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この異世界に救済を  作者: 秋月良羽
第一部 アルーラファル国フロンティラ領~変わり者の領主と防衛戦~
97/215

第97話

『この異世界に救済を』以外にも以下の作品を投稿しています。


『水晶』(「小説家になろう」で投稿中);https://ncode.syosetu.com/n5361ga/


『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中);https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


興味のある方は、ぜひ読んで見てください。


宣伝以上。


前回までの『この異世界に救済を』のあらすじは、フロンティラベルトを拠点にスペーグラ活動を再開する有輝とイルアーナ。二人のギフトを狙ってアルーラファル王国がフロンティラ領へと侵攻してくるのであった。二人はその戦いに参加するのであった。

 一方で、とある場所。

 そこにはハムムドを先頭にドロドロとした物体を見に纏ってしまい、意識を失い、自我があるのかすら分からないアルーラファル王国軍の兵士が進んでいる。

 ハムムドに率いられながら―…。


 (……フロンティラ領軍を潰す。)


 自らの心の中で思っていることを実行するために―…。

 すでに、自我という自我のほとんどは失い、理性すらはたらかなくなっていた。

 そんななかでも、自らのやるべき事を本能の、いや、コピーギフトの命令のままに実行しようとする。

 その時に―…。


 「ふざけるなぁ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!」


 と、イルアーナさんの声が聞こえたのです。

 イルアーナさん―…。

 あなたがドロドロとした物体を見てしまって叫んだことが、有輝とイルアーナさん自信を不利にすることだってあるのに―…。

 そう、有輝はドロドロとした物体を探ろうとして、ドロドロとした物体のあると思われる場所へと向かい、逃げたい感情のあったイルアーナさんは絶対に出くわしたくない場所に来てしまうのだった。

 その時にあげてしまった声が、ハムムドに聞こえてしまったのだ。

 最悪だよ。

 だけど、関数シュミレーションの言っている通りになってるんだよ!!!

 ということで、イルアーナさんにとっては嫌いな展開になるでしょう。

 「主導者」のギフトを持っているイルアーナさん、使い時ですよ。

 ということで、話の内容に戻りましょう。


 (…………………………………こ…………………………え。)


 ハムムドはイルアーナさんの声を聞いて、声だと認識する。

 語る必要もないかと思われますが、今のハムムドの状況は自我という自我をほとんど失っており、何とか考えているような状態なのだ。

 だけど、そういう状況にあるからなのかよくわからないのですが、ハムムドは感覚というか勘というのが一時的ではあるのですが、研ぎ澄まされているようなのです。

 後で、私と同僚が分析した結果なのですが―…。


 (…………あっち。)


 ハムムドは、イルアーナさんと有輝のいる場所へと向かって行くのであった。

 そのスピードは決して速いというものではなく、のろ~りのろ~りとしながら―…。

 だけど、そんなゆっくりな雰囲気であっても、恐怖に変わりない。

 そして、ハムムドの後ろにいるドロドロとした物体に覆われて自我を失ったアルーラファル王国軍も、ハムムドに率いられる形で動くのであった。

 その動きを見た者たちは、こう思うでしょう。

 ドロドロの波や―…。

 チーン。

 ……………………………受けないし、そういう場面じゃない、空気を読め。

 はい。

 有輝とイルアーナさんは、ある意味で、関数シュミレーション通りに動いています。



 ◆◆◆



 「あんたねぇ!!!

 ふざけるんじゃないわよ!!!

 ドロドロとした物体が危険だと言いながら、なぜ、危険物に向かって行くのよ!!!」


 場面は変わって、イルアーナさんと有輝のいる場所。

 ドロドロとした物体が目視可能な場所へとやってきていた。

 それと同時に、有輝はドロドロとした物体を間近で見ておく必要があると感じたのだ。

 ドロドロとした物体に近づくことをイルアーナさんが許すと思いますか。

 いや、許しません。

 なので、このように、有輝を問い詰めているというわけです。

 分かりやすい。


 「いや、見ておく必要があるからな。

 それに、こっちに向かう方が俺たちが生き残れる確率も高いし、フォングラの崩壊を食い止められるんじゃないか……って。」


 「アホだわ。

 そんなことを関数シュミレーションが予測なんてしてたら、どんだけ嗜虐性に富むシステムなのかしら―…。

 フォングラ崩壊を阻止したら、一発ぶっ飛ばしてやるわ!!!」


 イルアーナさん。

 そのことをすでに関数シュミレーションは予測していますからねぇ~。

 というか、そういうことも頭の中で浮かばないほどに、ドロドロとした物体に近づいた有輝の行動が許せないのでしょう。

 危険に近づかないのはスペーグラにとって大事な素質ではありましょうが、残念ながら、今回は近づくことが重要であったりするんです。

 本当に、人生とは正しいと思っていることが、ある面では最悪の選択にもなったりすることがあるんです。私の経験則でもそうですし―…。

 具体的に説明する時間はありますが、それをするとかなり長くなって、欠伸をしたり、眠りこけたりする人が多くなりそうなので、省略させていただくことにします。

 では、話を進めていきましょう。


 「まあ、それはフォングラ崩壊が阻止された時な―…。

 それと同時に―…。」


 有輝の目がかなり真剣な表情となる。

 有輝は分かっているのだ。

 ここに、敵が近づいてきていることが―…。

 勘の類でしかないが、それでも、気を付けないといけないことを―…。

 そして―…。


 「見……つ…………け…………………………た。」


 そう、ハムムドが有輝とイルアーナさんのいる場所の近くにその姿を現わすのだった。

 ドロドロとした物体を伴いながら―…。


第98話 に続く。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正していくと思います。


次回の投稿日は、2024年7月20日頃を予定しています。

では―…。

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