第39話
『この異世界に救済を』以外にも以下の作品を投稿しています。
『水晶』(「小説家になろう」で投稿中);https://ncode.syosetu.com/n5361ga/
『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中);https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138
興味のある方は、ぜひ読んで見てください。
宣伝以上。
前回までの『この異世界に救済を』のあらすじは、フロンティラ領の領主ハルバーラ=フロンティラからの指名依頼により、フロンティラベルトの郊外にハルバーラが忘れた宝箱を取りに行くが―…。そこには、有輝とイルアーナのことを狙う人物がおり、その人物と交戦となるが―…。
試験に合格となり、二人はその狙っていた人物とともに、領主執務室へと戻るのであった。
どういうこと?
有輝とイルアーナさんは―…。
(なぜ、俺らは領主室に戻ってきているんだ。)
(ぐぅ~、あれは、私たちを試すための試験だったなんて―…。
良くも私をそのような屈辱的な目に遭わせてくれたわねぇ~。
この借りは絶対に、倍にして返してやる!!)
領主執務室へと戻ってきていたのだ。
どういう理由で戻ってきたのか、いまから見ていくことにしようではないか。
では―…。
―試験って―
有輝は動揺しているのか、言葉を詰まらせながら言うのだった。
驚き以外には何もないでしょう。
―試験です―
エバグリドはいたって、冷静に普段会話している通りに返事をする。
その間、イルアーナさんは思考停止状態になっていますが―…。
―宝箱は回収しますね。達観有輝君とイルアーナ=レイスリさん、私と一緒についてきてください。さっきも言いましたが―
そういうわけで、有輝とイルアーナさんは二人でヒソヒソ話のようなことをする。
そのものなんですが―…。
―どうするのよ!!! 試験に合格って何!!!―
イルアーナさんは苛立った様子をしていた。
さっきまで、思考停止状態だったのに―…。
まあ、彼女、優秀なのは間違いないのですが、自分勝手なところがあるもんで―…。
―どうするもこうするも、試験と言っていることから、俺たちを試そうとしているのは確実だろ。そうなると、なぜ、そのような試験をする必要があったか…だな。その理由をしっかりと聞くしかない。俺たちに、エバグリドについていかないという選択肢はないということだ―
イルアーナさんは、有輝の言葉に対して、不満を抱きながらも仕方ないと思うのだった。
さて、時を戻して、現在。
コンコンコン。
「誰だぁ~。」
「エバグリドです。達観有輝とイルアーナ=レイスリを連れて戻りました。」
「そうか、入ってくれ。」
エバグリドは領主執務室のドアを開け、有輝とイルアーナさんを部屋の中に入れるのだった。
意外にも紳士なんですよ、エバグリドさんって―…。
エバグリドという呼び方も多いかもしれませんが、時々、何かの拍子に、エバグリドさん呼びをするかもしれませんので、悪しからず―…。
さて、話を戻して、進めていくことにしましょう。
ということで、話し合いになりましたとさ。
「ふむ、ソファーがあるから、そこに座ってくれ。」
と、ハルバーラに言われると、有輝とイルアーナさんは、ソファーに座るのだった。
一方、エバグリドは、自らの地位というか立場がある以上、立ったままハルバーラの話を聞くのだった。
理由は、急な襲撃があった場合に備えて、である。
ハルバーラも有輝とイルアーナさんが座った後に、対面になるように設置されているもう一方のソファーに座るのだった。
「では、今回の指名依頼の経緯から話させてもらうことにしよう。」
ハルバーラは今回の指名依頼に関することを話し始める。
要約は、ハルバーラが言った後にするので、ちゃんと聞くように―…。
一回、間をおいて―…。
「今回、達観有輝、イルアーナ=レイスリ、二人がここに来るという情報は、私の勘だ。」
ハルバーラの言葉に、有輝もイルアーナも驚くのだった。
「勘って―…。」
イルアーナさんにいたっては、唖然としているという感じで表現した方が良いかもしれない。
漫画で言うところの口をポカーンと開き、目は楕円だけになっている。そんな感じを思わせる。
私、その映像を見た時、アホな顔、と思って笑ってしまいました。
ガハハハハハハハハハハハハハハハハハ、って!!!
