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第二章 魔女の思惑、盗賊の夢 ー進化ー

ゴンザは手強かった。

首領のダブラを超える怪力を誇り、戦闘の経験も豊富だ。



怒りでやや単調な攻撃であったことで、なんとか食らいついていたリンネルだったが限界が訪れる。



「いい加減くたばれ猫ッコロがぁ‼︎」



「ガルァアア‼︎


ガッ!」


敬愛する主からの労い、期待に応えようと必死に戦ってきたが、体力の限界を迎えゴンザの斧で深々と斬りつけられる。



「ハァ、ハァ、ハァ、



クソが、みっともなく粘りやがって‼︎」



リンネル部隊は数と地形の優位もあって押している。

今もゴンザを助けに向かった隊員を3人ほど倒している。


お互いの戦力はリンネル隊残り35人、ゴンザ隊残り17人。




「これでトドメ…ックソ‼︎



邪魔すんじゃねえ、雑魚どもが‼︎」



リンネルが苦戦しているのを見たリンネル隊の隊員が槍で手傷を負わせることに成功するが、怒ったゴンザに斬り伏せられる。



「クソがッ‼︎



俺様の邪魔をしやがって…。

てめーら雑魚は俺たちダブラ盗賊団の生贄なんだよ!



俺たちが貴族になるために大人しく死んどけやっ‼︎」



斬り伏せられていたウォータイガーは、怒り狂ったゴンザに執拗に嬲られる。

既に絶命しているようだが、斬りつける、殴る、蹴るの暴行は止まない。



「ハァ、ハァ、ハァ…。



クソッ、死んでやがる‼︎

次はどいつだ餌どもがぁっ‼︎‼︎



てめーらは皆殺しだ!

このダンジョンも、てめーらの仲間もみんな嬲り殺してやる‼︎



お前らみたいな雑魚を従えてる雑魚ダンジョンマスター(・・・・・・・・)も一緒になぁ‼︎」



怒りで喚き散らすゴンザは決して言ってはならないことを口にした。



生まれてからずっと寝食を共にしてきた部下を嬲り殺しにしたことも許せない。



自分とその仲間たちをとるに足らない雑魚だと馬鹿にしたことも許せない。



そしてなりより…

自分たちの敬愛する創造主を貶め、嬲り殺すなどとのたまい、それを止めることもできない

弱くて情けない自分達が、自分が何よりも許せない!



"ウォータイガー リンネルが進化条件を満たしました"


特殊上位個体へと進化を開始します。



種族名:カーネルタイガー

個体名:リンネル


力:700

耐久:500

敏捷:700

器用さ:200

賢さ:200

魔力:200

耐魔力:500


スキル

怪力LV3、大剣術LV3、統率LV5



全身から力が溢れ出てくるようだった。

体は二回り大きくなり、巨漢のゴンザと比べても見劣りはしない。

顔つきは精悍さを増して、歴戦の戦士然としている。

部下達の統率も上手くなったようだ。



進化とは凄まじいものだな。

この力があれば…。


「これ以上貴様の勝手にはさせない。


敬愛するヤマト様の剣として、お前を討つ‼︎」

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