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第二章 魔女の思惑、盗賊の夢 ー激突ー

「へぇ、見違えたねぇ虎くん。


その姿もだけど…ここにいるってことはゴンザ副首領を倒したってことかな?



見かけだけじゃなく、随分強くなったみたいだ。」



ベッツはニヤリと笑う。

強敵の出現に喜んでいるようだ。



「自分はリンネル。

敬愛する主、ヤマト様の剣。


いざ参る。」



対するリンネルは力の差を理解しているのだろう。

真剣な面持ちでベッツへと向き合う。



たとえ力の差があろうとも引けぬ。

ヤマト様の元にこの化け物を行かせては危険だ。



リンネルはベッツに思いきり斬りかかる。



「いいね、重い剣だ。



でも、それだけの力があれば実力の差はわかるだろう。

なぜ引かないんだい?」



ベッツは涼しい顔で大剣を受けている。

やはりリンネルの実力ではベッツには到底敵わないのだろう。



「例え絶望的な戦いでも、自分は引かない。



敬愛するヤマト様を、信頼する仲間を失うわけにはいかないからな!」



一瞬の隙をついてリンネルの大剣がベッツの頬を掠める。

軽傷だが、初めて手傷を負わせたようだ。



「ハッハッハ、


本当に強くなったね、虎くん。

いや、リンネル。



でも、もう終わり。」



ベッツの放った一閃がリンネルを深々と切り裂く。

リンネルの大剣もベッツの足を掠めるがそこまでだった。



「グハァ‼︎



俺は、、、負けるわけには、、、‼︎」



血を失いすぎたリンネルは、洞窟エリアを塞ぐように立ったまま気絶する。



「見事‼︎


ちゃんとした手傷を負ったのは久しぶりだよ。

それに、、、思いの強さは既に俺以上かもね。」



驚いた。

私という足手まといがいたとはいえ、あのベッツに手傷を負わせるものが存在するとは…。



「ベッツ、お前。


まだ進む気か…?」



ふむ…。

ダンジョン襲撃前の魔女との約束がある。

わずかであるが手傷も負っている。


この辺りが潮時か。



「いや、ダンジョンを出よう。


この辺りが潮時だ。

これ以上はカリンちゃんが危ないしね。


大したことがなければそのまま滅ぼしてもよかったけど、彼らは強い。

成長の余地もあるみたいだしね。



魔女との約束を破って怒らせるのも怖いしね。」



リンネルの奮戦、そして魔女との約束とやらのおかげでなんとかベッツ達を撃退することに成功したようだ。



のんびりと歩きながらダンジョンを出て行くベッツ達だが、当然追うことはしない。


見逃してもらったのはこちらの方だ。



ベッツ達が仲間を引き連れてダンジョンを襲う前に、少しでも時間を稼いで戦力を強化していくしかないだろう。



ダブラ盗賊団は残り団長のダブラ1人だ。

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