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第二章 魔女の思惑、盗賊の夢 ー墜落ー

長い戦闘で攻撃パターンが一定になるということは回避パターンも一定になる可能性が高い。



高速飛行を繰り返すグリフォンであっても例外はないはず。



サミルはグリフォンの行動パターンを割り出すべく、観察に集中していた。



「ゴブリンの矢、風の鎧で弾く。

ハイエルフとエルフの矢は右方向へ回避。


フェアリーの魔法は上空へ……」



しばらくの間観察を続けていたサミルであったが、ひとつ頷いてテッドへと報告を行う。



「行動パターンをほぼ割り出した。


私の言う通りに配置すれば敵に一撃当てることができる。」



「サミル、よくやった。


一撃あれば十分だ。お前も例の武器に持ち替えておけ。



皆に伝令だ!」



ーーーーーーーーーーーーーー




それからしばらくして、テッドの指示で部隊が配置を大きく変えた。



「雑魚どもがいくら足掻こうと我に攻撃を当てることもできないとしれ‼︎」



ソニックも当然こちらの動きには気がついているが、更に激しく飛び回り風魔法を放つことでこちらの思惑を潰そうとしているようだ。



「慌てることはない、指示した手順で攻撃せよ‼︎」



テッドの号令で一斉に攻撃が開始される。


ハイエルフとエルフの矢が、フェアリーの魔法が、ソニックを襲いハイウルフが飛びかかる。



敵の休む隙を与えず、ゴブリンの矢とホビット達の奇襲攻撃が絶え間なく続く。



「ガハハハハ、


どれだけ攻撃しようが貴様らの攻撃など掠りもせぬわ‼︎」



テッドとサミルはじっとソニックの動きを観察していた。



「左、右、上、左、左、左」



「52、53、54、そろそろ風の鎧の使用時間が切れるぞ。」




2人の思惑通り、部隊から大きく距離をあけたソニックは風の鎧を解除する。



「今っ‼︎‼︎」



「ぬおっ‼︎甘いわっ‼︎」



サミルのナイフはソニックの体を掠めるが、上空に退避されてしまう。



「お前もなっ‼︎」



「ぐあぁっ‼︎」



失敗と思われた奇襲であったがあらかじめ動きを読んでいたテッドのナイフが、ソニックの首と翼を深々と切り裂いた。



「うぐっ、まだだ…


まだ我は負けぬ。

アマネ様の障害は我が打ち砕くのだっ‼︎



っな⁉︎風魔法が使えぬ‼︎

貴様ら何をした⁉︎」



テッドの攻撃を受けてもなんとか逃げ出し、ふらふらと飛んでいたソニックだったが、頼みの風魔法を発動することができなかった。



「うちの鍛治士特製の魔法を阻害するナイフだ。


長くは持たないが、翼を傷つけられた貴様がハリネズミになるくらいは十分な時間だろうよ。



皆、放てぇ‼︎‼︎」




テッドの合図と共にハイエルフ達の矢が、フェアリーの魔法が一斉に襲いかかる。



「ぐあぁあ‼︎」



たまらずソニックは地面に墜落するのだった。

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