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第二章 魔女の思惑、盗賊の夢 ー魔女の思惑ー

いつも通りの日の夕方。

亜麻色の髪の美女、アーリア平原の魔女アマネの元に1羽の鷹が訪れた。



「あら、この子はもしかして。」


事前に協定を交わしていたベッツとかいう男から手紙が届いたようだ。



協定の内容は単純。

ダブラ盗賊団がダンジョンを侵略するのを静観して欲しいというもの。


ダンジョンなど誰が滅ぼしても構わないが、一つ交換条件を出した。


"余命の少ない私が、最期に滅ぼすに値するダンジョンか判断して欲しい。


もしもその価値があるのであれば、ダンジョンは滅ぼさずに私に連絡すること"



飄々としていたが、隙はなく全盛期の私と同程度の力は持っているように見えた。



あの男なら一人でダンジョンを滅ぼすことも容易だろうと思ったが、まだダンジョンは残っているようだし…。



あんな生まれたてのダンジョンに、あの男を納得させるだけの価値があったとは思えないが


「へぇ…。


ダブラ盗賊団を軽微な被害で壊滅させるだけならまだしも、あの男に手傷を負わせる敵がいるとはねぇ。



これなら確かに私の最期の攻略にも相応しいかもね。」



私はダンジョンの方向に召喚した鴉を飛ばした。

足には宣戦布告の手紙がくくりつけてある



「私の寿命の問題もあるけど…

万全の状態で戦ってもらう必要があるから、少しは猶予をあげるわね。」



ーーーーーーーーーーーー



なんとかダブラ盗賊団を撃退した俺の元に、一通の手紙が届けられた。



なんでも森エリアにいたホビットの元に一羽の鴉が飛んできたそうで、足にくくりつけられていた手紙を見つけたようだ。



サーチバットで一瞬映像を見てから、いつかは接触があると思っていたが、戦いの後すぐにか。

宛名はやはり

アーリア平原の魔女 アマネ だった。



内容を要約すると、

1週間後にダンジョンを攻めるから準備しておくように

とのこと。



十分な時間を得られなかったことを嘆くべきか、はたまたダブラ盗賊団撃退後すぐに攻められなかったことを喜ぶべきだろうか。



おそらく後者だろうな。

問答無用で潰されてもおかしくなかった。



むしろ、普通はそうするだろう。

いくつもの幸運が重なって生きていられているのを感じる。



「ひとまず、ダンジョンの強化だ。


猶予は1週間。

のんびりしている時間はないぞ!」



幸い被害は軽微だ。

得られた経験と魔素で精一杯魔女を迎える準備をしなくてはな。



「ははっ!


次こそ死霊達の戦いをお見せしましょう!」



「僕も精一杯サポートするにゃあ!」



ネクロマンサーとシャボンもやる気十分みたいだな。




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