きらきらなお菓子(チビとネコシリーズ)
本作は作品情報にあるように、私の色々な関連作と関わっていますので、できたらそれらもご一読いただいたらうれしいです。
はじめに
これはチビとネコとでかゴリラよばれる、オニともアクマみたいなヘンテコな三匹くみの話だよ。
チビとネコ、そしてでかゴリラについては、まえに書いた物語をよろしくね!
では、チビとネコとでかゴリラのお話のスタートです!
1
人間の世界で、10月のおわり。
チビとネコとでかゴリラは、「この年でいちばんのやさしい人さがし」をしています。
かれらは「クネヒト」とよばれる、サンタクロースの使い魔たちです。
サンタさんである「お館様」がクネヒトがしょうかいする、その年でいちばんのやさしい人にプレゼントをあたえるのです。
さがすほうほうは、このクネヒトたちが住む異世界で、むげんにある水たまりにうつる、わたしたちの世界をのぞいて、かくにんをするのです。
「あれ? この水たまり、なんか変だぞ。ちょっと暗いな?」
チビとよばれるクネヒトがある水たまりを見つけて言いました。
「なんでしょうね? ちょっとうつしてみますか?」
ネコとよばれるクネヒトが水たまりをスマホのがめんをなぞるようにさわります。
すると、なにやらわたしたちのいまの世界とはちがうものがうつりました。
「あで? なんだこれ? なんかむかしっぽいど」
でかゴリラとよばれるクネヒトが言います。
水たまりにうつったのは、どうやらむかしの日本のようです。
「お~い、この水たまりはなんなんだ?」
チビはちかくのクネヒトにたずねます。
ちかくにいたクネヒトはこたえます。
「あぁ、これは過去を見ることができる水たまりなんだ。『やさしい人』さがしのさんこうにむかしのやさしい人の人生が見られるんだ」
そう、この水たまりにくわしいクネヒトは言いました。
「あ、ちなみにこの水たまりはとびこんでも、その世界には行けないからな」
水たまりにとびこむと、その世界にクネヒトはじっさいに行くことができますが、この水たまりは見ることできるせんもんのようです。
2
「うん。これなんとなくわかるぞ! たぶん日本の大正時代のようだ。ちょっと前に人間の世界に行って、あのすごいアニメの映画を見たからな!」
チビとネコとでかゴリラは、この夏に人間の世界に行って映画館で、人間とオニのたたかいのアニメ映画を見に行き、かんげきし大泣きしました。(自分たちはオニみたいなのに)
とうぜんりょうきんははらっていないよ!
みんなはマネしないでね!
「あれより、すこし前っぽいですね。たぶん明治の中ごろくらいでしょうか?」
ネコがうつっている人々の服装や建物を見て言います。
どうやら、明治の中ごろの東京で、あるおじさんがうつっていました。
おじさんは菓子屋をしていて、いろいろなお菓子をせいさくしています。
「よしっ! これはうまくできたぞ! きっとおおく売れるはずだ!」
おじさんはちからづよいことばで言いました。
すると、このおじさんの家に10代半ばあたりの3人の少年少女たちが来ます。
「お父さん! あたらしいお菓子を作ったんですね!」
「おう! おまえたち、ちょっとこれを食べてかんそうを言ってくれ!」
この3人の少年少女たちは、このおじさんの子供たちのようです。
牛乳が入いった、水あめで、白くきらきらしています。
3人の子供たちは、それをいっぱい食べます。
「「「お父さん! これすっごくおいしい!」」」
子供たちのかんそうはいっしょでした。
3
おじさんのこのきらきらした牛乳入りの水あめは、おおいに売れます。
そして、おじさんは大家族です。
おくさんとそのおくさんのおかあさん。
小さな子供が、上から男の子、女の子、まだよちよち歩きの男の子。
さっきの少年少女たちは、おじさんの家に住まず、ふだんは学校の寄宿舎とよばれるところで生活しています。
なので、おじさんはたまに家にかえってくる、上の3人の子供たちには、このように売るためのお菓子を、いっぱい食べさせていました。
「このおじさん、かおはこわいけど、すごく『やさしい人』だな!」
チビが言うと、この水たまりにくわしいクネヒトがアドバイスします。
「これは過去をうつしているから、水たまりを左になぞると、この人の人生の前半が、右になぞると後半が見られるぞ」
「おではこのおじさんの若いときが見たいど」
そうでかゴリラがきぼうを出すと、チビは水たまりを左になぞりました。
「うわっ! なんだこれ!?」
江戸時代おわりの京都。
おじさん。
いえ、20歳くらいの若者が、どくろの紋がついた黒のはおりをなびかせ、赤い鞘から刀をぬきだし、まさに人を斬ろう、とするばめんです。
「この人、あの映画のオニ狩りの剣士だったのか?」
「チビさん、あいてにしているのは、あきらかに人間ですよ!」
ネコがぎらぎらした目の、それこそオニのようなかおをした、このおじさんの若いときを見て、こわさでぶるぶるします。
「や、やっぱ、さっきのところにもどすど!」
水たまりをさいしょに見た時代にもどしました。
