第二章 魔女の思惑、盗賊の夢 ー不屈の巨人ー
「いい加減死になさい!
ダークネスランス‼︎」
漆黒の大槍がゴランの身体を激しく貫く。
全身傷だらけになるがすぐに起き上がる。
「オレハタオレナイ‼︎
ヤマトサマハオレガマモル‼︎」
出会ってから数刻、ゴランは防戦一方だがアマネの強力な攻撃を何度食らっても倒れない。
種族名:魔女
個体名:アマネ
力:300
耐久:300
敏捷:300
器用さ:500
賢さ:1500
魔力:1500
耐魔力:1500
スキル
闇魔法LV10、薬生成LV5、召喚術LV5
「ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ。
どれだけ頑丈なのよ!
私の魔法をうけてここまで立ち上がってきたやつなんて初めてよ!」
アマネは自ら生成した薬を服用して、寿命を先延ばしにしているがそれも長くは持たないだろう。
予定より早く大部屋に到着した時はまだ余裕を感じていたが、いつまでも倒れないゴランに余裕をかき消されている。
種族名:ギガス
個体名:ゴラン
力:800
耐久:1100
敏捷:300
器用さ:200
賢さ:200
魔力:200
耐魔力:1100
スキル
怪力LV5、鉄壁LV5、格闘術LV5、不屈LV5、威圧LV3
進化してからの過酷な修行、度重なる魔法攻撃から復活したことによりゴランも強化されてはいる。
しかし魔女の攻撃には及ばず、防ぎ切れないダメージは確実に蓄積されている。
「ゼハァ、ゼハァ、ゼハァ……
マケナイ、タオレナイ。
オレノナハゴラン、ダンジョンサイキョウノシュゴシャ‼︎‼︎」
傷だらけの体に鞭打って、魔女に突撃する。
ゴランの攻撃をまともに食らえば魔女の耐久ではひとたまりもないだろう。
「やらせるわけないでしょうが‼︎
ダークネスボール!ダークネスランス!」
「ガハァッ‼︎」
当然魔女もそれがわかっているから決してゴランを近づけることはない。
この戦いの命運は魔女が押し切るか、ゴランが耐え切るかにかかっていた。
「ハァ、ハァ、ゼハァ
マケナイ、マケラレナイ……‼︎」
満身創痍のゴランはなんとか立ち上がるが、ふらついた足はなんとも頼りない。
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「ヤバい、ヤバいにゃぁ‼︎
ゴランがやられればもうダンジョンは終わりにゃっ‼︎」
シャボンがコアルーム内を走り回りながら慌てふためいている。
それも無理はないか。
目と鼻の先の大部屋でゴランがやられかかっているのだから。
「うろたえるな、シャボン‼︎
確かにゴランが敗れれば後はない。
俺たちに魔女を倒す力はない。
今俺たちにできることはゴランを信じることだけだ‼︎
信じてるぞゴラン、必ず勝て‼︎」




