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第二章 魔女の思惑、盗賊の夢 ーリンネルVSゴンザー

ゴンザの剛勇により、ウォータイガー部隊の前線が崩壊する。

死亡したものこそ最初の一体のみだが、隊列が乱され機能していない。



時間稼ぎもここまでか…。

ヤマト様の命令を完璧にこなせなかったのは自分の不徳の致すところ。



ゴンザとは自分が戦って時間稼ぎを……


そう考えた時だった。


「リンネル、時間稼ぎご苦労!



テッド達は見事目的を撃破した。

次はお前たちの力を見せてくれ!」



「ガァアァアアアア‼︎」



最初に全身に溢れたのは味わったことのない幸福感だった。

自らを生み出してくれた創造主ヤマト様が我々の働きを見て、労ってくれている。



次に、猛烈な羞恥と自らに対する怒り。

ヤマト様に見ていたいただいていたにも関わらず、命令を完璧にこなせなかった。

なんと不甲斐ない…。



そして、最後に感じたのは猛烈な高揚感。

ヤマト様がこれほど情けない自分に、自分たちに期待して、再び命令を下してくれている。



リンネルは槍(使い慣れない武器)を捨て、自らの相棒である大剣を装備する。

部下の者達も、剣(持ち慣れた武器)へと装備を変えている。



この気持ちは皆同じ。

いざ参る。



「来いや、猫ちゃん‼︎‼︎」



「ガルァアアアアアア‼︎‼︎」



ゴンザがリンネルと、部下達が丘の下へ駆け下りゴンザ部隊の配下と戦闘を始める。



「へー、あの虎やるねぇ。


ゴンザ副首領と互角に渡り合ってやがる。」



ベッツは戦闘の模様を少し離れた位置から眺めていた。

戦いのどさくさに紛れて距離をあけたのだ。


完全に観戦モードである。



「お前は一緒に戦わなくていいのか?」



カリンは見下したような顔でぼやく。

魔女との約束はいいのかとも思っている。



「いいのいいの。


魔女との約束は直接戦う必要はないし、


それに……

俺が戦ったらすぐに皆殺しにしちゃうからね。」



ゾッとした。

この男の言っていることは決して嘘ではない。


戸惑いなく本当にやるだろう。

短い付き合いだが、カリンにはそのことがわかっていた。



「…うん。


カリンちゃん、ここはある程度見たからダンジョンの奥へ向かおうか。」



「あぁ…。」



ベッツとカリンは森エリア中央を離れ、ダブラ部隊の後を追う。

魔女との約束を果たすため、そしてベッツ自身の目的を成すためにも。




ーーーーーーーーーーーー


「リンネルはよくやっているようだな。」



ネクロマンサーの作戦で1番不安だったのはこの森エリア中央の戦いだった。



ただでさえ手強いゴンザ部隊との戦闘。

そして鑑定でも強さを測ることのできないベッツ。



彼らが最初から本気で攻めてきていれば作戦はすぐに頓挫していた。

いかにリンネルでもゴンザとベッツ同時では戦いにもならないだろう。



そこは他の魔物達でも同じだが…。

ベッツ達がダブラ部隊を追ってこちらへと向かっているのも気がかりだ。



カリン(連れの女)の方は大したことはない。

人質にして交渉材料になるだろうか?



ひとまずリンネルがゴンザに勝つことを祈ろう。


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