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第二章 魔女の思惑、盗賊の夢 ー接近ー

棲家としている砦から1週間、ベッツが連れてきたボロボロの女、カリンに道案内をさせてコロネ村へとやってきた。



実際は道案内などいらないが、意識を取り戻すなり一刻も早く首都ガルマンへ向かいたいようで激しく抵抗された。

ベッツが一度気絶させて落ち着かせなければ腕を引きちぎってでも逃げ出したことだろう。



なんとか落ち着かせて、コロネ村を経由した後ダンジョンまでの道案内を済ませればすぐにガルマンへ向かう約束をした。

ベッツが上手く説得しなければ、最悪その場で殺さなければならなかった。




「あれじゃまるで獣だな…。」


俺もダブラ盗賊団の頭として、色んな人を攫ってきたがあれだけの暴れようは初めてだ。




そのままガルマンへ向かわれれば、俺たちがダンジョンを攻略する前にガルマンから軍隊が送られる危険がある。


しかし、貴重なダンジョン内の情報源だ。

何も聞き出さないうちから殺すのはもったいない。



条件を天秤にかけた上での決断だった。


コロネ村へ向かう道中である程度の情報は聞き出したが、あの暴れようを見れば、殺すのは激しい抵抗が容易に予想できるし無駄に危険を冒す必要はない。



「ダンジョンにさえ着いちまえば、あの女がガルマンに助けを求めるより俺達がダンジョンを攻略する方が早いからな、頭‼︎」


盗賊団の副首領、ゴンザだ。

禿頭に大きな顔と大きな口の粗暴な男だ。

腕っ節と一部の部下の人望はあるが、頭はからっきしだ。


「あの女の情報は2週間は前だ。


今も同程度の戦力だと思ったら大間違いだよ‼︎」


露出度の高い服装に激しい口調。

見た目は美人だが、鋭い目つきと濃い化粧に性格のきつい盗賊団の頭脳、マリカだ。



見た目とは裏腹に頭の回転が早く、戦闘能力は低いが作戦の立案や、戦闘時の戦力配分、咄嗟の機転は盗賊団随一だ。



「……関係ない。

ダブラ首領とゴンザ副首領、そして私の力とマリカの作戦。

生まれたてのダンジョンなんかに負けやしない。」


サミーは短剣術の使い手で、相当の腕前だ。

そこらの男になど負けることはない。


戦闘中は同性のマリカの護衛を務めることが多いが、柔軟な動きで敵のボスを暗殺したりもする。



「お前らの言いたいことはわかった。


ダンジョンの攻略に入る前にまずは魔女と交渉だ。

そのまま攻め込んで魔女の逆鱗に触れたら目も当てられねえ。



ベッツ、お前が適任だ。

アーリア平原の魔女の棲家に向かえ。


ダンジョンを攻めても攻撃されないように約束を取り付けてこい!」



「了解。


カリンは連れていくぜ。

暴れ出した時に説得できるのは俺だけだろうからな。」



妙に入れ込んでやがるな。

人質の女に情が湧いたか?



「あぁ、構わねえ。


ただし邪魔はさせるなよ。

もしものことがあれば、お前がその女を殺せ!」



あんな女はどうでもいいが、失敗は許されねえ。

まぁ、ベッツならうまくやれるだろう。



魔女との交渉が済めば、いよいよダンジョン攻略だ。

俺たちの夢が叶うのももうすぐだな。

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