は科学者です。データが示してることを無視できません」
課長は、困った顔をした。
「・・・わかった。でも、あんまり騒ぐなよ」
「はい」
私は、自分のデスクに戻った。
高橋さんが、心配そうに見ている。
でも、私は気にしなかった。
真実を知りたい。
それだけだ。
その日の午後。
私は、テレビ局に向かった。
今日は、生放送の日だ。
スタジオに着くと、メイクさんが笑顔で迎えてくれた。
「ユミさん!今日もよろしくお願いします!」
「よろしくお願いします」
メイクをしてもらいながら、私は台本を読んだ。
「今日の記憶予報:関東地方は平成初期のサラリーマンの記憶」
でも、私は知っている。
この予報、当たらない。
最近の的中率は、40%以下だ。
でも、それを言うわけにはいかない。
「人々を安心させること」が私の仕事だから。
生放送、開始。
「はい、皆さんこんばんは。今日の記憶予報です」
私は、いつもの笑顔でカメラに向かった。
「本日、関東地方では平成初期のサラリーマンの記憶が予想されます。通勤ラッシュや残業の記憶が含まれますので、ご注意ください」
嘘だ。
こんなの、嘘だ。
本当は、何が降るかわからない。
でも、私は笑顔で続ける。
「また、夜には昭和の家族団らんの記憶も予想されます。心温まる記憶ですので、こちらは傘なしでも大丈夫かもしれませんね」
カメラの向こうで、ディレクターが親指を立ててる。
いいね、って。
全然よくない。
私は、台本通りに読み続ける。
でも、頭の中では、昨日の少年の顔が浮かんでいる。
痛いよ
助けて
もう限界
放送が終わって、楽屋に戻る。
スマホを見ると、課長からメッセージが来ていた。
「今日の放送、よかったぞ。このままでいい」
このままでいい?
このまま、嘘をつき続けろってこと?
私は、スマホを投げ出した。
「ユミさん、大丈夫ですか?」
山下くんが、心配そうに声をかけてきた。
「・・・大丈夫」
「顔色、悪いですよ?」
「大丈夫だって」
私は、無理やり笑った。
山下くんは、まだ心配そうだ。
「あの・・・ユミさん、最近の記憶予報、当たってないって噂、本当ですか?」
「・・・え?」
「ネットで話題になってるんです。『最近、予報と違う記憶が降る』って」
私は、固まった。
「SNSでも、みんな言ってます。『動物の記憶もらった』とか、『植物の記憶だった』とか」
「・・・そう」
「気象庁、何か隠してるんですか?」
山下くんは、真剣な目で私を見ている。
私は、答えられなかった。
だって、私も知りたいから。
その夜。
私は、自宅でパソコンに向かっていた。
SNSを検索する。
「記憶予報 外れる」
検索結果が、山ほど出てきた。
「今日も予報外れた。犬の記憶だったんだけど」
「気象庁、絶対何か隠してるだろ」
「最近、人間じゃない記憶多くない?」
「植物の記憶もらったんだが、光合成の感覚ヤバい」
「昨日、石の記憶もらった。マジで動けなかった」
私は、画面をスクロールし続けた。
そして、あるツイートで手が止まった。
「泣いてる少年の記憶見た人いる?誰あれ?」
リプライがたくさんついている。
「見た!めっちゃ怖かった」
「私も!なんか痛いって言ってた」
「あれ、誰の記憶なの?」
「発信源不明らしい」
私は、震えた。
みんな、見てる。
あの少年の記憶を。
私は、さらに検索を続けた。
そして、ある掲示板に辿り着いた。
「記憶の雨・異変考察スレ」
書き込みを読む。
「最近の記憶の雨、明らかにおかしい」
「発信源が人間じゃない気がする」
「もしかして、地球そのものが記憶を?」
「バカじゃね?地球に意識なんてあるわけない」
「でも他に説明つく?」
私は、書き込みを読み続けた。
そして、ある投稿で凍りついた。
「泣いてる少年、地球の意識説」
「あの少年、地球そのものなんじゃないか?」
「人類が地球を傷つけてる→地球が痛みを記憶として発信してる」
「だから、動物や植物の記憶も混ざってる」
「つまり、記憶の雨=地球の叫び」
私の仮説と、全く同じだった。
私は、椅子にもたれかかった。
「やっぱり・・・そうなのか・・・」
窓の外では、また雨が降り始めていた。
次の日。
私は、課長に直談判した。
「課長、お話があります」
「なんだ?」
「記憶の雨、異常が起きてます。このままじゃ、社会がパニックになります」
課長は、溜息をついた。
「佐藤・・・またその話か」
「またじゃありません!事実です!」
「事実でも、言えないものは言えない」
「なぜですか!?」
課長は、机を叩いた。
「いいか、佐藤!上からの指示だ!余計なことを言うな!」
私は、黙った。
課長は、疲れた顔で言った。
「お前の気持ちはわかる。でも、組織ってのはそういうもんだ」
「・・・」
「真実を言って、社会が混乱したらどうする?」
「でも、隠し続けることもできません」
「できるさ。今まで通り、適当に誤魔化せばいい」
私は、信じられなかった。