まあ、そんなことはさておいて―…。
「ただし、勘違いしてはいけないが、勘と言っても、根拠がないわけではない。
俺は、アルーラファル国の現国王アルーラ=タンガルドに嫌われているのだ。
理由は、俺が昔、アルーラファル国の首都にある国立の研究学校の中等後期課程の時に、成績がアルーラ=タンガルドよりも良くてなぁ~。
皆、あの国王に何を言われていたのか分からんが、あの国王と俺以外、なぜか定期テストは学年の奴らは欠点を取ってばかりいたのだ。
それを先生が注意することもなく、なぜだろうか、と思ったが―…。
まあ、俺が満点を取り過ぎたので、ずっと恨まれたままというわけだ。
俺が領主になってからずっと、重要な会議の情報をくれなかったり、指令が伝達されていないのに、指令を実行しないのは良くないとか、文句ばかりを言ってくる。
理由は、俺をこのフロンティラ領の領主の地位から貶めたいという動機からであろう。
まあ、そんな簡単に領主の地位なんか降りてやる気はない。
この領地には、俺のことを迷惑がっている奴はいるだろうが、そいつらでも俺は愛しているし、領主であることを認めてもらっている。
お前らも、領民の俺のことがどう評価されているのか聞いてみると良い。
さて、話が逸れそうなので、戻すが、俺は国王からの命令や本当は何をしようかするのを探るために、まあ、いろいろと伝手とか道具とかを使って、情報を集めていたりするんだ。
その中で、グルアルラ国のシャルーラから逃げてきたとされる二人組、名前は達観有輝とイルアーナ=レイスリがいると聞いたんだ。
そして、君たち二人がアルーラファル国に逃げてきたというところまで情報を仕入れた。
後は、ここに来るだろうというのはその時、私が抱いた勘であり、それは、私の持っているギフトによって示されていた。」
え~と、ここで補足を大量に入れないといけないので、入れていきます。
まず、ハルバーラ=フロンティラは結構、頭の良い人物でありますが、変に空気を読まないところがあります。
そして、アルーラ=タンガルドは、頭があまり良くなく、自尊心も高いので、自分が一番でないと気が済まない性格をしています。
この二人の性格をちゃんと理解したぁ?
重要になるかもしれないので、ちゃんと理解しておきましょうねぇ~。
さて、なぜ、ハルバーラ=フロンティラが有輝とイルアーナさんがフロンティラベルトに来るかは、事前の語りでも入れているので、ここで説明する必要はありませんし、ハルバーラの言葉で分かると思います。
要は、割愛ということですよぉ~。
さて、真面目に進めていかないといけない。
フロンティラ領の領主であるハルバーラ=フロンティラは、有輝とイルアーナさんがアルーラファル国に入った時点で、ここに来る可能性はハルバーラのギフトの能力によって示されていたので、勘とハルバーラ自身は思っているようだが、二人に関する情報を収集していたのだ。
領主クラスなので、裏の仕事をなす者もおり、その中の情報収集の得意分野の者たちをグルアルラ国のシャルーラに向かわせ、集めてもらっていたのだ。
連絡する方法はいくらでもあるので、そのうちの一つを使い、情報を届けている。
この言葉の中で、重要な面で驚くのだった。
有輝とイルアーナさんは―…。
(ギフトを所有しているのは、指名依頼の話の時に聞いているけど。
ギフトを所有しており、能力を有していることだけで、具体的なことは言っていない。
俺らがここに来るとわかったのは、ギフトの能力によるものだ。
未来予知関係の能力か?)
と、有輝は心の中で思っているようですねぇ~。
(ギフトの能力が関連しているのは分かっている。
私をこのような変な試練に合わせた理由を話しなさい!!!)
イルアーナさんはまだ、お怒りのようです。
二人とも、ハルバーラのギフトは未来予知関係だと思っているようだ。
まあ、そう予測するのは、二人の知っている情報からではそうなってしまうよねぇ~、という感じだ。
「私のギフトの能力を言っておいた方が良いだろう。
私のギフトの能力は、「開拓者」だ。」
このハルバーラの言葉に有輝とイルアーナさんは予想外のことを言ったので、驚くしかなかったのだ。
その二人の状態を見ても、すぐに、話を続ける。
「私のギフト…「開拓者」の能力は、これからの未来がどうなるかを示したり、挑戦していることの大事さを説くことがある。
そして、導かれるべき道というものを示す。
イルアーナ=レイスリの「先導者」の能力と似ている面はある。
そういう能力だ。
達観有輝…、君の能力に関しては分からないのだが―…。」
敢えて、自分のギフトの能力を口にするのだった。
誰が盗み聞きしているのか分からないはずなのに、有輝とイルアーナさんに教えるのだった。
これには、ちゃんとした狙いがあるのだ。
ハルバーラは分かっている。
この後―…。
「そちらがギフトの能力を教えるので、嘘であるかどうかというのをはっきりと確認させてください。
ギフトの能力で、嘘…は言っていないですよね?」
さっきの指名依頼で騙したことに対する、仕返しである。
