第一章 コロネ村防衛戦 〜侵略準備〜
コロネ村の集会所には3人の有力者が集まっていた。
その誰もが欲深そうな笑顔を隠しもしない。
「チクとタクの兄弟が消えた。どこかでのたれ死んでおる可能性も高いが、、、。
アーリア平原の地形変動の件は聞いておるな?」
痩せ細った体に、面長でしわくちゃな顔、威厳を保つためにたっぷりと髭をたくわえている村長テトが問いかける。
「もちろんでございます。テト様。
商人達も騒いでおりました。
このブチも微力ながらアーリア平原の探索に手下共を放っております。」
コロネ村の商人頭のブチは張り付けた笑顔で、禿げあがった頭をペシリとはたいている。
「ガハハハハ、難しいことはわからんがダンジョン誕生の可能性が高いということだろう?
俺様がぶっ潰してきてやる、このガブ様に任せな‼︎」
村一番の力自慢ガブは大柄な体に、大きな口から唾を撒き散らし喚き立てる。
「その通り、これは伝説に聞くダンジョン誕生の予兆とよく似ておる。
南の交易都市サマランは、誕生したてのダンジョンを破壊して莫大な富を得たという。
破壊したダンジョンコアのカケラは大量の魔素を含む天然のエネルギー源。何百倍の重さの金と同価値と言われておるからな。」
村長テトはたくわえた髭を撫でつけながら、既に輝かしい未来を想像している。
「誕生したダンジョンを発見すればガルマン王国首都ガルマンに報告するが決まり。
しかしながら、今のところはただの地形変動。
ダンジョンかどうかはわかりませんからなぁ…。
ダンジョンと気がつかず破壊してしまっても……不可抗力というやつでしょう!
フフフ‼︎」
村長テト、商人頭ブチはダンジョンの破壊によって手に入る莫大な財宝に目が眩み、独占する気マンマンだ。
「ガブ、村の精鋭をかき集めてダンジョンを攻略するのじゃ!
ブチはありったけの装備を提供せよ!
財宝は我らのものじゃっ!」
「おうっ!!」
「ははっ!!」
欲にまみれた侵略者達は、ダンジョンへの侵略を開始する。
自分たちに輝かしい未来が来ることを疑いもせずに…。
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サーチバットを使って辺りを偵察させたところ、近隣にコロネ村という小さな村があるようだ。
この間倒したチクタク兄弟がこの村の出身であれば、遅かれ早かれ敵が攻めてくる。
現に村の人間達が戦闘準備しているのが見えた。
人口からして大した数ではないが、前回のような優しい戦いにはならないだろう。
戦力の増強、確認は急務だな。
ー鑑定ー
種族名:ダンジョンマスター
個体名:ヤマト
力:130
耐久:130
敏捷:110
器用さ:110
賢さ:170
魔力:170
耐魔力:120
スキル
魔物召喚LV2、魔物合成LV2、ダンジョン改変LV2、鑑定LV3、炎魔法LV1
種族名:ゴーレム
個体名:ゴラン
力:200
耐久:220
敏捷:80
器用さ:50
賢さ:50
魔力:50
耐魔力:170
スキル
格闘術LV2、鉄壁LV2
格闘術
自らの体で直接戦う時に補正がつく。
鉄壁
耐久、耐魔力に補正がつく
現状うちのダンジョンでの最強は俺と名付けの魔物ゴランだろう。
他にボブゴブリン率いるゴブリンの投石部隊、近接部隊。
サーチバット、サーチアイの監視網。
ウルフの群れ。スライムの群れ
ジャイアントバット率いるバットの奇襲部隊
そして新しい仲間ホビット。
ダンジョンが成長したことによって1日に1000魔素を手に入れられるようになった。
侵略者が準備を進める間に我々も戦いの準備を整えよう。