プルサーマル[後編]
※この物語はフィクションです、実際の登場人物、組織、団体は現実のものとは全く関係ありません。
※この物語の主人公と同じことをしたら捕まります、現実とお話の区切りをつけて楽しく読みましょう。
※最近インターネット上での不正な利用が多発してます、多分。
作品の文章を権利者の承諾なくインターネットを通じて配信、配布することは法律で固く禁じられていたりするハズなのでご注意下さい。
ストーブの効き始めた保健室のベッドに、私は腰掛けていた。
私は筑衛投子。
髪は腰まで長く、目は居眠りができないほど大きく、縦長の顔で唇が少し薄くて、体はちょっとガリガリしていて背が高い。
そんな、貧相なカカシのような女。
現在、クラスの皆からいじめを受けている。
水浸しの制服をコンビニのビニール袋に入れ、落とし物のジャージに着替えた私は、私をこの保健室まで連れてきてくれた彼と話していた。
彼の名前は、両手花下義。
隣のクラスの男子生徒で、謎の慈善組織の一員。
見た目は白い学ランを着た、背の高いジョン・レノン。
私は、彼に気持ちを打ち明けた。
もう限界であることを、そして助けて欲しいことを。
そして彼は、私に質問した。
「フランチャイズの下僕という作品を知っているかい?」
フランチャイズの下僕。
それなりに読書が好きな私でも、そんな珍妙なタイトルの作品、知らなかった。
と、ここまでが、前回までのお話―
―
どんなに思い出してみても、記憶になかい。
フランチャイズの下僕。
奇っ怪なタイトルだなあ、と思った。
「世界名作劇場にもなった作品だ、日本でも有名なハズだけどなぁ」
世界名作劇場といえば、少公女セーラやあらいぐまラスカルなどが代表作のアニメのシリーズである。
そのシリーズで犬といったら、私に思い当たるのは一つしかなかった。
「それって…‥フランダースの犬、じゃ」
カーテンの向こう側で先生用の椅子に座っている彼に、恐る恐る聞いてみた。
違っていたら、すみません。
「そう、それだ。知っているね」
当たっていたようである。
しかし、どうやったらフランダースをフランチャイズと間違えられるのだろうか。
「じゃあ、なぜ、ネロは死んだんだと思う?」
彼は、真面目な口調であった。
語気が強く感じられたのだ。
「え…‥」
私はカーテンの方を向き、その向こうにいる両手花さんの様子を気にした。
何をしているのだろうか。
なぜ、こんな質問をするのだろうか。
私は突拍子もない質問に答えられなかった。
「彼は吹雪の夜に、町に出たから死んだんだよ。主張すればよかったのに、『こんな純朴な少年を殺す気か!』と。『一晩でもいいから泊めやがれ!』と。」
彼は呆れたように言った。
まるで、全てネロ少年が悪い、と言わんばかりの口調だった。
そんな、と私は思った。
彼の口にしたそれは、強いものの理屈だからだ。
選択肢のある人間の考えだ。
不幸の連続で、最後に選択肢が全てなくなった少年が、自分がどうしても見たかったルーヴェンスの絵を見に飛び出したのだ。
それの、何が悪いというのだろう。
「そうすれば、彼を画家としてスカウトしに来た奴が来るまでに生きれた、彼は選択ミスをしたんだよ」
私が黙っているので彼の言葉は続いた。
私には彼の言葉が全て理不尽に感じられた。
そして最後に「選択ミス」という言葉で、彼は不幸な少年を切り捨てた。
私はそれで核心した。
この人は、私を助けてくれない。
所詮、傍観者なのだ、と。
「でも、あの場合…‥」
「ん?」
ならば、私は傍観者に一言、言わなければいけない。
彼は悪くない、私をここまで連れてきてくれた。
だけど、やはり傍観者だった。
見て見ぬフリはいじめているのと同じ、とは言わない。そこまで私は頭が悪くない。
だけど、彼に、私は言いたかった。
弱い者の言い分を。
選択肢のない人間の、心情を。
ベッドに腰掛けていた私は立ち上がり、ベッドを覆っていたカーテンを開けた―
「仕方なかったんじゃないですか?私もよく話は知らないけど、あんなに不幸になったら―」