向こうは嘘を吐いてきたのだから、こちらは疑っていますよ、ということをアピールしているのだ。
そして、そこから信頼できるものを提示しろと―…。
(……信頼ねぇ~。まあ、俺としては、達観有輝とイルアーナ=レイスリを使って、ろくでもないことを企んでいるわけじゃない。
俺のギフトの能力もしっかりと教えているからなぁ~。
だけど、指名依頼で騙して、実力を見た以上、彼らからすれば、俺を信頼できないのは当たり前のことだ。
さて、信頼のおける言葉を言わないとなぁ~。)
と、ハルバーラは心の中で考える。
有輝とイルアーナさんの信頼を得るために―…。
それは数秒の中で頭に思い浮かび、冷静な表情をした上で、言い始める。
「信頼というものは、一度、指名依頼で騙してしまった以上、回復するのは難しい。
私としても、領主であり、君たちは他国とは言え、お尋ね者みたいである以上、どうしてもどういう人物で、戦闘力があるのかを確かめておかないといけない。
君たちには済まないことをした。」
と、ハルバーラはソファーから離れ、有輝とイルアーナの方に向かって、土下座をするのだった。
有輝は、リアルで土下座する人を始めて見た。
(リアルにいるのか。ドラマや映画での出来事だと思った。)
という、感想をこの時、有輝は抱いたとさ。
まあ、土下座するシーンなんて、現実に見ることはあまりないからねぇ~。
イルアーナさんの方は、何かを言おうとしたけど、エバグリドの圧に何も言えなくなるのだった。
エバグリドの方は、もっとしっかりと土下座をしろ、心の中で思っているのだった。
エバグリドさん~、意外に厳しいっすねぇ……。
なぜか、私の方から冷や汗が出るなんて―…。
そして、ハルバーラは頭を上げると―…。
「こちらとしては、別に君たちを部下にしようとか、ギフト能力を寄越せとか言う気はない。
ギフトとは、適材適所であり、向き合うことができる、向き合っている者に与えられなければならない。
だからこそ、自分の目的だけに所有するのは、フォングラにとっては損失でしかない。
それに、試験に合格した以上、私は君たちを敵から保護を約束しよう。
まあ、私のできる範囲にも限りはあるが―…。」
やっぱりギフト持ちの中でも、違うなぁ~。
ファングラという世界がどうなるかを理解しているからでしょう。
ハルバーラは、そのことを分かってしまっているからこそ、ファングラ崩壊の結末になって欲しくなくて、そのための行動をしているのだ。
崩壊するその時まで、自分の夢を叶えようとして、他者に大迷惑をかける奴もいるというのに―…。
ハルバーラ…良い奴です。
いつか会ってみたいですねぇ~。
無理ですけど―…。
そして、ハルバーラは、有輝とイルアーナさんを保護してくれる模様です。
まあ、これ、関数シュミレーションの中でフォングラ崩壊を防ぐために、重要なことなんだよなぁ~。
イルアーナさんに、このことを言うことはできないですねぇ~。
ファングラ崩壊を阻止することができた暁には、こういうネタバレを言うのも良いですねぇ~。
まあ、ハルバーラにできることにも限りはありますが、有輝とイルアーナさんにとっては好都合なのではないだろうか。
二人もそのことに気づいているようだ。
(…保護という言葉を完全に信用することはできない。しばらくの間、ここにいた方が良いのは、俺のギフトを示しているようだ。
それに―…、嘘を言っているわけではないし、変な要求をしてくるという感じではない。
様子見ということで―…。)
有輝はこのように心の中で思っているのですねぇ~。
安心してください。
このフロンティラ領の領主は、二人を馬鹿なことに利用はしませんから―…。
(ここ以外に安全な場所はなさそうね。悔しいけど―…、本当に悔しいけど―…。)
イルアーナさんは悔しそうにしている。
そう、まるで、ハルバーラから施しを受けているように感じて、侮辱されているのではないかと思っているのだ。
だけど、フロンティラ領の領主の場所に安全な場所なんて―…。
「では、暫くの間、フロンティラベルトの方に拠点を置かせてもらいます。」
と、有輝は返事をするのだった。
こうして、有輝とイルアーナさんはフロンティラベルトでスペーグラの活動を開始するようになるのであった。
これが、一つの包囲戦の開幕のきっかけとなるのだった。
第40話 に続く。
誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正していくと思います。
今回で、第一部の第一章は完成ということになります。
次回からは第二章です。
蠢きますよ~。
新規用語
①フォーナラ=エバグリド
…フロンティラ公爵領騎士団副団長。実力はフロンティラ領の中で一番であり、ギフトは現在有していない。ハルバーラの護衛をしていることが多い。戦場に出ることも多い。フォイリの語りでは、意外と紳士な性格をしている。真面目に職務をこなす。
次回の投稿日は、2023年6月17日頃を予定しています。
では―…。