「あ~、ビックリした。このおじさん、若いときは『やさしくない人』だったのかな?」
4
うつっているのはすこし時間がたった12月後半のクリスマスの時期。
菓子屋のおじさんは、牛乳入りの水あめを十字架や仔羊にかたどったものをいっぱい作っています。
「よしっ、クリスマスにはこれらをふだんよりも安く、いや、もうほぼただどうぜんで、各教会へ売ろう!」
おじさんはこの水あめだけでなく、焼き菓子もいっぱい作り、東京にいくつかある教会へプレゼントして行きます。
そのなかのある大きな教会。
おじさんは「会堂」とよばれる場所に行きました。
おじさんはちょっと前まで、ここではたらいていたのです。
この会堂の責任者さんがでてきます。
日本の人ではなく、外国の人のようです。
「コーツ牧師。今日のクリスマスには、これらを出席者たちにわたしてください」
コーツ牧師と言われた人はおじさんにお礼を言います。
「ありがとうございます。結城サン。この水あめはきらきらしていて、かたちもすばらしいですね」
こうして、この会堂でのクリスマス。
出席者たちにはおじさんの水あめをくばられ、そのきらきらさとおいしさに、みなおおよろこび。
「すごい! 水あめが十字架だ!」
「こっちは仔羊だよ!」
かたちもうつくしく、人々はこのきらきらな水あめをたくさん食べて、みんな笑顔です。
5
「すごいな! 結城さんというのか! このおじさんはすごく『やさしい人』だ!」
チビが水たまりを見てかんげきしています。
「さっきはむかしの結城さんを見ましたけど、この後の結城さんを見てみませんか?」
ネコがていあんすると、チビとでかゴリラはちょっとふあん。
さっきのようにまたこわいばめんがでてくるかも。
「いや、だいじょうぶだ! このおじさんのこの後を見てみよう!」
チビは水たまりを右になぞりました。
そして、3匹は結城さんのその後を見ていきます。
菓子屋をやめて、伝道師として、人々をおしえみちびくすがた。
その伝道師もやめさせられますが、なんのもんくも言わずにしたがうすがた。
山のなかでせいかつしますが、菓子屋をやめたあとに生まれた、いちばん下の女の子が、病気で亡くなるも、もくもくと山のせいかつをつづけるすがた。
そして、おじさん。
いえ、もうおじいさんとなった結城さんのさいごのばめんを、チビたちは見ます。
「オレは平和だ。なにもおもいのすことはない」
そう言って、おくさんにかんしゃの言葉を言って亡くなりました。
「この結城さん。すごくやさしいど」
でかゴリラがおんおん泣いています。
「そうですね。こんな人がいたんですね」
ネコもなみだがとまりません。
3匹とも、この夏に見たアニメ映画のようにかんどうしています。
「こんなに家族を、まわりの人たちをだいじにしていたなんて……。そうだ! この結城さんを今年の『やさしい人』にしよう!」
「きまったど!」
「あれ? なんかちょっとおかしい気がするのですが……?」
ネコの言うとおり、この結城さんは昔の人ですよ!
6
12月25日。
チビとネコとでかゴリラは、お館様に「今年のいちばんの『やさしい人』は結城無二三さんです!」、としょうかいしました。
お館様はあきれます。
「おまえたち。『今年のやさしい人』なのに、なんで昔の人をしょうかいするのだ?」
「「「あっ……!」」」
「それより、この夏に人間の世界に行って、映画をタダで見ていたな!」
「「「ひぇっ……!」」」
チビとネコとでかゴリラは、お館様から、きらきらではなく、ぎらぎらしたかみなりのような「お説教」という、プレゼントをうけるのでした。
というわけで、今年もしっぱいしたチビたちなのです。
きらきらなお菓子(チビとネコシリーズ) おしまい
お読みいただきありがとうございました。
「チビとネコ(とでかゴリラ)」もの。
これらはシリーズ化すべきかどうか迷っています。
ちなみのこの作品の投稿日(2025年12月20日)は「伝道師と為った、新撰組隊士 結城無二三伝(N3640KB)」のもう一人の主役、チャールズ・S・イビーさんの没後ちょうど100年になります。
「イビーさんが亡くなってちょうど100年か~。せっかくだから今年の『秋の文芸展』と『冬の童話祭』は関連付けちゃおう」と一種のコラボ作にしました。(イビーさんは出てないけど)
本年も私のマニアックな拙作の数々を読んでいただいた方々も、もちろんほとんど、というか全く読んでない方々にもお礼と感謝です。
あっ、最後に。
実はこの作品が記念すべき私のなろうでの50作品目になります!
来年の目標はもう50作書いて、合計100作を目指します!(ウソです。絶対できません!)
それではよいお年を!
【読んで下さった方へ】
・レビュー、ブクマされると大変うれしいです。お星さまは一つでも、ないよりかはうれしいです(もちろん「いいね」も)。
・感想もどしどしお願いします(なるべく返信するよう努力はします)。
・誤字脱字や表現のおかしなところの指摘も歓迎です。
・下のリンクには今まで書いたものをシリーズとしてまとめていますので、お時間がある方はご一読よろしくお願いいたします。