「世界が理不尽だから死んだのではない、弱いから死んだのだ」
私が言い終わる前に、彼は眼鏡のズレをくいっと直して反論する。
彼はストーブに両手を向けて、暖をとっていた。
因みにストーブの上には、ヤカンと白くて四角いお餅が置かれていた。
しかし、体は完全に先生の机の横のストーブの方向に向いていたが、彼のその瞳は、私の目を真っ直ぐに見ていた―
弱いから死ぬのは必然。仕方ないのだ。
彼もそう結論づけている。
結局、私は死ぬしかないのだ。
死ぬことでしか、救われないのだ。
「じゃあ私は、死にます。誰も助けてくれなかったし、私なんかいても仕方ないし、死んでも誰も悲しまないと思うし」
涙が、ぽろぽろと流れた。
もう、救われない。
なら、助けてくれなくてよかったのに。
こんなに中途半端なら、いっそ、最初から放っておいてけれた方が楽だったのに。
涙でよく見えなかったが、彼はそんな涙を気にもとめず、目を見開いて私を見ているだけであった。
「自業自得と思うなら、そう思って下さい」
最後の最後に突き付けられた現実に絶望した私は、涙と鼻水をジャージの袖で拭いながら、彼にこう言っていた。
「そうか、短い一生だったな。」
彼は、私の言葉を聞くとふうむ、と頷き、こう言ってストーブの方に視線を完全に移した。
私に対して、真横を向いている状態だ。
私は拍子抜けしてしまった。
それだけなのだろうか、私の死などは。
それしか、反応がないのか。
私の死に対し、そんなに短い言葉で処理するのか、この人は。
全く私が言えたことではないが、彼は普通ではない、と思った。
普通ならば死ぬ人の背中は、押さないはずだ。
「ただ投身自殺はやめておけ、この近辺の地価が下がる、学生達が落下死体を拝む可能性があるしな。電車や車に轢かれるのも止めろ、迷惑だ。首吊りも後処理が面倒だから止めろ」
彼はストーブの上で焼いた餅に醤油をかけて、ハフハフと冷ましながら食べている。
そして、餅を食べながら、起用に喋り、私がやろうと思っていた色々な自殺方法に規制をかけていく。
やれ、東尋坊もどうせ阻止されるから止めろ。
やれ、集団自殺も犯されるから止めろ、やれ、入水自殺も助けに入った人が道連れになるからやめろ…‥
エトセトラ、エトセトラ…‥
「じゃあ、どうやって死ねって言うの?!死なせてもくれないの?!ふざけないで!!」
私は叫んでいた。
彼の態度に、完全に頭にきていた。
久しぶりだった、こんなに叫ぶのは。
それくらいに、彼に理不尽を感じた。
弱いから死ぬ、周りは悪くない。
しかも、周りが悪くないので、周りに迷惑がかかる楽な死に方が選べない。
完全自殺マニュアルの九割くらい規制されたであろう、多分。
「ふざけてなどいない、死ぬ人間が生きる人間の足を引っ張るな、と言うことだ。そうだな、まあ樹海だな、しっかり遺書を書いて、樹海で頸動脈を切る。それにしておけ」
彼は酷く淡々と言い放った。
ジョン・レノンのような出で立ちの少年が白い学ランを着て、保健室の先生の椅子に座り、餅を食べながら、弱者は自業自得だから周囲に迷惑のかからないように死ね、と相談者に語っている。
オノ・ヨーコが勘違いしたら、本当に驚くような光景である。
「そう、しときます!」
私はジョン・レノンもどきに向かって叫んでいた。
普段から声を出していないため、あまり、大きな声が出ないが、私は叫んだ。
もう、何もかもが嫌であった。
彼には悪いが、やはりこの校舎の屋上から投身自殺をしてやろう。
「全く、死にたい願望の強い奴だ。一つだけ――状況を打破する方法が一つだけ、あると言うのに」
ジョン・レノンもどき、もとい両手花さんはいつの間にか私に背を向けて机に向かっていた。
そしてストーブで温めたヤカンから出したお湯を使い、マグカップを使用しコーヒーを作っていた。
用意のいい人だ、というか、どこに餅やマグカップやコーヒーがあるんだろう。
と、そんなことより、私は耳を疑った。
「え?そ、そ、それって、え?」
状況を打破する?