「課長・・・それでいいんですか?」
課長は、窓の外を見た。
「よくないよ。でも、他に方法がない」
私は、何も言えなかった。
課長は、小声で言った。
「佐藤、お前はいい科学者だ。でも、科学者である前に、公務員なんだよ」
「・・・」
「組織の一員として、行動してくれ」
私は、部屋を出た。
その日の夕方。
私は、屋上にいた。
空は、どんよりと曇っている。
もうすぐ、雨が降る。
私は、傘を持っていなかった。
もういい。
雨に打たれて、真実を知りたい。
雨が、降り始めた。
私は、目を閉じた。
そして。
ドクン
記憶が、流れ込んできた。
また、あの少年だ。
泣いている。
でも、今日ははっきり見える。
少年の後ろに、景色が広がっている。
森。でも、半分焼けている。
海。でも、油で汚れている。
空。でも、煙で曇っている。
少年が、こちらを向いた。
「痛いよ・・・」
少年の体に、傷がある。
たくさんの傷。
「みんな、僕のこと、嫌いなの?」
少年が聞いてくる。
「なんで、こんなに傷つけるの?」
私は、答えられない。
少年は、涙を流した。
「もう・・・限界なんだ」
「もうすぐ、壊れちゃう」
「その前に・・・みんなに伝えたくて」
少年が、震える声で言った。
「助けて」
「っ!!」
私は、屋上で膝をついた。
涙が止まらない。
あの少年、地球だ。
間違いない。
私は、立ち上がった。
そして、決めた。
真実を、伝える。
組織がなんと言おうと、私は科学者だ。
データが示す真実を、無視できない。
私は、屋上を駆け下りた。
次の日。
私は、いつものようにテレビ局に向かった。
でも、今日は違う。
台本を無視する。
生放送で、真実を伝える。
スタジオに着くと、ディレクターが声をかけてきた。
「ユミさん!今日もよろしくお願いします!」
「はい」
私は、いつもの笑顔で答えた。
でも、心臓はバクバクだ。
メイクを終えて、スタジオに入る。
カメラの前に立つ。
10秒前
5、4、3、2、1...
「はい、皆さんこんばんは」
私は、カメラに向かって言った。
「今日は、いつもと違うお話をします」
ディレクターが、慌てた顔をしている。
でも、私は続ける。
「記憶の雨、最近おかしいと思いませんか?」
スタジオが、ざわついた。
「予報が当たらない。人間じゃない記憶が降る」
ディレクターが、手でカットのサインを出している。
でも、私は止まらない。
「そして、泣いている少年の記憶」
カメラが、私を映している。
「あの少年は・・・」
私が言いかけた瞬間。
画面が、ブラックアウトした。
「佐藤さん!何やってるんですか!?」
ディレクターが怒鳴っている。
私は、呆然と立っていた。
放送は、緊急で切られた。
「謝罪テロップ流します!佐藤さん、ちょっと!」
私は、スタジオを出た。
廊下で、スマホが鳴った。
課長からだ。
「佐藤!お前、何考えてる!?」
「・・・課長」
「今すぐ帰ってこい!大問題だぞ!」
「すみません」
私は、電話を切った。
そして、テレビ局を出た。
外では、雨が降っていた。
私は、傘をささなかった。
もう、どうでもいい。
その夜。
私は、自宅で途方に暮れていた。
スマホには、課長や上司からの着信履歴が100件以上。
でも、出なかった。
テレビをつけると、謝罪テロップが流れていた。
「先ほどの放送において、不適切な発言がありました。深くお詫び申し上げます」
私は、テレビを消した。
窓の外を見る。
雨が、降り続けている。
そして。
また、少年の顔が見えた。
窓ガラスの向こう。
少年が、こちらを見ている。
でも、今日は泣いていない。
ただ、じっと見つめている。
私は、窓に近づいた。
「・・・ごめん」
私は、呟いた。
「伝えられなかった」
少年は、首を横に振った。
そして、唇を動かした。
「大丈夫」
「もうすぐ、みんなにわかる」
「もうすぐ・・・」
少年の姿が、消えた。
雨だけが、降り続けている。
私は、その場に座り込んだ。
もうすぐ、何が起きる?
答えは、まだわからない。
次の朝。
私は、課長に呼び出された。
「佐藤、お前・・・クビだ」
「・・・はい」
「わかってるのか?お前のせいで、どれだけ混乱したか」
「すみません」
課長は、溜息をついた。
「・・・でも、お前の気持ちはわかる」
「・・・え?」
課長は、小声で言った。
「俺も、見たんだ。あの少年の記憶」
私は、驚いた。
「課長も・・・?」
「ああ。だから、お前が何を言いたかったのか、わかる」
課長は、窓の外を見た。
「でも、俺たちには何もできない」
「・・・」
「組織ってのは、そういうもんだ」
私は、何も言えなかった。
課長は、私に封筒を渡した。
「退職金だ。持ってけ」
「・・・ありがとうございます」
私は、オフィスを出た。
外では、また雨が降っていた。
でも、今日は傘を持っていた。
まだ、終わりじゃない。
真実は、必ず明らかになる。
私は、そう信じて歩き出した。