どうすればいいの?
私がアタフタとして質問しようとするよりも早く、彼が私に言う。
今度は全身を私の方に向けて、両手は膝の上で、瞳を大きく見開き、全く微動だにせず。
そして、彼は言った―
「死ぬんだよ」
え?
私は耳を疑った。
何を言っているのか、意味が分からなかった。
死なない方法を、助かる方法を、なんとかなる方法を彼は教えてくれる流れではないのか?
私は、死ぬのか?
「だから一回、死んだと思うんだよ。君は今、私に殺されたんだ。ナイフで、心臓を刺された。想像してみて下さい。」
彼が言うに、私は彼に殺されたらしい。
意味が分からない。
「え?」
私は何も言えなかった。
だが、彼の言葉の上では、もう私は死んでいる。
呆気ない最後だった。
「四肢はもがれ、その肉塊はあとで変態共が美味しく頂きました。そう、お前は死んだのだ。」
しかも彼は、ジョン・レノンもどきの殺人鬼はあろうことか変態どもに私の肉塊を与えて、タレをかけてステーキにして出しやがった。
最低だ。
やはりトイレにも、ただただ覗きに来たに違いない。
この人は、そういう人なのだろう。
理不尽過ぎる。
いや、理不尽などという言葉で片付けられないシロモノだった。
私は殺され、辱めを受け、尚且つ、変態どもに食されてしまったのだ。
「さあ、お前はもうさっきまでの投子じゃない。お前は新・投子だ。好きな風にやればいい、やりたいように生きればいい。君は自分の好きなように、生きていいい」
それが、その惨劇が彼の言葉の上だけのことであることを、私が忘れてしまうくらい、衝撃的な洗礼であった。
そう、彼の言葉は、私を生まれ変わらせたのだ。
私は、彼の言葉に、ハッと我に返る。
「さあ、生まれ変わった君はまず、何がしたい?何でもいいんだ、君がまず、したいことを、するんだ」
他人が何かをしてくれるだろう、他人が助けてくれるだろう、という甘ったれた気持ちで何もしなかった私は確かに、さっき死んだ。
そして、私は生まれ変わったのだ。
この少年、両手花下義によって。
「私はあのクラスが嫌い。いじめをする奴らが、それを見て見ぬフリをする奴らが大嫌い――」
本音が口をついて出る、もう我慢はしない。他人には頼らない。
怖いものなど、ない。
私は、彼がポケットから取り出し、差し出してくれたチョコ味のカロリーメイトと苺味のソイジョイを二本ずつ食べると、保健室の冷蔵庫を思い切り開けた。
「だから…‥」
冷蔵庫の中には冷えた1.5リットルペットボトルのアクエリアスをがぶがぶとラッパ飲みする。
口から数適こぼれジャージに落ちるが、気にしない、気にしない。
どうせ他人のジャージ、事が終わったら洗って返すし。
別に、今からボロボロになると思うし。
「ぷはぁ…‥だから、破壊する」
そう、私は破壊する。
そして示すのだ、私を一度殺したこの世界に、私が、この筑衛投子が生きていることを、存在することを。
私は、宣言した。
ソイジョイとカロリーメイトをアクエリアス1リットルで流し込み、栄養補給完了。
本当はご飯が食べたいが、食べていたら時間がなくなる、忙がねばならない。アドレナリンやドーパミンが、多分多量に出ているのだろう。
脳内麻薬とはよくいったものだ、まるで世界が違って見える。
今まではモノクロに見えていた校舎が、今、生まれて初めて総天然色に映った気がする。
そして、私は周囲を見回す。
「これで、いいかな?」
私は床に打ち捨てられていた、小さな鉄アレイを拾う。
4Kと書いてあった。
よし、これを使おう、丁度よい重さである。
「エモノは、デカイ方がいいぞ」
彼は、私が座っていたベッドに向かい歩き、座りこむ。
獲物?
それは、獲物は大きいが、言われなくとも。
「武器だ、武器。まぁ、頑張れよ。アディオス」
彼はそう言うと、空いているベッドに横になり布団を被った。
ああ、エモノとは、武器のことか。
分かった、ならば野球のバットも使ってしまおう。
運よく、壁に立てかけてあるし。
武器は多いに越したことはない、ハズ。
そうだ、これを取り上げられたら、アレを使おう。
私は、布団の中の彼に一礼すると踵を返し、廊下を走り出した。
さよなら、私を殺してくれた変態―
――
あの日、その後起こったことだけを話そう。
私は4キログラムの鉄アレイと鉄バットを手に自分の教室に乱入、運よく実習になっていたため教師のいらん介入が入る前に殆どの目標を達成することが出来た。
まず、消火剤を噴出している消火器を投げ込み、教師の後ろの入口のガラスを叩き割った。
後ろが消火剤で真っ白になっており、私の目論み通り教室は混乱に包まれた。
そしてそのスキに私は武器を持ち直し、鉄バットで前の入口をガラスで叩き割り、教室に入場。
靴を履いた私は床に散らばる無数のガラス片をものともせず、黒板に向かって鉄バットを振るい、深い緑色の板を歪ませた。
女子生徒は悲鳴をあげ、二、三人が教室から飛び出していった。
ガタイのいい男子生徒が数人、私を静止させようと背後に迫ろうとするが、あまりに気前よくバットを振っているため、攻めあぐねるばかりであった。
弱い。武器をもった男子は怖いが、武器をもたぬ男子は武器をもつ女子に勝てぬのか、とその時は思った。
そして私はクレータが出来た黒板に唾を吐きかけて蹴飛ばすと、バットを思い切り振るい男子生徒と机を払いのけて窓際に走る。
そして、窓ガラスを破壊した。
砕け散ったガラスが三階から飛び散った。それが刺さった怪我人は、いなかったらしい。
私はそんなこと、考えられなかった。
もう完全に軸が歪みL字に近い形になったバットを、天井に投げる。
投げ捨てられたバットは目標である天井に備え付けられたスプリンクラーに直撃した。
スプリンクラーが勢いよく水を放射している教室の中で、私は鉄アレイを握りしめいじめグループの女子AとデブBの机を、4キロのアレイで数回叩き、小さなクレータを作る。
本人達は、最初に消火剤がまかれた時に、そそくさと逃げていた。
名前なんか完全に忘れた。
これから覚える気もない。
最早使用不可能になった机を尻目に、私は数人の男子に取り押さえられそうになった。
もう武器が鉄アレイだけなので、何とかなると思ったのだろう。
甘い。
男子という生き物は、総じて腕っぷしだけで頭が悪い。
そして女が股を開けばすぐ言うことを聞き、いじめにも喜んで参加しやがる。
自分よりも弱い女を、平気で数人で囲みやがる。
バカが。
だから、いじめはなくならない。
別になくならなくてもいい、また私を標的なんかにしてみろ、次はお前達自身をの教室のようにしてやる。
「エモノは大きいほうがいい」
という彼の言葉を思い出しながら、私は最後の手段に出る。
ポケットに隠し持っていた防犯アラームを三つ起動させ、男達を一瞬だけひるませる。
耳をつんざくような音の中、私は近くにあった机の足にあたるフレームに手をかけ、握りしめ、振り上げた。
後は、その机を武器に男どもを牽制しながら教室の机を叩いていく。
破壊。
破壊。
破壊。
スプリンクラーから放射される水。
消火剤がぶちまけられた白い床。
飛散する文房具。
教科書。
化粧品。
避妊具。
週間少年ジャンプ。
エトセトラ、エトセトラ…‥
そんな混沌とした教室の中で、全ての人が私にくぎ付けになる。
騒ぎを聞き付けた隣のクラスの人達、元々のクラスの人、殆どの人が教室の外から私を見ていた。
見ておくがいいよ。
そして、網膜に焼き付けてほしい。
生まれかわった私の存在を。
私はもう、他人に助けを求めない。
私はもう、嘆かない。
私はもう、悲しまない。
私はもう、さっきまでの弱い私ではない。
生まれ変わったのだ。
そう思いながら私は、破壊を続けた。
そして、私はその日、最後の最後、数人の体育教師と野球部に取り押さえられるまで、机を振り回していた。
生まれ変わった私を、かつて私を排除した世界に見せつける。
私の初期目標は、完全に達成された。
ただ、一点、いじめグループの頭である影出責留子を倒すことが出来なかったのが、私の最大のミスである。
彼女だけは、一発殴りたかった。
いや、本当は机でボコボコにしたかった。
停学期間を無事終えたら、確実に次は潰す。
まずは様子を見て、また私に突っ掛かるようなら、容赦なく私は奴を潰す。
守りに入ったら、奴は私をまた舐めてかかる。
だから私は、もう守りはいらない。
言い訳もしない、言い訳のために生きる気もない。
だから、私の戦いは終わらない。
続く、続いていく。
私が、生きている限り。
私は、戦い続ける――
私、両手花下義はそんな騒動の中、保健室のベッドで眠っていた。
「ふぁ~」
餅も結構食べたし、冬だけど暖房が効いているし、何より今、向こうは授業どころの騒ぎじゃないだろうから、静かに寝ていられそうだった。
また私は、人を助けたのかな。
助けるという表現はおこがましいと、いつも私は思っている。
助かったのは、彼女自身の力だ。
「ん~でも、彼女。やっぱり相方が必要なんじゃないかな」
隣のベッドから、ボイスチェンジャーで変換された声が響く。
そう、彼こそが私達の組織の一番上にいる、一番偉い人。
総統である。
姿は、見たことがない。
しかも、私の思考を読まれている。
「総統も、そう思いますか」
声のする方のカーテンに向かい、僕は言う。
「うん、彼女は『机』の属性持ちだから、少数派の中の少数だし」
淡々と、総統は機械で変換された声で語る。生の声など、私も聞いたことがない。
属性というのは、例えばルールに厳しい『定規』とか、『ストーカー』とか、今日の筑衛さんの『机』とか、そういうおおざっぱな分類。
メジャーなのが「ツンデレ」とか「眼鏡」とか「メイド」ね。
君達の好きな人も、この属性という「記号」で大体分けられるでしょう?
でも、「机」や「ストーカー」とかのスキマ属性は少数派の人間だから、共に生きる「相方」が必要になってくる。
だから今日の投子さんにも、相手が必要だと総統は考えたんだろうね。
私もそう思うよ。
相方は、多くが異性だ。
因みに私は「両手に花」のスキマ属性をもっている。
二人を愛してしまう体質なんだよね。
でも今は相方が、恋人いる、勿論、二人ね。
ん?しっかり相手二人の了承を得てるし相思相愛だよ。
まあ、私の話はいいんだ。
話を戻そう。
私が所属している秘密結社「スキマクラブ」は、そんなスキマ属性の人間達の生活を陰からサポートする集団。
例えば「迷った猫」と一緒に「助けてくれた恩人」の居場所を探してあげたりとか、「鞘」に「刀」の居場所を教えたりとかしてる。
あ、でもスキマ属性の人が上手く生きていけるかは本人次第、あくまでサポートが目的だからね。
今日の投子さんの物語は、最終的に投子さんの力でいい方向(?)に向かっていったし。
ん?
君もスキマ属性なのかな?
なら、ここに電話するといい
00…‥
「君は一体、誰に説明しているんだい?両手花くん?」
あ、総統のツッコミだ。
それもそうだね、寝よう。
おやすみ。